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サーの奇妙な体験 8


食事を終えたサーは、勇気を振り絞りながら名刺の名前の小野寺雅俊さんの書かれた電話番号を携帯に入力しました。彼女の指先がわずかに震えながら、携帯電話を耳に当てます。耳元で心地よい音が鳴り、まるで彼女の心臓の鼓動のように速くなります。


待つ間、彼女の心は緊張と期待で高揚し、不安ながらも希望に満ちた感情が渦巻きます。いつもと違う何かを感じながら、彼女は小野寺さんとの未知の出会いに胸を膨らませます。時間がゆっくりと過ぎるように感じられますが、彼女は最後まで希望を捨てず、電話が繋がることを心から願っています。


『お電話ありがとうございます。

ヘアーサロン ワイズです』


『すみません.高橋と申します。小野寺さんお手隙ですか?』


『どのようなご用件でしょうか?』


『以前お世話になったものです』


『では、少々お待ちくださいませ』


保留の音楽が聞こえてる


とりあえずお店に繋がった。サーはドキドキしながらも、保留の音楽が切れた時、おじさんが出てくるる事を信じて待っています。


保留音が止まった


小野寺 『お待たせしました。高橋さんですか?』


サー 『はい、そうです。高橋サナと申します。小野寺さんですか?』


小野寺 『ハィ、お電話ありがとうございます。どういったご用件でしょうか?」


サー 『実は、先日新宿で、助けていただいたものです。あの後、すごく気になって、また公園まで戻ったら、名刺ケースが落ちていて、多分おじさんのかなと思いまして、あの時お礼も言わずに別れたのですごく気になっていて…。』


サーは緊張しながらも、丁寧に自分の気持ちを伝えます。


小野寺 『ああ、あの時の…。

あれから、大丈夫でしたか?』


サー 『はい』


小野寺 『良かった。やっぱりあそこで落としたんだ。

後で気がついて、でももう電車に乗ってしまったから、諦めてたんですよ。緑のケースだよね。』


サー 『はい.失礼だと思いましたが、中を見させていただいて、小野寺さんの名刺が何枚もあったので、この人がおじさんかなと思って電話してみました』


小野寺 『大正解でしたね。ありがとうね。』



小野寺さんの落ち着いた声が、サーに安心感を与えます。



サー 『それで、小野寺さん、名刺ケースも、お返ししたいし、お礼も言いたいので、良かったら今度お食事でも、いかがですか?』


小野寺 『そんな大した事ないですよ、お構なく』


サー 『いえいえ、それでは私たちが困りますから、ぜひ、よろしくお願いします。』


小野寺 『困ったな〜…

全然かっこよくなかったのに……』


サー 『そんな事ないです。小野寺さんのおかげで、私たち無事だったんですから。

どうしてもお礼がしたくて…

お願いします。』


小野寺 『了解致しました。そうしたら自分の携帯番号伝えますね…。』


サー 『ありがとうございます。』


サーは小野寺さんの携帯番号をメモをして、折り返し自分からも電話をかけて自分の電話番号を伝える約束をし、電話を切りました。


サーは小野寺さんとの電話が無事に終わった後、胸が高鳴り、ほっとした表情で深呼吸をしました。思わず微笑みながら、名刺ケースを手に持って、小野寺さんとの再会を心待ちにするサーの姿がありました。彼女の顔には、幸せそうな表情が浮かび、喜びに満ちた瞬間でした。この電話が繋がったことで、サーの心はほっと安堵し、明るい未来への希望が膨らんでいきました。


向こうから、ミユとわかなが笑顔で近づきてきて


ミユ 『サー先輩どうでした?

繋がりましたか?』


サー 『うん。 無事繋がったよ。

小野寺さんで間違いなかった。

すごい優しい感じな人で、良かった。

今度、食事する約束も出来て、携帯も教えてくれたよ(笑)』


わかな 『えーぇ、凄い!

良かったですね。サー先輩すごく嬉しそうですね。』


サー 『うん。勇気を出して電話をして本当に良かったと思ってる。』


3人は笑顔でおしゃべりを続け、小野寺さんとのやり取りを思い出しながら、楽しい会話を交わしていました。その後も、彼女達の会話は軽快で楽しげであり、楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。


サーは職場に戻り、小野寺さんとの電話が繋がった喜びから、いつも以上にテンションが高く接客に臨んでいました。


その日の午後のサーの接客は特に充実していました。お客様に対して笑顔で丁寧に商品の説明をする姿が、いつも以上に輝いて見えました。彼女はお客様とのコミュニケーションを楽しんでいる様子で、お客様もその明るい笑顔に心を打たれ、気持ちよくショッピングを楽しんでいました。


ある時は、サーがお客様にアドバイスをする際に、お客様が特定のアイテムを探していたところ、サーがその商品を素早く見つけ出しました。お客様は驚きと喜びの表情で、サーに感謝の言葉を述べました。その姿を見て、サーの同僚たちも彼女の仕事ぶりに感心し、励ましの言葉をかけました。


サーは小野寺さんとの電話が繋がった喜びを胸に、より一層お客様に対して心を込めた接客を行い、その日の仕事を充実させました。


彼女の明るい笑顔と温かい心遣いが、お客様にとっても心地よいショッピング体験となりました。


続く


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