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サーの奇妙な体験 37

ごめんね

少し遅れました。


でも、第37話完成

この先サーと恵美の行動は、如何に?


高橋さんはサーの手を静かに見つめ、少しの間、目を閉じて深く集中していました。やがて、彼女は優しい口調で話し始めます。


「その方は、あなたにとって本当に大切な存在ですね。まだ出会ってからそれほど長い時間が経っていないようですが、その方の存在は、あなたの人生においてとても大きな意味を持っています。心配しなくて大丈夫です。火曜日、その人に会える」


サーは、高橋さんの言葉に少しほっとした表情を見せましたが、その直後、高橋さんは少し眉をひそめ、サーの手に視線を戻します。


「ただ…何か問題がありますね。その方の後ろに、もう一つの存在を感じます。何かがその方を取り巻き、混乱をもたらしているように感じます。誰か、あるいは何かが、その方を影響下に置いているのかもしれません。」


その言葉を聞いて、サーは一瞬戸惑いましたが、決心を固めます。

今まで胸に抱えていたマーさんとの出来事を、すべて高橋さんに打ち明けることにしました。


もしそれで少しでも解決の糸口が見えるならと、心を開きます。


サーが話し終わると、高橋さんは優しく頷き、柔らかい笑みを浮かべました。


「サラさん、正直に話してくれてありがとう。お話を聞いて、少しずつ状況が見えてきましたよ。

そのマーさんという方…彼はもしかすると、別の次元に存在しているのかもしれませんね。」


サーは高橋さんの言葉に耳を傾け、少し驚きを感じながらも、どこか納得できるものを感じていました。


「お母さんとマーさんは、現実の世界ではあの時から出会っていないように見えるかもしれませんが、きっと別の次元では出会っていたのではないかと思います。マーさんが現世を離れたあと、何かが起きて、その次元に紛れ込んでしまったのかもしれません。そして、今はその違う次元のマーさんと繋がっているのではないでしょうか。」


高橋さんの言葉は、どこか穏やかで、包み込むような暖かさを持っていました。それはただの説明ではなく、サーの心に寄り添い、彼女の不安を和らげるようなものでした。


「もしかすると、その次元で何かが動いているのかもしれません。マーさんがあなたにメッセージを送ろうとしているのか、それとも別の力が関与しているのか…でも、どちらにしても、その思いがこうして現実に影響を及ぼしているのだと思います。あなたがそのマーさんのことを思う気持ちが、次元を超えて繋がっているのでしょうね。」


サーは、高橋さんの言葉に心を打たれ、深く頷きます。高橋さんの優しい瞳が、サーの心の中にある不安や疑念を少しずつ溶かしていくような感覚でした。


サーは、これまでの話の流れに戸惑いながらも、思い切って質問しました。「やっぱり、マーさんは幽霊なんですか?」


高橋さんは静かに首を横に振り、優しい声で答えます。

「いいえ、マーさんは幽霊ではないわ。あなたが会っているマーさんは、違う次元に生きている人。その次元では、マーさんも普段通りの日常を送っていて、何も変わらない自分として存在しているの。だから、彼自身もその違いに気づいていないのかもしれないわ。」


サーはその言葉を聞きながら、頭の中で必死に整理しようとしています。異なる次元、マーさんの存在…。彼女の思考は混乱し、まるでもつれた糸を解こうとするかのように、心の中で答えを探し続けます。マーさんとの思い出が、現実と夢の境界でぼんやりと揺れているように感じられ、サーはそれを理解しようと懸命になっていました。


そんな彼女を見て、母も少し気になった様子で質問を投げかけました。

「では、なぜ雅は現世に現れたのですか?まだ成仏できていなくて、迷っているんでしょうか?」


高橋さんは少し考え込んでから、ゆっくりと口を開きました。

「それは違うと思うわ。マーさんは何か未練を抱えてさまよっているわけではないの。成仏できない魂ではない…

ただ、その理由だけははっきりわからないのよ。もしマーさんAとマーさんBという、同じ存在が別の次元にいると仮定したら、どちらのマーさんも穏やかで、葛藤や不安を抱えているわけではないの。」


高橋さんの言葉を聞きながら、サーと恵美

は静かに耳を傾け続けました。2人のマーさんが異なる次元にいて、どちらも穏やかに過ごしているということ。それは、一見不思議で理解し難いことでしたが、高橋さんの柔らかな語り口は、どこか安心感を与えてくれました。


「手相の話から少し逸れてしまったわね。でも、これも何かの縁。時間は気にしないで、少しずつ紐解いていきましょう。大丈夫ですか?」

高橋さんは、優しく微笑みながら、2人を気遣うように声をかけました。


サーと恵美はお互いに視線を交わし、頷きます。彼女たちもまた、何か大きな流れの中にいるような感覚を抱き、これがただの偶然ではないと感じていました。高橋さんの言葉に導かれるように、彼女たちは次に何が起きるのかを静かに待ちます。


その時、高橋さんは目を閉じ、しばらくの間、深い集中に入ったかのように静かに呼吸を整えていました。室内は一瞬、神聖な静けさに包まれ、まるで空気が変わったように感じられます。その静寂の中で、サーは自分の心の中にある問いをもう一度見つめ直していました。マーさんの存在、そしてこの不思議な縁がもたらす未来への希望と不安。その全てが、今、目の前に開かれようとしているかのようでした。


その静かな空気を保ったまま、白髪の巫女さんが静かに入ってきて、2人にお茶を出してくれました。彼女は優しい笑顔で話しかけます。


巫女

「先程は急に声をかけてしまってごめんなさいね。でも、不思議なことに、あなたたちにはどうしても話しかけなくてはいけない気がして…。

今までこんなことは一度もなかったのに、今日は何かに導かれたような気がしたの。あなたたちが初めてのケースよ。」


巫女さんの言葉に、サーと母は驚きつつも、その特別な縁を感じ取っていました。自分たちが導かれたように、この巫女さんもまた、何かに背中を押されているのだと感じたのです。


「どう?相談してみて良かった?」


と巫女さんは、優しく2人を見つめながら問いかけました。


母は少し戸惑いながらも答えました。

「はい、なんだか不思議で、話を聞いているうちに少しずつわかってきたような気もするんですが、まだ完全に整理がついていないんです。」


その時、高橋さんがふと、少し遠くを見つめるようにして静かに口を開きます。

「加藤さんも、導かれましたね。

きっと、加藤さんにも縁のある方ですよ」



あら、そうなの?どんな人に導かれたのかしら…と少し微笑みます



「その方、美容師さんだったんですって。でも、5年前に亡くなられたそうで、それでお2人は今日、お墓参りに来たんです。」


その言葉を聞いて、巫女さんは驚いた様子で、2人の方に目を向けました。


巫女

「もしかして…小野寺さんのことじゃないですか?」


「ええ、そうです。ご存知なんですか?」


巫女は目を見開き、驚きを隠せない様子で語り始めます。

「小野寺さん…もちろん知ってるわ!彼は私の担当の美容師で、長い間ずっとお世話になってたの。とても信頼していたから、任せきりだったのよ。何年も何年もね

今思うと、きっとあの店長さんがあなたたちをここに引き寄せたのね。本当に他人に対しての思いやりが素晴らしくてね。素敵な人だったから…。本当に不思議な縁だわ。」


巫女さんは懐かしそうに、小野寺さんとの思い出を話し始めました。

「うちは、家族ぐるみで店長さんにお世話になってたの、

娘は、海外で結婚生活してるんだけど日本に帰国すると、必ず店長さんのお店に行ってカットしてもらってたの。

その息子、私の孫が日本に留学に来た時も、孫をいろんな面倒見てくれてね。

まだその時は未成年だったから、今度来た時は飲みに連れて行ってあげるなんて言ってくれててね、孫もその気になって楽しみにしてたのよ。

あんな人いないよ

そんないい人が病気になるなんてね…」


彼女は小野寺が店を離れた時またすぐに完治して戻っで来ると最後まで信じていました.

本当に信頼していた美容師でした。

そんな彼がこの場所に関連する出来事を引き起こしているのだと思うと、ますます不思議な気持ちが湧き上がってきたのです。


「そういえば、10年くらい前だったかしら…」と、巫女さんはふと思い出すように話を続けます。


「彼が悩んでいたことがあってね。私が高橋さんのことを紹介したのよ。確かあの時も、何か重要なことを相談したいって言って、ここに来たのを覚えているわ。

仕事の事とお客様のことだったかしら、

仕事の事は聞いてないからわからないけど、確か、大切なお客様が亡くなった。弟みたいに可愛がっていたんだって、確か若くして亡くなられたんだと

それですごく落ち込んでいたの、それで私が高橋さん紹介したんだった。

少しでも悲しみから立ち直れればと思ってね。

その後、カットしてもらいに行ったら、もう大丈夫です。加藤さんのおかげで立ち直ったよ。

って、あの笑顔がなんか忘れらるなくてね…

店長さんは、本当に素敵な人でね。

店長さんが2人をここに引き寄せたというのも、きっと偶然じゃないわ。」


サーと母は、その話を聞きながら、ただの偶然ではない深い縁を感じていました。雅と巫女、高橋さん、そして自分たち。全てがこの場所で繋がり、何か大きな流れの中にいるような感覚が広がっていきました。この不思議な出会いが、これからどんな未来へと繋がっていくのか。サーと母はその縁に感謝しつつも、少しずつ心を開いていくのでした。


巫女さんの話が終わる頃には、2人はもうすっかりその場の雰囲気に馴染み、運命的な出会いに身を任せるような気持ちで、さらに深い相談をする準備が整っていきました。それはまるで、見えない糸で結ばれた大切な人たちが、今再び巡り会おうとしている瞬間のようでした。


サー

「私、これからも今まで通りにマーさんと会ったり、話したりしていたいんです。お母さんからマーさんが実の父だって聞いたときは、正直、驚きました。でも、考えてみると、すべてがすっと腑に落ちたんです。初めて会ったときから、ずっと頭の中から離れなくて…。年齢も全然違うのに、なんでこんなにも気になるんだろうって、自分でも全くわからなかったんです。でも、母に父親像を重ねてるんだろうって言われて、その時は逆に、寂しい思いをさせてごめんねって母に言われました。」


サーの声が少し震える。


サー

「でも、母に実のお父さんなんだ。そう言われたとき、すべてが一気に納得できたんです。あぁ、マーさんは本当に私の父親だったんだって…。

生きていることさえ知らなかったから、そのつながりを意識したことはなかったけど、きっと体が本能的に感じていたんだって、今、強く思います。

だから、火曜日に会って、それで終わりにはしたくないんです。もう少し、一緒にいたい。この関係を続けたい。

お父さんと、もっといろんな話をしたい。

それって、無理なんでしょうか?」


その言葉を聞いて、高橋さんは少し目を閉じ、何かを感じ取るように静かに呼吸を整えた。


高橋

「それがどうなるかは、私にもわからない。でもね、何かが確実に動き始めているのは感じます。最初にも言ったけれど、マーさんの背後には確かに誰かがいる。その存在は、天使かもしれないし、悪魔かもしれない。でも、私が感じている限り、悪い気はまったくしない。むしろ、とても良い気が流れていて、その存在がマーさんを後押ししているような感じがするんだよ。」


サーは一瞬、希望が湧くような感覚に包まれ、じっと高橋さんの顔を見つめました。


その時、恵美が静かに口を開く。彼女の声には、深い愛情とともに、どこか心の奥底にしまいこんでいた苦しみが滲んでいた。


「あの人に、私たちはどうしてあげればいいんでしょうか?彼は、苦しんでいるわけではないですよね?でも、もし少しでも苦しんでいるのなら、私…、どうすればいいのか…。」


恵美の目からは、知らず知らずのうちに涙が溢れ出していた。それに気づかぬまま、彼女はマーさんのことを想い続けています。


「あの人は…今でも、私にとって大切な人です。どれだけ年月が経っても、変わらないの。私は彼にもう一度会いたい。もう一度、もうぜったい後悔したくないんです…

直接話しがしたい。でも、それができないなら、せめて、せめて彼が苦しんでいないとわかるだけで、安心できると思うの…。彼が幸せでいてくれるなら、それだけで私は十分だから…。」


恵美の声は震えながらも、その想いは真っ直ぐで、深い愛情がにじみ出ていた。彼女にとって、雅は今でもかけがえのない存在。サーにとっても同じように、父親としてこれからもっと一緒に時間を過ごしたい、大切な存在なのだと2人は感じていた。


サーもまた、母の横でその気持ちを共有しながら、涙をこらえきれずに目を潤ませていた。そして、2人は静かにお互いを見つめ合い、心の中で同じ想いを抱いていることを確認し合うように、そっと手を握りしめた。


高橋さんはそんな2人の姿を見守りながら、静かに頷く。


高橋

「大丈夫。彼が苦しんでいるようには見えない。むしろ、あなたたちを見守っている気がするわ。これからもきっと、見えないところでサポートしてくれるはずよ。」


サーと恵美は、その言葉に少しだけ救われた気持ちになり、涙を拭きながら、心の中でそっとマーさんに感謝の言葉を送った。


サーは高橋さんにこれからどうすれば良いのかを尋ねました.


高橋

「サーさん、恵美さん、私も驚いているんです。ここでは手相専門で見させていただいているんですが、今日はどういうわけか、久しぶりに霊視をしてしまいました。これもきっと、小野寺さんの強い後押しがあったんだと思います。不思議なことに、今、全く疲れを感じていないんですよ。それだけ、あなたたち三人、(マーさん.サーさん、恵美さん)が同じ気持ちで深く繋がっているんだと思います。私はただ、その繋がりを少しだけお手伝いしたにすぎないんです。」


高橋さんの言葉に、サーと恵美はお互いに目を合わせ、これまでの出来事を静かに噛みしめていました。涙がじわりと目に浮かぶのを感じながらも、まだ少し信じられない気持ちが混ざっていました。


高橋

「きっと、3人が揃った時、驚くほど大きな力があなたたちを後押ししてくれると思います。これまで私が見てきた中でも、あなたたちは最強のチームかもしれません。サーさん、お母さん、これからもこの絆を大切にして、火曜日にマーさんに会ってください。」


お母さんも、今まで辛いこといろいろあったけど、助けてくれた人いますでしょ?忘れてはいけない人?


恵美は、過去の苦しみと、それを乗り越えるために助けてくれた人々の顔が次々と思い浮かびます。ずっと支えてくれた友人、そして、かつて愛した雅。

高橋さんの静かな問いかけに、彼女は小さく頷きました。


高橋

どう?沢山いたでしょ?


恵美

「はい…忘れていません。」


彼女の瞳には、長い年月を越えてもなお、深く刻まれた想いが浮かび上がります。


高橋

「サーさん、あなたもそうでしょう?心が折れそうな時に支えてくれた存在がいたはずです。あなたも、その繋がりを大切にしてきた人が。」


サーは目を閉じ、これまでの自分を振り返ります。心が迷った時、悩んだ時いつも私を救ってくれた存在、ミユ、わかな。

それにマーさんだったのかもしれない。そしてその父としての存在が、彼女を支え続けてくれたのだと今、確信に変わりつつありました。


高橋

「多分ね、マーさんもその一人なんですよ。いろんな人に支えられてね。

もしかすると、あなた達2人は彼にとって2人が思う以上の存在だったかもしれません。その事を知る全ての人たちが、マーさんを支えあなたたち二人をずっと支えている。そして、今、あなたたちに起こりつつあるこの奇跡も、マーさんいや、3人に関わった全ての人達が引き寄せたものなのかもしれません。」


サーは、胸がいっぱいになり、込み上げる感情を抑えきれなくなりました。彼女にとってマーさんは、ただの「父親」ではなく、魂の深い部分で繋がっている大切な存在。恵美もまた、彼を忘れたことは一度もなく、今でも心の中で彼を想い続けています。


高橋

「サーちゃん、恵美さん、奇跡が起きるかもしれませんよ。今はそれがどんな形になるかはわからないけど、私は感じています。あなたたち二人にとって、これから一番良いことが待っている。そのことが、今、すごく強く感じられます。」


二人は言葉にならない想いを胸に、高橋さんの言葉を静かに受け止めました。涙が止めどなく溢れ出し、それを拭うことも忘れて、ただ互いの手を握りしめます。どんなことがあっても、これからもマーさんと繋がっていく。そう信じられる気持ちが、今、心の奥底から湧き上がってきたのです。


高橋

「だから、そのままの二人で火曜日、小野寺さんに会いに行ってください。心配しなくて大丈夫。余計なことを考えずに、今のそのままの素直な気持ちを伝えてあげて。それが一番大切ですし、きっとマーさんにも届きます。そして、彼を後押ししてくれる存在が、必ず助けてくれますからね。」


高橋さんの言葉が、二人の心に深く響きました。それはまるで、父を想い続ける娘と、今でも愛し続ける母への贈り物のようでした。


高橋

「今の私ができるお手伝いはこれが全て。でも、きっとこの先、あなたたちに奇跡が訪れると信じています。」


サーはしばらく沈黙した後、静かに顔を上げ、高橋さんをじっと見つめました。目には涙が溜まっているものの、そこには決意がありました。


サー

「本当に…ありがとうございます。高橋さんのおかげで、私たち、これからどうするべきかがはっきりと見えてきました。怖さもあったけど、マーさんに会うことが怖くなくなりました。正直な気持ちを、ちゃんと伝えます。彼が私の父親だってこと…そして、ずっと頭から離れなかった理由が、それだったんだってことを。」


恵美もそっと娘の手を取り、目を閉じながら小さく頷きました。


恵美

「私もです。雅に会うことが、怖いと思っていた部分がありました。でも今は、彼に再会できることを喜びたい。ずっと心の中で、会いたかったって事と、感謝の気持ちを伝えたいんです。彼に逢えたら、心の底から“ありがとう”って言いたい。それが今の私の本当の気持ちです。」


高橋さんは優しく微笑みながら、二人を見守っていました。


高橋

「それでいいんです。あなたたちのその素直な気持ちが、一番大切です。それがマーさんにもきっと伝わります。だから、どうか信じてくださいね。」


サーと恵美は、心の中で決意を固めながら、そっと席を立ちました。二人は高橋さんに深々と頭を下げました。


サー

「本当に…ありがとうございました。これから、しっかりと向き合っていきます。」


恵美

「高橋さん、本当に感謝しています。これからの道を、信じて進んでみます。」


高橋さんは再び穏やかに微笑みました。


高橋

「どうかお二人とも、お気をつけて。

2人はしっかり前に進んでるのよ。だからきっと、今日こんな形で巡り会えたんだもの。進んでなかったら、この縁はなかったのよ。自信を持ってね。どんな時も、あなたたちは一人ではありませんからね。」


二人は感謝の気持ちを胸に抱きながら、高橋さんに丁寧にお辞儀をし、部屋を後にしました。外に出ると、静かな空気が二人を包み込んでいました。ほんの少し、空は明るくなっているように見え、まるで新しい一歩を祝福しているかのように感じられました。


外に出ると、巫女の加藤さんが静かに待っていました。彼女は優しい笑顔で二人を迎えます。


加藤

「どうでしたか?少しはお気持ちが落ち着きましたか?」


恵美は静かに深く頷き、感謝の気持ちを込めて加藤さんに応えました。


恵美

「本当にありがとうございました。おかげさまで、すごく勇気を頂きました。」


サーも感謝の気持ちをしっかりと伝えようと、言葉を続けます。


サー

「私も、本当にありがたいお言葉をたくさん頂きました。不思議なご縁だと感じましたし、心が軽くなりました。本当にありがとうございます。」


加藤さんは二人の表情を見て安心したように頷きます。


加藤

「それはよかったです。少しでもお役に立てたなら、何よりです。店長さんにお会いしたら、よろしくお伝えくださいね。もしこちらに来ることがあれば、ぜひ寄ってくださいね。お二人とも、どうぞお気をつけてお帰りください。」


加藤さんは丁寧にお辞儀をし、二人に温かい笑顔を向けます。


サーと恵美も深々と頭を下げ、感謝の気持ちを込めて挨拶を返しました。


サーと恵美

「本当にお世話になりました。ありがとうございました。」


そうして、二人は神社を静かに後にしました。


サーと恵美は、お互いにそっと微笑み合い、マーに会いに行く日のことを胸に刻みながら、静かに歩き始めました。


続く






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