サーの奇妙な体験 31
毎週水曜日、投稿します‼️
よろしくお願い致します。
これから?
3月29日 木曜日
朝、サーは少し遅めに起きたが、キッチンからは母の声が聞こえてきて、いつも通りの朝がそこにあった。
「おはよう、サー。昨日はよく眠れた?」
「おはよう、うん、ちゃんと寝れたよ。携帯のこともあって、今日はちょっとゆっくりしてから会社に行くことにしたの」
母は安心したように微笑んだ。
「そう、無理しなくていいからね。朝食はもう用意してあるわよ。ちゃんと食べてから行きなさいね。」
サーはテーブルに座り、母が用意してくれた朝食を見つめながら、ゆっくりと手を伸ばした。食べ物の温かさが、心の中に少しずつ安らぎをもたらしてくれる。母との何気ない会話がサーを落ち着かせていた。
「昨夜も言ったけど、今日はちょっと携帯屋さんに寄ってから会社に行こうと思ってるの。新しい携帯を買わないと、仕事にも支障が出ちゃうしね」
母は頷きながら
「それがいいわ。今の時代、携帯が無いと大変みたいだから、まずはしっかり準備を整えてからね」と優しく言った。
サーは軽く笑って
「うん、ありがとう」
と応えた。心の奥底で、母に感謝しながら、いつもの朝の風景が戻ってきたことにほっとしていた。
朝食を終えたサーは、ゆっくりと支度をして家を出た。母に
「行ってきます」
と声をかけると、母は
「気をつけてね、無理しないで」
と言い、サーを見送った。
サーは家を出てから、携帯屋さんに向かった。途中、昨日のミユとのやりとりが頭をよぎった。
もし、復元してマーさんの全てが消えていたらどうしょう?そんな事あったら、私どうなっちゃうんだろう?何だか怖いな〜
と1人考え込んでいますが、とりあえず気を取り直して店のドアを開けました。
サーは店員さんにいろいろ相談しながら、新しい携帯を選び、バックアップのデータを復元してもらう間、サーは少し緊張しながら待っていた。
「これで大丈夫だと思います。データも全て復元できましたので、ご確認ください」
店員さんの言葉にサーはほっとした。携帯を手に取り、確認すると、一昨日まで使っていたデータが無事に戻っていた。思わず微笑みがこぼれる。
「ありがとうございます。これで一安心です」と感謝の気持ちを込めて言うと、店を後にした。気持ちが軽くなったサーは、再び会社へ向かう道を歩き始めた。
新しい携帯を手にしたサーは、会社へ向かう途中、少しだけ足を止めてマーさんとのメールを確認してみた。指が震えるほどの期待感と不安が入り混じる中、画面に映し出されたのは、無事に復元されたメールと二人の写真だった。サーの心は一気に安堵に包まれ、自然と笑みがこぼれた。
「よかった…本当によかった…」
サーは胸の中で小さく呟きながら、マーとのベストショットをじっと見つめた。その写真には、二人の笑顔が輝いていて、あの日の特別な思い出がまるで昨日のことのように鮮明に蘇ってきた。
サーは、この写真をこれからの自分1人の宝物として大切にしたいと強く感じた。自分の中で、この写真がどれほど意味のあるものなのか、時間をかけてじっくりと考えた結果、サーはすぐに写真を複製し、別の場所にも保管することに決めた。これは、マーさんとの大切な記憶を永遠に失いたくないという思いからだった。
複製を終えると、サーはスマートフォンをそっとポケットにしまいながら、心の中に満ち溢れる喜びを感じた。何度も写真を見返したい気持ちを抑えつつ、その思い出が自分を支えてくれることを感じていた。まるで、自分だけの小さな宝物を手に入れたかのような満足感がサーの心に広がり、頬がほんのりと赤く染まった。
「これからも、この写真を見て頑張れる…」
サーは自分にそう言い聞かせながら、再び足を進め、会社へと向かう道を歩き出した。マーさんとの再会がますます待ち遠しくなり、その思いがサーの一歩一歩を軽くしてくれるようだった。
「あぁ、いけない!大事な友達に連絡するの忘れてた」
サーは携帯が元に戻った喜びで、1番大切な事を忘れていました.
ミユにもLINEをして、
「携帯無事購入、マーさんとのデーターも無事復元成功、仕事終わりにまた、お茶しょ(笑) ミユのおかげだよ、本当に感謝してるからね」
これで良し、携帯をポケットにしまい会社に向かうサーでした。
サーは会社に到着し、少しだけ深呼吸をして気持ちを整えた。朝遅刻の連絡は事前にしていたので、急いで上司のデスクに向かい、出社したことを報告することにした。
「おはようございます。遅れてしまい申し訳ありませんでした。」サーは頭を軽く下げ、丁寧に挨拶をした。
上司はサーを見て、特に問題なく頷いて応じた。
「おはよう、サーちゃん無事、携帯買えた?」
「はい、ご迷惑をおかけしました.」
「仕方ないよ、今の時代、携帯無いと何も出来ないからね。でも良かったね。では午後から頑張ってね!
すぐに自分の店舗へ行って、仕事を始めてください。」
サーは
「ありがとうございます。」
と返し、そのまま自分の店舗に向かって足早に歩き出した。店舗に到着すると、スタッフたちがすでに働いている姿が目に入り、サーはすぐに仕事モードに切り替えた。
まずは店内の様子を確認し、ディスプレイや在庫のチェックを手早く済ませる。商品がきちんと整っていることを確認すると、次に顧客の接客に集中した。今日は、週の中でも特に忙しい日で、店舗には多くのお客様が訪れていた。サーは一人ひとりに丁寧に対応し、顧客のニーズをしっかりと聞き取って、最適な商品を提案していった。
接客の合間には、スタッフと短い会話を交わしながら、店舗全体の運営が円滑に進むよう細やかな指示も出していく。時折、頭の片隅にはマーさんとの出来事がよぎるものの、サーは今やるべきことに集中し、仕事に没頭していた。忙しい時間が流れる中で、サーは店舗がスムーズに機能していることに満足感を覚え、さらに自分の役割に誇りを持ちながら仕事に励んだ。
お客様とのやり取りや、商品の整理、店舗の雰囲気作りに心を尽くし、サーは今日も一日、自分の仕事を全力でこなしていた。そんな充実感の中で、マーさんとの再会を胸に秘めつつ、サーは自分の役割に誠実に向き合い続けていた。
仕事を終えたサーは、昨日の喫茶店でミユと待ち合わせをしました。喫茶店に入ると、すでにミユが席に座って待っており、サーを見つけると微笑んで手を振ります。
「サーさん、今日は元気そうで安心しました!」と、ミユは嬉しそうに言いました。
サーも笑顔で応じ、「ありがとう、ミユ。でも、昨日のことがまだ少し気になるんだよね。」と話しながら、自分の新しい携帯を取り出しました。「ほら、これが新しい携帯。今朝確認したときは、ちゃんとマーさんとのメールも写真も復元されてたんだよ。」
サーが携帯をミユに見せると、ミユは興味津々に画面を覗き込みます。しかし、その瞬間、二人の表情が一変しました。マーとのメールや写真が、再び跡形もなく消えてしまっていたのです。
「えっ…?どうして?」サーは目を疑い、何度も画面をスクロールしますが、どこにも見当たりません。ミユも驚いて、「今朝は確かに確認したんですよね?」と確認します。
サーは頷きながら、「うん、間違いなく今朝はあったんだよ。写真もメールも全部、ちゃんと復元されてたんだから。」と必死に説明しますが、その声には再び恐怖が滲んでいます。
二人の笑顔は一気に消え、喫茶店の明るい空気が急に重くなったかのようでした。再び蘇る不安と恐怖が、二人の心に影を落とし、ただ静かに目の前の携帯を見つめるしかありませんでした。
サー
ちょっと待って、朝1枚だけ他のところに複製して宝物として保管したんだよね
それも見てみる。
サーは急いで携帯を操作し、複製しておいた写真を探し始めました。手が震え、心臓がドキドキと高鳴ります。やがて、画面に映し出されたその一枚の写真を見つけた瞬間、サーは深く息をつきました。
「残ってた…」サーの口からほっとした声が漏れます。
ミユもその写真を見て安心し、「良かったですね、サーさん…」と微笑みました。
サーの目には涙が浮かびましたが、今度は嬉し涙でした。あの写真には、マーさんとの特別な瞬間が映っている。それは、サーにとって宝物のような存在でした.写真をじっと見つめながら、サーは心の中でマーさんへの感謝の気持ちが溢れてきました。
「マーさんがいてくれて、本当に良かった…」サーはつぶやくように言いました。
ミユもその気持ちを理解して
「マーさんって本当に不思議な方ですね。でも、サーさんにとってはとても大切な存在ですね」
と優しく声をかけました。
サーは静かにうなずき
「うん、この一枚のおかげで、私も元気になれたよ。マーさんに会うのがもっと楽しみになった」
と微笑みました。
その笑顔は、まるでサーが新たな希望を見つけたかのようでした。その写真が彼女に与えた安心感が、サーの胸の中で温かく広がっていきました。
しかし、まだ謎だらけに2人はまた悩みます。
写真が一枚残っていたことに安堵したサーでしたが、その安堵は長く続きませんでした。ミユと目を合わせると、再び不安が胸に広がってきました。二人とも、この不可解な出来事にどう向き合うべきかがわからず、互いに顔を見合わせてしまいました。
サーは深く息をつき、声を絞り出しました。「でも…どうして他の写真やメールが消えたんだろう?しかも、あの一枚だけ残ってるなんて…」
ミユも考え込むように眉をひそめました。
「そうですよね…。私の携帯もそうですけど、どうしてマーさんに関わるものだけが消えてしまうんでしょう?普通なら考えられないですよね…。」
サーは、今まで何度も見返していたマーさんとのメールや写真が突然消えてしまったことに、ただならぬ違和感を覚えました。それに、ミユの携帯でも同じことが起こっているとなると、偶然とは思えません。
「なんか、まるで…何かが私たちにマーさんのことを忘れさせようとしているみたい…」
サーは声を震わせながら言いました。
ミユもその言葉に同意するようにうなずきます。
「確かに、そんな気がします。でも、そんなことが本当にできるのか…?」
二人はテーブルを挟んで向き合いながら、頭の中を整理しようと試みましたが、考えれば考えるほど謎は深まるばかりでした。
「もしかして、何か超常現象的なものが関わっているのかな?」
サーはふと思いついた考えを口に出しました。
「超常現象…」ミユはその言葉を反芻するように繰り返し、
「確かに、普通の現象では説明できないことが次々に起きてますもんね。でも、そんなことが現実に起こるなんて…」
サーは、少しだけ勇気を振り絞って言いました。
「そうだね。でも、何かが確実に起きているのは事実だよ。何かが私たちにメッセージを送っているのか、それとも警告しているのか…。」
ミユは黙り込んでしまいました。二人とも、これまで経験したことのない不思議な現象にどう対処して良いのかわからず、ただ無力感を感じるだけでした。
「やっぱり…私たちだけじゃ解決できないかもしれないね…」サーはついにそう言い出しました。
「うん…」
ミユも同意します。
「でも、どうしたらいいんでしょう?誰に相談すればいいのか、全然わかりません…。」
二人はしばらく黙り込んでしまいました。この状況をどうすることもできず、ただ不安と疑問だけが積み重なっていくばかりでした。消えた写真やメール、雷の謎、そしてマーさんにまつわる奇妙な出来事。すべてがつながっているようでいて、どこかに大きな謎が隠されているような気がしてならなかったのです。
「とりあえず、もう少し情報を集めるしかないね…」
サーは自分に言い聞かせるように言いました。
「これ以上何ができるかわからないけど、手がかりを探してみよう。」
ミユも力強くうなずきます。
「そうですね。マーさんに会う前に、少しでも謎を解明できるように、頑張りましょう!」
二人は決意を新たにし、再びこの不可解な事件に向き合う覚悟を固めました。しかし今まで起きた謎すら解決できないもどかしさを彼女たちは強く感じていました。
サーとミユは、再び手がかりを探す決意を固めたものの、胸の奥にはまだ拭いきれない不安が残っていました。二人とも、今後何が待ち受けているのか、その不安がただの思い過ごしで終わればいいと思っていたのです。しかし、そんな思いとは裏腹に、何か得体の知れないものが暗闇の中で二人をじっと見つめているかのような感覚が、徐々に彼女たちの心を締め付け始めました。
サーは、何度も携帯を握りしめ、最後に残った一枚の写真を眺めました。そこに映るマーの笑顔は、確かに彼女の心を少しだけ安心させましたが、それでもどこか不安な気持ちは消えません。その写真が消えなかった理由、それをなぜ残されたのかという謎が、じわじわと彼女の心をむしばんでいくのを感じていました。
「これ以上、何か悪いことが起こらないといいんだけど…」
サーはふと、そんなことを口に出しました。
ミユもその言葉に反応して、小さくうなずきます。
「そうですね…でも、もし何かが私たちにメッセージを送っているとしたら、それを無視するわけにはいかないですよね…。でも、サーさん、もし次に何か起こったら…私たちは本当にそれに耐えられるんでしょうか?」
ミユの言葉は、まるで彼女自身の恐怖を表しているようでした。彼女は、サーと一緒にこの奇妙な現象に立ち向かう決意を固めていましたが、その裏には、まだ未知の恐怖が待っているのではないかという不安が潜んでいたのです。
「わからない…でも、今は前に進むしかないよね。」
サーはミユを励まそうと、そう言いましたが、自分自身もその言葉に確信が持てていないのがわかりました。二人は、これから先に何が起こるのかを予想することはできませんでした。ただ、これ以上恐ろしいことが起こらないようにと、心の中で祈ることしかできなかったのです。
夜の喫茶店の中で、二人の間に漂う沈黙はますます重く、そして不気味なものに感じられました。その静寂の中で、どこからともなく不安のささやきが聞こえてくるような気がして、サーは無意識に身を縮めました。まるで、何かが彼女たちの心の中に忍び込んでくるかのように…。
「サーさん、私たち、本当に大丈夫でしょうか…?」ミユが恐る恐る尋ねました。
「わからない。でも、私たちが手を取り合って、この謎を解明していくしかないよ。」
サーは震える声で答えましたが、その言葉には微かな恐怖が滲んでいました。
彼女たちはまだ、これから先に待ち受ける不思議な出来事を知る由もありませんでした。
マーに関わる奇妙な出来事は謎が多くそしてその中にはまだ見ぬ恐怖が潜んでいるのかもしれない。それを感じ取りながらも、二人は手を取り合い、再び歩き出すしかありませんでした。
喫茶店を出たサーとミユは、重い足取りで駅へと向かいました。もうすっかり暗くなったの街並みを歩きながら、心の中には未解決の謎が残り、二人とも無言のまま駅にたどり着きました。別れ際、ミユが口を開きました。
「サーさん、これから何か気になることがあったら、何でもいいのでLINEで伝え合いませんか?些細なことでもいいから…」
サーは一瞬考えた後、ミユの提案に同意しました。「そうだね、何が起こるか分からないし、気づいたことはすぐに共有しよう。たとえそれが小さなことでも、見逃すわけにはいかないから。」
二人はお互いに頷き合い、別々のホームへと向かいました。サーがホームで電車を待っていると、ミユから早速LINEが届きました。
ミユ
「サーさん、私が思ったんですけど、もしかしたら私たちがこの奇妙な現象に巻き込まれているのは、何かを探して欲しいっていうメッセージなのかもしれません。」
サーはそのメッセージを読んで、ふと考え込みました。確かに、この出来事には何か意味があるのかもしれない。彼女はそう思い、返信を送りました。
サー
「うん、確かにそうかも。でも、何を探してるんだろうね…?マーさんに関係あるのかな?」
電車に揺られながら、サーは再び携帯を見つめ、考え続けました。マーとのベストショットが消えた理由、そして最後に残った一枚だけが無事だったこと…。何か重要な意味が隠されているような気がしてなりませんでした。
しばらくして、またミユからの返信が届きました。
ミユ
「サーさん、私思い出したんですけど、あの喫茶店に入る前に見た電車の広告に何か気になることが書かれてたんです。覚えてますか?あれも何かのヒントなのかもしれません。」
サーは少し驚きましたが、確かにミユが言う通り、見落としていた何かがあったのかもしれません。彼女はすぐに返信を送りました。
サー
「そう言えば、私もあの広告を見た気がする…。でも、具体的に何が書いてあったかまでは覚えてないんだ。もう一度確認してみる必要があるかもしれないね。」
二人はその後も、思い出したことを次々にLINEで伝え合いました。例えば、サーは喫茶店の入り口にあった小さな看板の文字が妙に気になったことを伝えたり、ミユは帰り道で見かけた特定の場所が、何故か記憶に残っていることを報告したりしました。些細なことかもしれないけれど、二人はその情報をすべて共有し、少しでもこの奇妙な出来事の謎を解き明かそうとしていました。
電車がサーの降りる駅に近づいてくる頃、彼女はミユからの最後のメッセージを受け取りました。
ミユ
「サーさん、私たちがこれを解き明かすために必要なピースが、少しずつ揃い始めている気がします。何があっても、お互いに情報を共有して、絶対に見逃さないようにしましょう。」
サーはその言葉に勇気づけられ、返信を送りました。
サー
「ありがとう、ミユ。私たちならきっとこの謎を解けると思う。何かあったら、すぐに連絡するね。」
彼女は電車を降り、家へ向かいながら心の中でミユの言葉を反芻しました。どんなに小さなことでも、今後は決して見逃さず、必ず伝え合う。二人の絆がより強固なものとなり、この奇妙な現象に立ち向かうための心強い支えとなっていくのを感じました。
サーが自宅に戻り、玄関のドアを開けたとき、心には少しだけ安堵感がありましたが、同時に、これから何が起こるのかという不安も増していました。彼女はその不安を振り払うように、深呼吸をして玄関をくぐり抜けました。そして、すぐにミユに「無事に家に着いたよ」とLINEを送りました。
そのメッセージが届くと同時に、二人の心の中には、これから解き明かしていくべき謎への決意がますます強く根付いていったのです。
サー
ただいま〜
母
お帰り。
サーごはんは?
食べて来たの?
サー
食べてないよ〜
何かある?
母
ごはんあるから、卵丼でも作ろうか?
サー
嬉しい!
昔、よく作ってくれたよね
久しぶりに食べたいかも(笑)
母
沢山食べないとね
体まいっちゃうからね
そうだ、会社どうだった?
後、携帯?
サー
携帯は復活したよ
会社は問題ないよ
今日も遅刻したけど頑張って来たよ(笑)
晩御飯を作りながら、母は気になるのかいろいろ話しかけて来ます。
母もやはりあの雷の番のことが気になっていました。
サーが話しかけます。
お母さん、やっぱり不思議なことが続いてるんだよね。あの日の夜、なんか気になる事とか何かあった?
今ミユと些細な事でも良いから情報を共有しようとしてるんだ。そうすれば何か見えるかなと思って
母
危なくないの?
サー怖いことだけはしないでよ。
サー
わかってる
ただ、今回のいろんな事、何かのメッセージなんじゃないかとミユと話したんだよね
母
でもお母さんは心配だよ
マーさんはなんて言ってるの?
サー
マーさんには話してない
母
何で?
サー
今週は連絡できない約束なんだよね
母
何それ?
そんな重大なことが起きてる時に相談出来ないのおかしいよ
事情を話せば大丈夫なんじゃないの?
なんか面倒くさいわね〜
サー
待って、あれなんだっけ?
そういえば、マーさんこんな事言ってた
吉祥寺のサユリアで
【なんとかならないのかな〜
こんなもどかしい事が解決する方法なんてね】
サー
その時は何のことかわからなかったから確かもどかしいって何ですか?って聞いたらそのうち話す時が来るからって言われてそれで終わったんだよね。
母
その時、どんな話からそうなっていったの?
サー
確か普通の会話だったと思う
知り合えて良かったとか、
こんな時間が続くと良いなとかそんな話だったと思う。
母
マーさん、何か知ってるかもね
だから、もどかしいこと解決する方法、なんて言ったんじゃないの?
ただ、もどかしが何を指しているのかが分からないから、これは聞かないと分からないわね
家庭の事なのか、もしかしたらサーの事なのか?
そのうち話す時が来るからって事も気になるわね。
期間限定って事でしょ?
サー
お母さん、ちょっと待って、ミユにこの事LINEするから
サーは、母との会話の途中でスマホを手に取り、ミユにLINEを送る準備をしました。マーが話していた「もどかしいこと」の意味を探りたいという思いが強くなり、ミユの意見を聞いてみたくなったのです。
サー
ミユ、今ちょっとお母さんと話してたんだけど、マーさんが吉祥寺でこんなこと言ってたのを思い出したんだ。『こんなもどかしい事が解決する方法なんてね』って。」
メッセージを送ると、すぐにミユから返信が届きました。
ミユ
「もどかしいこと…?それって、どういう流れで出た言葉なの?」
サーは少し考えてから、もう少し詳しく状況を説明しました。
サー
「あの時は普通の会話の中で、マーさんが突然言い出したんだよね。『知り合えて良かった』とか、『こんな時間が続くと良いな』とか、そんな感じで。でも、急にもどかしいことって言われて、私も何のことか分からなくて。だから『もどかしいって何ですか?』って聞いたら、『そのうち話す時が来るから』って言われて、それで終わっちゃったんだ。」
ミユ
「そのうち話す時が来る…か。うーん、どういう意味だろうね?マーさんが何か知ってるのかもしれないね。もしかして、サーさんに話すべきことがあるけど、まだそのタイミングじゃないってことなのかな?」
サー
「そうなのかも…。でも、今このタイミングで何か重大なことが起きてる時に、連絡できないのはおかしいよね?もしかしたら、マーさんが抱えてる問題が、私たちが関わってるこの出来事に関係してるのかもしれないって思えてきた。」
ミユ
「確かに、それはあるかもしれないね。でも、マーさんが『そのうち話す』って言ったってことは、何かを計画しているとか、何かの準備をしているのかもしれないよね。例えば、マーさんが何かしらの理由でサーさんを守ろうとしているとか?」
サーはその言葉に少し考え込みました。マーが何かを隠している、あるいはまだ話せないことがあるとすれば、それはサーにとって重要な何かに違いないと感じました。
サー
「そうかもしれないね。マーさんが何かから私を守ろうとしてるのかも…。でも、だったら今すぐ話して欲しいよ。私だって、こうやってずっと不安なまま過ごすのは辛いし、マーさんに何が起こってるのか知りたい。」
ミユ
「分かります、その気持ち。でも、マーさんがあえて今話さない理由があるんだと思う。サーさんがもっと何かに気づく必要があるとか…何かのタイミングを待っているのかも。」
サー
「タイミング…。じゃあ、もしかしたらマーさんが話す時が来るって言ったのは、私がもっと何かに気づいてからってことなのかな?それとも、何かが起きるのを待ってるってこと?」
ミユ
「そうかしれませんね。何かが起きたら、すぐにマーさんが連絡してくれるかもしれない。それまでの間、私たちは情報を集めておくしかないのかな。」
サーはしばらく考えた後
サー
「うん、そうだね。マーさんが話してくれる時が来るまで、私たちでできることをしておこう。それに、何か気になることがあったらすぐにLINEで伝え合おう。何かヒントがあるかもしれないし。」
ミユ
「そうだね、それが一番良いかも。私も何か思いついたらすぐに連絡します。」
サーはミユからの励ましに少し心が軽くなり、微笑みました。彼女にとって、ミユの存在がどれだけ心強いかを改めて感じた瞬間でした。
サー
「ありがとう、ミユ。これからも頼りにしてるよ。私も何か思い出したり、気づいたことがあったらすぐに連絡するね。」
ミユ
「こちらこそ、サーさんを頼りにしてるよ。私たちなら、きっとこの謎を解けるはず!」
サーはミユとのやり取りを終え、スマホを見つめながら、次に何が起こるのかを考えました。マーが隠している「もどかしいこと」が何であるのか、それを解き明かすための手がかりを一つ一つ集めていく決意を新たにしながら、彼女は再び母と話し出しました
サー
お母さんごめんね
長くなっちゃって
母
とりあえず、ごはん食べちゃいない
サー
ハイ
卵丼美味しそ〜ぅ(笑)
サーはスマホを置いて、卵丼の香りに誘われるように食卓につきました。彼女はお箸を手に取り、一口食べると、ふわっとした卵の甘みと出汁の風味が口いっぱいに広がりました。
サー
「お母さん、この卵丼、めっちゃ美味しいよ!やっぱりお母さんの料理が一番だね。」
母
「そう?嬉しいわ、サーが喜んでくれて。でもね、こんな簡単な料理で褒められると、ちょっと照れるわね。」
サー
「簡単でも、味は最高だよ!特に今日は色々あったから、こういうほっとする味がありがたいな。」
母
「それは良かったわ。サーが落ち着けるなら、それだけで嬉しいの。」
サーは温かい家庭の味に心が和み、母の優しさに感謝の気持ちが湧いてきました。普段通りの穏やかな親子のやり取りが、彼女にとっては何よりも心強いものでした。母の喜ぶ顔を見ながら、サーは再び箸を進め、今夜はこの静かなひと時を楽しむことにしました。
続く
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