サーの奇妙な体験 26
水曜日、投稿間に合いました。ありがとうございます。
吉祥寺デートがスタートしました。ここで少しづつお互いの事を話して理解しあう2人。
そんな2人にこれから待っている事は…なんなのか…
待ち合わせは11時。
サーは支度を済ませ、家を出ます。
サー
お母さん、行ってきま〜す!
サーの足取りは軽く、ワクワクしながら吉祥寺に向かっている。
サー
ここから電車で15分くらい、あと歩いて15分。絶対遅刻はなし!
完璧!
サーは1人で呟きながら楽しそうに駅に向かう。電車も予定通り到着。あとは吉祥寺まで乗っていけば問題ない。
サー
この景色、久しぶりだな〜。ここ最近、下り方面の電車は全然乗ってなかったもんな〜。これをずうっと乗っていくと高尾山に行けるんだよな〜。そうだ!今度マーさんと高尾山も良いかもしれない…。
サーは電車の窓から見える景色を楽しみながら、吉祥寺に向かっている。車窓に流れる街並みや緑の風景を見ていると、心が軽やかになっていきました、
サー
マーさんと一緒にあの山道を歩いたら楽しいだろうな〜。紅葉の季節とか、最高かも…。
サーの頭の中は、デートやこれからの楽しい計画でいっぱいです。乙女心が膨らみ、思わず微笑んでしまう。
サー
吉祥寺に着いたら、まずは公園を散策して、そのあとおいしいランチを食べて…。ああ、楽しみすぎる!
電車が吉祥寺に近づくにつれて、サーの心はますます弾んでいきました。
彼女は未来の楽しい時間を思い描きながら、一人でにっこりと微笑んでいます。
次は吉祥寺と車内放送が流れます。
サー
次だ。
マーさん、もうすぐ会えるね…
サーは心を弾ませながら、電車を降りました。
吉祥寺到着!
さて目的の井の頭公園行ってみますか〜ぁ!
改札を出て公園口から出て道なりに歩いて行くといろんな焼き鳥屋さんが並んでいます。
サー
マーさんと帰り焼き鳥なんて良いかもな〜
と考えながら、信号を渡り右に曲がりすぐを左に
確かここをまっすぐ行けば井の頭公園。
もうすぐだな〜
この路地もいろんなお店があるな〜
雑貨とか洋服屋さん、カフェもオシャレ!
後で2人でここ歩くのかな〜
なんか楽しみ
少し歩くと階段になって、目的地はもうそこ
サー
なんかドキドキして来た〜!
マーさん、もう来てるかな〜?
まだ時間には余裕あるし、きっと私の方が先だと思うしね
サーは公園に入りすぐ左に行くとそこは野外ステージ
まだ、マーさんは来てないようです。
無事到着
サーは近くの売店でお茶を2本買ってステージのベンチに腰をかけました。
そこで、またまたサーの妄想が始まりました。
サー
マーさんとこのステージで何かパフォーマンスでもしたりして。いやいや、そんなことはないけど、おしゃべりしながらお茶飲んで、あのカフェに行って…。うわ〜、本当に楽しみすぎる!
サーは自分の膨らむ想像に思わずニヤニヤしてしまう。公園の緑の中で、これからの楽しいひとときを夢見ているサーの姿は、まさにワクワクが伝わる乙女そのものだ。
しかし、時計を見ると11時を過ぎている
サーは不安になります
その時、メールが入りました。
マー
ごめんね
今日電車で向かってます。
一本乗り遅れて少し遅れます。
ごめんね
20分頃には行けるからね
サー
マーさんもそんなことあるんだ…
でも良かった。
って事は、マーさんとお酒飲めるかも…!
そうしたらやっぱり焼き鳥かな〜
居酒屋さん沢山あったしどこ行けば良いか全然わからないや〜
その前に返信しないと
サー
マーさん、大丈夫ですよ
私はもう着いていますが慌てないでくださいね。
会えるだけで嬉しいから。
お茶買いましたからね
送信
これで良し
どんな感じで待ってれば良いかな〜。
携帯いじって気づかなかったフリが良いかな〜?
それともキョロキョロしてる方が自然?
いや、池でも見て待ってる方が良いかも。
マーさんが池の方に近づいてきて、「お待たせ!」なんて言ってくれたりして…。
サーはそんな妄想を膨らませながら、ニヤニヤが止まらない。
サー
よし、池の方に歩いて行こう!
そう思い立った瞬間、
【サーちゃーん!】
と声がかかる。振り返ると、マーさんが立っています。
マー
サーちゃん、
お待たせ!ごめんね!
サー
全然大丈夫です。思ったよりも早かったですね。
マー
久しぶりに来たから駅から結構あるかな〜と思ったけど、すぐだったね。駅から5分もかからなかったからビックリしたよ。なんか変わったね〜、吉祥寺も。
サー
そうですか?私、昔を知らないから…。
マー
昔はもう少し汚かった(笑)。
今はオシャレな街に変わった感じがするよ。
サー
そうなんですね(笑)。
マー
ちょっと歩こうか?
サー
ハイ。
2人は野外ステージから池の方に歩いて行き、七井橋の方へ向かいます。
サー
スワンボートが沢山ありますね。後で乗っちゃいますか?
マー
いいよ(笑)。童心に帰っちゃおうかね(笑)。
サー
やった〜!あ、マーさん、あそこのカフェも気になるんですけど…。
マー
ああ、オシャレだね。じゃあ、まずスワンボートで遊んで、その後カフェで休憩しようか?
サー
最高です!なんか、今日は特別な日になりそうです。
マー
そうだね。じゃあ、まずはスワンボートだ!
2人は笑顔でスワンボート乗り場に向かい、童心に帰ったような楽しさを共有しています。サーの心はワクワクとドキドキでいっぱいだ。マーさんと一緒に過ごす時間が、まるで夢のように感じられる。
サー
マーさん、こっちこっち!このスワンが可愛い!
マー
はいはい、そうしたらサーちゃんのお気に入りにしよう。どうですか?
サー
嬉し〜ぃ!
2人は楽しそうにスワンボートに乗り込み、ゆっくりと池の上を進んでいく。サーの笑顔がキラキラと輝いています。
サー
マーさん、見て見て!あそこにカモがいる!
あの2羽喧嘩してるみたい。
マー
多分、餌のとりあいじゃないかな。
サー
こら〜
仲良くしなさ〜い(笑)!
マー
本当だね。
サーちゃん、子供みたいに楽しんでるね。(笑)
サー
だって、今日は本当に特別な日なんですもん。
マー
そうだね。今日はいっぱい楽しもう。
サーとマーはスワンボートから景色を楽しみながら、たくさんの笑いと会話を共有していました。彼らの楽しい時間はまだまだ続きそうです。
スワンボートを30分乗って、サーもマーも少し足がガクガクしています。
マー
久しぶりだと結構、足漕ぎはきついね〜
なんか休みたいな〜
サー
まだダメで〜す!
その前にお散歩ですからね!
マーさんいいですか?(笑)
時間がもったいないですからね〜だ(笑)
マー
わかりました。
頑張ります。(笑)
2人は、笑いながら七井橋の真ん中あたりまで戻るとマーが池を見つめています。
サー
マーさんどうかしましたか?
マー
いいや
なんかこうしていると心が落ち着くね。
サーちゃんとこうしていると、時間を忘れてしまうよ。
サー
私もそうですよ…
こんな時間がずうっと続けばと、本気で思ってますよ(笑)
マー
この時間を無駄にしたくないね。
サーちゃんはここの公園、何か思い出はあるの?
サー
私はこれと言って無いかな…
何回か友達と来たくらいで…
マー
そっか〜…
サーちゃん、あそこのベンチにでも座って話そうか。
サー
そうですね(笑)
お茶もあるし
2人はそれから七井橋を渡り、池の横のベンチに座りました。
マー
本当に今日は気持ちが良いね(笑)
ポカポカ陽気で上着いらなかったね
サー
本当に、空も日本晴れ
雲ひとつないですよ(笑)
マーさん、お茶どうぞ…
マー
ありがとう
サー
さっき言っていた思い出?
マーさんはここに何か思い出があるんですか?
良かったら聞いても良いですか?
マー
ここはね、いろんな事が詰まってる公園なんだ。
自分にとってはね…
長話かもしれないけど、良いかな?
お腹すいてない?(笑)
サー
ハイ
まだ、お腹は大丈夫ですよ〜!
マーさんの思い出、聞きたいです。
マー
わかりました。告白ね(笑)
ここは、前に話した彼女と、同棲してたところから近いんだよね
だからよくこの街は遊びに来ていたんだよ。
井の頭公園あのボートにも良く乗ったな〜ぁ
その時はまだ若かったら、足漕ぎ余裕だったんだけどね(笑)
野外ステージの近くにある売店でビール買ってボートで飲んだりしてた。
すぐそこに、
焼き鳥屋さんがあってそこで焼き鳥買って、
コンビニでビールを買って、ベンチで宴会したり
その当時はお金も無くて、そんなんで2人宴会、よくここでやってたんだよ…
2人でいることがすごく楽しくて幸せだった
さっき、橋の上でそれを思い出してね〜
それがいま座ってるこのベンチなんだよね
なんか、不思議な感じだよ…
今、ここに別の女性に昔話してるんだもん
サーちゃんには、なんか話せちゃうんだよね。
サー
それならお茶では無くビールにすれば良かったですね(笑)
住んでたのはここの近くですか?
マー
ここからあと2駅先の駅だよ
だから買い物、飲み会全てここで要は済んでしまうんだよね
こんな話つまらんよね(笑)
サー
そんな事ないですよ〜
私もいろんな事があったからマーさんも、忘れられない思い出を胸に秘めてるんだな〜って…
なんか、わかります!
マーさん、今日は私、いろいろ聞いちゃいますから、どんどん話して下さい。
マー
サーちゃんは本当に優しい子だね…
ありがとう。
そうだ、サーちゃんお腹すいた?
そろそろランチでも食べに行こうか?
サーちゃん何食べたい?
サー
なんでも大丈夫です…
強いて言えば、パスタなんてどうかな〜?
マー
じゃあ、パスタにしようか。
今もあれば良いんだけど、昔からある喫茶店なんだけど、パスタ美味しかったんだよね。
はっきり、今はわからないんだけどね(笑)
どうする?
サーちゃん他に良いお店知ってる?
サー
なんか、そこのお店行ってみたいです。
マーさんが昔通ってたお店。
マー
わかった。
行ってみようか。
確か駅の近くだったんだよね。
だからまた、駅まで戻ろう
サー
ハイ!
すごく楽しみ〜!
2人は、それから駅に向かいだしました。
公園の階段を登るとそこにはいろいろなお店がたちならんでいます。
1番手前の左側には焼き鳥屋さん、
するとマーが、ここの焼き鳥美味しんだよ、
さっき話した焼き鳥屋さんがここと説明していました。
他にも、オシャレなカフェや雑貨屋さん
サーはどのお店も気になっていますが、今はパスタに集中と、自分に言い聞かせています。
マー
サーちゃん、見たいお店があったら言ってね、
どこでも立ち寄るからね。
パスタ屋さんは多分待たないで入れると思うから、だから心配しないでね
サー
ありがとうございます。
ちょうどその時気になった雑貨屋さんがありました。するとマーがこのお店覗いて見ようか?っと言ってくれたので、サーはハイと気を使わず、落ち着いた気持ちで店内に入って行きました。
サー
わぁ〜ぁ!
可愛いのが沢山ある
マーさん何か気になるのありますか?
私、このマグカップとかすごく気になっちゃって(笑)
マー
サーちゃんとお揃いで買っちゃおうか?
サー
本当に?
嬉しいです!
そうしたらちょっと待ってください。
もっとよく選んでマーさんが使っても恥ずかしくないやつ選ぶから
マー
それではダメだよ!
サーちゃんが持ちたいものが良いから
多分、店で使うから可愛らしいのでも大丈夫だからね
だからじっくり選んで
サーは少し顔が赤くなるのを感じて、マーに見えない方に顔を向けて、さがしています。
サー
やばい!
顔が熱い、多分真っ赤になってるかも
でも、お父さんだと思えば大丈夫なのかな?
落ち着け、サー!
サーは自分に言い聞かせています。
マー
何か見つかった?
するとサーはこたえます。
サー
マーさんこれどう思いますか?
マー
これ、なんか可愛くて良いかも
これにしようか?
サー
本当にいいですか?
この絵、なんか今の私みたいな感じがして
マー
これに決めようよ
気に入っちゃった
このマグカップ使うたびにサーちゃんな事考えそうだけど(笑)
サー
マーさん私のこと思い出すのやなんですか?(笑)
マー
違うよ…
いい意味だからね。!
その絵は男性と女の子が手を繋いで草原を走っている絵が描いていてその周りに小動物も描いている可愛らしいマグカップでした。
サーは店員さんを呼んでこのマグカップを2つお願いしてレジに向かいます。
その後をマーがついて行き、お会計を済まそうとマーがお財布を出そうとすると
サー
マーさん、これわたしが買います。
そして、マーさんにプレゼントさせて下さい。
お父さんにプレゼントしてみたかったんです。
真似事ですが良いですか?
マーは少しうなずいて、サーに外で待ってるね、と伝えて店の外にでていきました。
サーは品物を包んでもらい、満足げな顔で出てきました。
外でマーが待っています。
サー
マーさんこれ一緒に使って下さい。
私も、会社で使いますから。
いいですか?
マー
ありがとう…
すごく嬉しいよ
大切に使わせてもらうね。
サーからプレゼントを受け取り照れくさそうにしているマーを、サーはすごく嬉しそうに微笑んでいました。
マー
さてと、とりあえずパスタ行こうか!
サーちゃんいいかな?
サー
ハイ!
早く行きましょう
急にお腹すいてきました。
2人は微笑みながら、駅の方に向かいます。
目的の喫茶店はもうすぐそこ
マー
駅を左に曲がってすぐだからね
多分すぐ入れると思うんだ
サー
どんな感じなとんですかね?
マー
見た感じ昔ながらの喫茶店だよ
サーちゃんの口に合うか心配だけど今回は許してね
サー
その辺は大丈夫ですよ。
マーさん普段、社食で満足してる私ですよ〜(笑)
ただ、マーさんの思い出が知りたくて
だから本当に大丈夫ですからね!
と言ってる間にお店の前に到着
マー
サーちゃんついたよ
ここだよ。
昔ながらっぽいでしょ?
どうですか?
サー
問題無いで〜す!
ではマーさん、入りましょう
と言ってサーが先に入って行きました
マーも笑いながら慌てて後からついて行きます。
店員さんが
【いらっしゃいませ。
空いてるお席にどうぞ〜】と…
続く
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また、来週、水曜日に…




