表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/51

サーの奇妙な体験 25

投稿おそくなりました。

只今、バタバタしていましてすみません。

なるべく、水曜日か木曜日には投稿できるように頑張ります。

物語は、これからとんでもない方向に、導かれていきます。それまでは少し穏やかに進行していきます。

どうなって行くかはお楽しみに…


ピンポーン


ガチャ!


お母さ〜ん、ただいま〜!


おかえり!


サー

お腹すいたよ〜

晩御飯今日は何?


今日はカレーだよ

香りでわかるでしょ?


サー

確かに!

お母さんのカレー懐かしい

具材がゴロゴロしてて

早く食べたい


わかったから、早く支度して


サー

ハイ

わかりました。


恵美はこのあたり前の日常がどんなに幸せなのか、今つくづく感じています。

この子がいてくれて本当に良かったと


サー

お母さん、どうしたの?


何が?


サー

なんかいつもと違う感じがした?


変わらないよ〜

何、言ってんの?


サー

なら良いけどね



2人で食卓の用意をして夕食の準備が整いました。今夜も2人だけの食事。しかし、サーと恵美にとって、このひとときが何よりも大切な時間です。


食卓を囲みながら、今日あった出来事やお互いの冗談を交わし合う。当たり前の会話が、2人の心を温かく包み込んでいます。その「当たり前」の日常が、どれだけ貴重で愛おしいものか、恵美はひしひしと感じていました。


恵美は、サーが笑顔で話す様子を見つめながら、その笑顔の裏にあるかもしれない寂しさや孤独を感じ取ろうとしていました。サーがどれだけ強く、どれだけ成長したかを見守りながらも、彼女の心の中に秘められた感情や思いをすべて理解できるわけではありません。


「サー、あなたがこうして元気でいてくれることが、私にとって何よりも幸せなのよ。」


心の中でそう呟きながら、恵美はサーの話に耳を傾けました。彼女にとって、サーの存在そのものが生きる力であり、心の支えなのです。そして、その存在を守り続けるために、自分ができることは何でもしたいと願っていました。


恵美の心の奥底には、サーに対する深い愛情と感謝が溢れています。過去の辛い経験や、今まで隠してきたことに対する後悔もあります。しかし、何よりも強いのは、サーが幸せであってほしいという願いです。


「この時間が、いつまでも続きますように。」


恵美は、心の中で強くそう祈りながら、サーと一緒に過ごすこの一瞬一瞬を大切に噛み締めていました。サーの笑顔が続くこと、そして全てを打ち明けて、お互いにもっと深く理解し合える日が来ることを信じて。


その願いを胸に、恵美はサーとの時間を心から楽しんでいました。


食事を終え、片付けも終わりサーは携帯を見てみると、マーさんから返信


マー

お疲れ様

今、携帯見れました。

吉祥寺、了解

時間も大丈夫だよ


懐かしいな〜

昔よく遊んだ街だよ


井の頭公園、また行けるとは思わなかった

ポートでも乗ろうか?


野外ステージで待ち合わせ!

サーちゃん、ありがとね



サーはメールを見て自分のプランで喜んでくれたことに感激で、顔がニヤけています

それを見た、母はまたからかう準備をしています。



サー?どうしたの?

なんか楽しそうな顔して?

もしかして、誰かさんからかな?(笑)

サーちゃん、さいきん忙しいね〜(笑)


サー

そんなことないよ!

マーさんからメールが来たの

今度、吉祥寺に行ってくるね(笑)

私が考えたプラン

マーさんが懐かしいって言ってくれたから

少し嬉しくて(笑)


今度のお土産何が良いかな〜


サー

それはわかりません!

行ってみないとわかりませんからね(笑)


ハイ、ハイわかりました。

では楽しみにしてますね

期待してまーす(笑)


サー

ちょっと待ってね

先に返信しちゃうから


はいどうぞ

ごゆっくり

お母さん、今のうちにお風呂入ってきますから、ゆっくり楽しんでくださいね(笑)


そう言って母はお風呂に入っていきました。


サーは早速携帯に打ち込みます

マーさんに返信急がないと


サー

お返事ありがとうございます。

ポート乗りたいですね

また、横浜の時のように、天気が良ければ良いですね!

来週も、めちゃ楽しみです。

マーさん、また、よろしくお願いします。



サー

これで良し!



サーはこれからの1週間、どう過ごすかをいろいろと考えています。次の火曜日には待ちに待ったデートが控えているので、気持ちはすでに高まるばかりです。


「まず、洋服は何を着ていこうかな?」


サーはクローゼットを開けて、ありとあらゆるコーディネートを試してみます。カジュアルなデニムにかわいいトップス?それとも、ちょっと大人っぽいワンピース?「やっぱり、マーさんに良い印象を与えたいから、もう少しフェミニンな感じがいいかも…」と、鏡の前でポーズを取りながら悩みます。


「天気はどうなるんだろう?」


サーはスマホの天気予報を何度も確認します。

晴れるといいな~。


でも、もし雨が降ったら寒くなるかもしれないし…。よし、どちらにしても対応できるようにコートも用意しておこう!


そのうち、サーの頭の中はデートのことばかりでいっぱいになります。「どこに行こう?何を話そう?もし映画を見るなら、何を見るべき?」彼女は心の中でいろんなシナリオを描きながら、一人でニヤニヤしています。


お昼は何を食べようかな?サーはふと思い出し、ネットでおしゃれなカフェやレストランを検索し始めます。


あそこのパンケーキが美味しいって聞いたことあるけど、マーさんも好きかな?


ふと気づけば、時間はあっという間に過ぎていました。サーは机に向かって手帳にスケジュールを書き込みながら、頭の中でデートのシーンを何度も繰り返し想像しています。


きっと素敵な一日になるに違いない…


その時、後ろからお風呂上がりの恵美が現れて、髪をタオルで拭きながら声をかけます。

「サー、何やってんの?」


サー

「えっ?」


サーは驚いて振り返り、少し赤面しながら笑い


サー

ああ、なんでもないよ、お母さん!


恵美はサーの様子を見て、微笑みます。


デートの準備?


サーは恥ずかしそうに頷きます。


サー

うん、少し…


まだ先だけど楽しみだね。でも、あんまり遅くまで起きてると明日に響くよ!


サー

わかってるよ、お母さん。でも、もうちょっとだけ…


恵美は優しく笑って、「おやすみ」と声をかけ、布団にもぐります。サーはその後も少しの間、デートのことを考えながら、楽しい気持ちを抑えきれずにニヤニヤし続けるのでした。



それからの1週間は怒涛の如く過ぎていきました。サーは毎日が忙しく、仕事に追われる日々でしたが、心の中では楽しみなデートのことがずっと支えとなっていました。


仕事では、販売促進、新商品の紹介など新しいプロジェクトが始まり、チームメンバーと連携を取りながら順調に進めていました。月曜日の朝、サーは早めに出社し、会議の準備を念入りに行いました。新商品のプレゼン資料を見直し、上司からのフィードバックを反映させて、完璧なプレゼンを目指します。


「サーさん、さすがだね!この資料、本当にわかりやすいよ」と同僚の一人が声をかけてきました。


「ありがとう。でも、まだ改善の余地があると思うから、もう少し頑張るよ」とサーは微笑んで応えました。


その日の会議は大成功で、上司からも高い評価を受けました。サーはホッとしながらも、心の中ではデートの準備を進めるべく、次の段取りを考えていました。


仕事の合間には、ミユやわかなと楽しい時間を過ごしました。お昼休みには、社員食堂で3人で集まり、おしゃべりを楽しむのが日課になっていました。


「サーさん、今日も忙しそうだったね」とミユが言いました。


「うん、でもなんとかやり切ったよ。ありがとう!」とサーは笑顔で返しました。


「今度のデート、どんな服着るの?」とわかなが興味津々に聞いてきました。


「まだ迷ってるけど、やっぱりフェミニンなワンピースかな。マーさんにいい印象を与えたいし」とサーは照れ笑いを浮かべながら答えました。


「絶対に似合うよ、サーさん!楽しみだね」とミユが応援してくれました。


「ありがとう、ミユ。わかなも、何かアドバイスある?」とサーは尋ねました。


「うーん、あまり考えすぎずにリラックスして楽しむのが一番だよ」とわかながアドバイスしました。


「そうだね、ありがとう!二人のおかげで少し気が楽になったよ」とサーは感謝の気持ちを伝えました。


たまたま、3人のお休みが重なったので週末には、ミユとわかなと一緒に買い物に出かけました。新しい服やアクセサリーを選びながら、笑い声が絶えない楽しいひとときでした。


「このワンピース、絶対にマーさんにウケるよ!」とわかなが言い、ミユも「サーさん、これ似合うね!」と褒めてくれました。


「ありがとう、二人とも。これで準備万端だね!」とサーは嬉しそうに言いました。


その後、カフェで一息つきながら、デザートを楽しみました。ミユとわかなとのおしゃべりは尽きることがなく、あっという間に時間が過ぎていきました。


「デートの日、私たちも陰ながら応援してるからね!」とミユが言いました。


「そうだよ、サーさん。楽しんできてね!」とわかなも続けました。


「ありがとう、でもさ〜二人とも。

恋人とかは違うからね〜!

憧れのお父さんだからね」とサーは言いましたが、2人には、心から感謝していました。


そんな風に、サーは仕事と友人との楽しい時間をバランスよく過ごしながら、デートに向けて着々と準備を進めていきました。1週間が過ぎるのはあっという間で、気が付けばデートの日が目前に迫っていました。サーの胸は高鳴り、いよいよその日が来ることを待ちきれない気持ちでいっぱいでした。


久しぶりに、マーさんにメールをしてみました。


「マーさんお疲れ様です。

明日ですね。

この1週間あっと言う間にすぎちゃいました。

明日も天気良さそうで良かったです。

マーさん明日行きたいところありますか?

もしどこかあったら教えて下さいね。

明日11時、野外ステージ

で待ってます〜す。」



返信返ってくるかな〜

本当に久しぶりだもんな〜


マーさんも忙しくて夜遅くなってるって言ってたもんな〜

美容室も繁忙期って言ってたし、世間は春休みだもんな〜

早く会いたいな〜ぁ…


その時、母が買い物から帰ってきました。


「お母さん、どこまで行ってたの?」

と、サーが聞くと

「吉祥寺に行ってきちゃった」と母はこたえました。


サー

何で?


昔よく行ってたから、サーの話も聞いてちょっと行ってみたくなったんだよ


サー

そうなんだ…

で、どうだった?


変わっちゃって、全然わからなかった

でも、その当時からあるパスタ屋さんは変わらなかったよ。

だからそこで、食べてきちゃった。


サー

ずるい〜!

私も食べたかったよ〜!


だからお土産買ってきたから

そこのパスタとサンドイッチ

いかがですか?

こちらで、お許しいただけますか?


サー

勿論で〜す!

お腹すいてきた…

早く食べたい!


母は買ってきたものをテーブルに広げサーに見せています。


パスタとサンドイッチここに置くから勝手に食べなさいね


サー

この荷物はなーに?


それはね…

今は内緒


サー

そんな事言われたら気になるよ〜


サーに必ず見せるからそれまで待ってて


サー

なんかすごく気になる!

でも、良いや

今はそれよりお腹がすいてやばいよ〜


だったら早く食べなさい。



2人はそんな会話をしながら、楽しい時間を過ごしていました。


サーの心は、明日のデートのことでワクワクしていて、笑顔が絶えません。マーさんとどんな話をするのか、どこに行くのか、何を着ていくのか――そのすべてが彼女の心を弾ませていました。サーの目は輝き、明日への期待でいっぱいでした。


一方で、恵美は昔の思い出をサーに伝えるタイミングを考えていました。サーがデートから帰って落ち着いたら、思い出の詰まった四角い缶の中身を見せて、彼女に隠してきた過去を話そうと決めていました。恵美の心には、娘への深い愛情と、これまで抱えてきた秘密を打ち明ける緊張感が交錯していました。


食卓には、笑い声が響き、穏やかな時間が流れました。2人はお互いに気を遣い合い、心から相手の幸せを願っていました。サーの明るい未来を応援する恵美の優しさと、母の支えを感じるサーの感謝が、食卓を温かく包んでいました。


この瞬間が、ずっと続けばいいと恵美は心から願っていました。そして、サーもまた、母と過ごすこの貴重な時間を大切に感じていました。


それぞれの心に抱えた想いが、優しく交差する夕食のひととき。2人の愛情が深まるこの時間は、かけがえのない宝物となっていました。



3月27日 火曜日


サーは、今日の吉祥寺デートのため昨夜は少し寝不足気味です。

待ち合わせは11時、なので少し早めに支度をして出かけようと考えています。


「お母さんおはよう」サーが言うと

母も「おはよう」とこたえました。


サー、今日も天気良いよ。

良かったね〜!

デート日和だよ。


サー

なんか最高だよね!

天気がいいって…

今日はどこ行った方がいいと思っう?


そんなの知らないわよ〜

いろいろ考えたんじゃないの?

昨夜も遅かったみたいだし(笑)


サー

バレてた?

でも全然わからなくて

昨日のパスタ屋さんはどこなの?


駅の近くだよ

後で、LINEで送ってあげるよ


サー

お願い

すごく美味しかったから(笑)


サー、大丈夫?

2回目なんだからもう少し落ち着いたらどうなの?

マーさんもきっと気楽にくると思うよ。

あなたが焦ってたら、マーさんもきっと緊張するよ

大丈夫?


サー

大丈夫だよ

そんな事言ったら緊張してきちゃうよ…


もう少し落ち着きなさい。

大丈夫だから!

楽しんできなさいね


サー

お母さん、何だか不思議だね

全然、今まで知らなかった人のことを、こんなに憧れるなんて考えたことも無かったのに

それにお母さんが今、いつも近くに居てくれて…

これって運命だったのかな?

マーさんのおかげで、お母さんにお父さんの事聞けたし…


そうかもしれないね…

お父さんの事いつかサーに話そうとずぅーと、考えていたけど、なかなか話せなかった。

こんなタイミングってあるんだね…

でも、良かったよ。

今回東京に出てきて、いつもの気まぐれが今回は正解だったなと感じてるよ


2人は静かに微笑み合いました。サーはマーさんとの出会いを通じて、自分の家族のことを深く知る機会を得たことに感謝していました。そして、恵美もまた、娘と一緒に過ごす時間が増えたこと、そして長い間心に秘めていた話をするタイミングが訪れたことに…


この偶然の連なりに感謝しながら、運命が導いてくれたこの瞬間を胸に、サーと恵美は心から感謝の気持ちを抱いていました。


続く


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ