表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/51

サーの奇妙な体験 13

3月18日 日曜日



サーは目が覚めると、枕元に置いてあるスマートフォンを手に取り、昨夜のマーさんとのメールを読み返しています。マーさんとのやりとりが楽しくて、つい夜更かししてしまったことを思い出します。それでも、マーさんからのメールが楽しくて、眠ることができませんでした。


部屋を出て外に出ると、新鮮な空気と穏やかな朝の光がサーを迎えます。今日は晴れていて、空が明るく広がっています。道路には人々が忙しく行き交い、サーはその中を歩いています。一瞬、歩きながらマーさんとの会話を思い出し、思わずニヤリと笑ってしまいます。


駅に着くと、電車のホームには早朝から多くの人が集まっています。サーも列車が到着するのを待ちながら、マーさんとの食事会のことを考えます。20日の夜はどんな料理を食べようか、どんな会話が弾むだろうかと想像が膨らみます。サーは自分の携帯電話を見て、またマーさんにメッセージを送りたくなりますが、まだ早いかなと我慢しています。


電車に乗っている間も、サーは窓の外を眺めながら、楽しみで仕方ない気持ちが胸いっぱいに広がっていきます。今日の仕事も頑張ろうと思いながら、サーは会社に向かっています。


今日は日曜日、朝からお客様が沢山お見えになっててんてこ舞いです。

なんとかこなして、サーにやっと休憩タイム


サー

疲れた〜ぁ!

流石に寝不足はきつい!

休憩所に行ってお茶でも飲んでこよ…


その時、携帯を開いてみると、母からのメール?


なんだろう?


読んでみると


『サー元気?

今どこにいると思う?

お母さん、東京に来ちゃった。

なんか、懐かしくて、少しブラブラしていくからね。

夜何時ごろ仕事終わるの?

それに合わせて、サーの家に行くからね

よろしくね♪


何か欲しいものはあるかな?

あったら、メールに知らせてね。


では後でね、仕事頑張ってね。』


サー

マジか!

今来てるの!

なんの連絡も無しに、いつもお母さんこうなんだから、困ったもんだ!


もし、いなかったらどうするつもりだったのか?

今回は何しに来たのやら?

ライブか演劇か?

全くわからないけど、まぁ、いいか〜

返信だけしとこ!


サー

『お母さん、前から言ってるけど、前もって言ってね。

こっちも、都合があるんだからね!

でも、今夜は予定ないから大丈夫だけどね。

今日は6時半位には帰れるから

それくらいにおいでね。

あと、肉じゃが、食べたいな。

じゃぁ、後でね

バイバイ』


まったく本当困った親だ

呆れながらも、顔が微笑んでるサー…


さぁ、休憩終了、仕事に集中!

頑張らなきゃ!


サーは母の事で、すっかりマーさんの事が抜けてしまっていました。

お母さんは、自由人みたいで過去にいろいろあったようでサーはそれで心配なのでした。


午後も忙しく、目を離す間もないほどの仕事の連続でした。サーは頑張って仕事に取り組みながら、時計を気にしながらも母からの訪問のことが頭によぎります。お店の中は活気に溢れ、忙しさの中でもサーは笑顔を忘れずに接客を続けていきます。


時計の針が徐々に進むにつれて、サーの心は母が無事に来れるかを考えています。最後のお客様をお見送りしてから、サーは一息つきながら明日の仕事の準備を始めます。


仕事を終え、外に出ると夜の街が静かに包み込んでいます。サーは家路につきながら、母との久しぶりの再会を楽しみに歩いています。


母からのメールが届いた

『もう仕事終わった?

今、サーの家の近くのスーパーで買い物してるよ。もし近くなら、来る?

フードコートでコーヒーでも飲んで待ってるよ』


サー

【何これ、要は来いって事!

本当に勝手なんだから、

肉じゃがなんて言わなきゃ良かった!

私だって、今日忙しくて疲れてるのに

まったく!】


サーは1人でブツブツ言いながらスーパーに向かいます。


サー

『お母さん.もう駅に着いたから、あと2、3分で行けるよ。今どこ?フードコート?それとも買い物の最中?』


『まだ買い物してるよ

魚売り場にいるよ』


サーはメールを読み、スーパーにいつもの歩くペースより少し早いペースで向かっています。


サーはスーパーに到着し、母のいる場所を探し始めました。


サー

【あっ、見つけた!試食のコーナーにいる!


何かの試食を食べてる

まったく〜、恥ずかしいな〜

お母さん!】


母は

試食のハンバーグを食べています。


あら、サーおかえり。このハンバーグ美味しいよ。サーも試食してみれば?


サーはちょっと恥ずかしそうにしながらも、母に誘われてハンバーグを手に取ります。


サー

いいよ、私は...


遠慮しないで、食べてみなよ。美味しいんだから!


サーは母の視線に押されて、ついついハンバーグを口に運びます。味を楽しむ仕草と、母とのほっこりした会話が店内に広がります。


サーは完全にお母さんのベースに引き込まれています。


サー

何こんなに買ったの?


きっとあなたの冷蔵庫空っぽでしょ


サー

だって一人暮らしだから、そんなに買っても無駄にしちゃうし


冷凍しとけばいつでも食べれるでしよ!


サー

確かに


お会計を終えて


コーヒーでも飲んでいく?


サー

いいよ。でも所詮フードコートだからね


母は笑ってうなずいていた。


母は席についてサーが買ってくるのを待っています

コーヒーを2つ、サーが買って来て


お母さん、はいどうぞ、


ありがとう。


サー

今回は、突然どうしたの?


サーの顔が見たくなっただけよ


サー

何それ?他に用事は?


本当に何もないよ。親が娘のことが心配だから来ただけなのに変?


サー

そんな事ないけど、メール1通で来ちゃうんだもん。もし私が出張とかでいなかったらどうするつもりだったの?


考えてなかった(笑)


サー

ありえない!


でもこうして会えたんだからいいじゃない!


サー

嬉しいけど、お母さんいつもこうなんだから

友達が聞いたら、きっとびっくりするよ

私がいい子だから、問題ないけどね(笑)

きっと友達とか、引いちゃうと思うよ


そりゃ、そうでしょ!

私の娘なんだから

いい子に決まってるじゃない(笑)

友達とは違うからね(笑)

でもサー、元気そうで良かった。

なんか、夢にサーが出たんだよね

だから、行かないとと思ったの…


サー

え!どんな夢?


覚えてない!


サー

何それ?覚えてないのに来ちゃったの?


いけなかったかしら?


サーはふきだしてしまって、


サー

お母さん、私、大丈夫だよ

でも、ありがとね


いいから、早くコーヒー飲みなさいと母


母は本当に勝手な人である!


コーヒーを飲み終わり、スーパーを出て家に向かって歩いていると、


こうやって2人で歩くの久しぶりだね〜

今夜は月が綺麗に見えるね〜

サーが小さい時にね、夜こうやって歩いている時、月がずぅーと、着いてくる

走っても、着いてくるって言って怖がったんだよ

覚えてる?


サー

小さい時でしょ

もう、覚えてないよ。


怖がって、私の手をギュッと握って、早くお家に帰ろうって、目に涙溜めてたんだよね〜

可愛かったね〜


サーと母は小さい時の思い出を懐かしみながら家に向かいます。路上の明かりに照らされながら、楽しい会話が二人の間に広がっていました。


母は部屋に入るや否や、まるで台風のように部屋を片付け始めました。


サー、洋服ぐらいちゃんとハンガーにかけなさい、しわくちゃじゃない。

掃除機はちゃんとかけてるみたいだね、

洋服が散乱しているのを母は手早く片付けていました


サーはちょっと困惑しながらも、母の指示に従って洋服を整理します。母は手早く片付けを進めていきます。


ねぇ、サー、この靴はどこに置くの?


サー

えっ、それは…その辺に置いといても…


ちゃんと片付けなさい!いつもこんなに散らかってるんだから、彼氏が見たら見苦しいわよ。


サー

別にいないもん!

(心の中で)またお説教かよ…


掃除が終わり、晩御飯の準備を始める母。サーは母の後ろで料理を手伝いながら、母の適当なお説教を楽しむのでした。


ねぇ、サー、野菜はちゃんととってる?


サー

もちろん、お母さ〜ん、野菜はけっこう意識してるんだよ。


良かったわ。それじゃあ、お肉を切ってくれる?


サー

はい、任せてください!


二人は料理をしながら親子関係の普通の会話を楽しんでいました。今はお互い離れ離れの生活なので、こんな時間が懐かしくてたまらない時間なのです。


今夜はサーのリクエストの肉じゃがと魚料理とサラダ


サー

やっぱりお母さんが作るの手際が良いね


たいしたものでは、ないからね。

すぐ出来るよ。


サー

お母さん、ビール飲む?


飲んじゃおうか


サーが冷蔵庫からビールとコップを持って来て


サー

やっぱりお母さんの料理は最高だね!


そんなでもないわよ。ただの家庭料理だから。


サー

でもね、お母さんの手料理は特別なんだよ。感謝してるよ。


ありがとう、サー。じゃあ、食べる前にカンパーイしよう!


サーがビールを注ぎ、二人で乾杯!


サー

うん、美味しい〜

お母さんの料理にはいつも癒されるよ。


あら、そう言ってもらえるとうれしいよ

じゃあ、さっそく私も食べようかしら。


二人は笑顔で料理を楽しみながら、おしゃべりを楽しんでいます。


サー

お母さん、これ何の料理?


母:

これは魚のマリネだよ。食べてみて!

簡単なんだよ〜

簡単だけど、手が混んでそうでしょ〜


サー

あ〜これは美味しいね!

これ、好きかも!

また作ってくれる?


もちろん、サーが美味しそうに食べる姿、お母さん見てるの大好きなんだよね

また、作るね

だから、好きなものはたくさん食べてね。


あと、サーと2人で食事するの何回できるのかな〜


サー

何、変な事言ってるの?

ず〜と出来るに決まってるでしょ


変な事じゃなくてね

サーが結婚とかそのうちいろいろあるでしょ

そうしたら、2人だけってあと何年かな〜と思っただけだよ


サー

予定も無いし、まず今相手もいないから

そんな心配しないで良いからね


まだしばらくは無いから。




二人は笑顔で料理を楽しみ、食事を終えた後は一緒に片付けをします。


サー

お母さん、晩御飯本当に美味しかった

ありがとう!

お母さんも東京で一緒に暮らせればか良いのにね

そうすれば、毎晩美味しいの食べれるのに


お母さんも仕事があるからね

昔からお母さんを支えてくれたお客様達だからね。

置いて行けないよ。

でも、サーにそう言われんと嬉しいよ

良い娘に育って良かったよ


サー

お母さんは、自由人だけど、私、お母さんの娘でよかったと思ってるよ



二人は笑顔で料理と食事を楽しみ、大切な時間を過ごしていました。



続く


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ