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【89話】ムアミレプ王国の怪 中編

おくれました。

 遺跡と呼ばれている場所まで、やっとたどり着いた。


 途中、怪我をして、走れなくなった馬を見つけたから、回復魔法を使って治した。


 遺跡の入り口から200メートルほど離れた場所には、女王様を、助けたくても助けに行けない悲壮感タップリの集団がいた。


 1人、2人、妙な気配がしたけど、特定出来ないから、今は気にしないでおこう。


「ダナム、テスター行くぞ!」


「おう!」

「おう!」


 道案内として、ここまで連れてきてくれた男を、そのまま連行する。


「やめてくれぇ! 死にたくないっ 誰かぁ!」


 遺跡の中は、非常に薄暗く見えにくいが、普通には歩ける。


「灯りもなしで、遺跡に入るなんて無茶だ! 無茶すぎる!!」


 テスターに担がれながら、叫んでる男がうるさい。


 少し進むと、兵士と思われる死体を見つけた。


 1人は軽装、もう1人重装備だ。


「ダナム、死体から槍と盾を借りよう」


「ランディ、武器なら持ってるぞ?」


「男の情報なら、武器はたくさんあった方が良い」


 因みに、僕は武器を持っていないが、野営に使う大木槌を武器にして持ってきている。


「しかし、暗いな。第1レベル呪文……ライト」


 ハンマーに、灯りを灯す呪文を使った。


「なっ!?」


「ランディ、これはいったいなんだ?」


「ランディの生活魔法は規格外だからな」


 ダナムは少し馴れてるから、あんまり驚いてはいないが、テスターと案内役は目を見開いて驚いてくれた。


 スピアを2本とミドルシールド1つ頂いて、奥に進んでいく。


 すると、石造りの鳥頭で人型のモンスターが3体も、此方に向かって歩いてきた。


 そのまんまガーゴイルじゃないか。

 しかも、量産型だし。


 だとすると、武器や低レベルの魔法は効かないか。

 でも、検証はしとかないと『ガーゴイル』と決めつけるのは、まだ早い。


「ひいっ! で、でたぁぁぁぁ!!」


 案内係は、自分の仕事を放棄して逃げていった。

 逃げた方向は、出口だから無事に帰れるかな。


 ならば、ガーゴイルに集中しよう。


「ダナム、肉体強化を使って回避に力を使え。テスターはシールドで防御。2人とも隙が出来たら攻撃」


「わかった。肉体強化!」

「わかった。そこの人形、かかってこい」


 中央のガーゴイルにドロップキックをお見舞いし、分断させて一対一の形に持っていった。


 移動速度は遅いくせに、攻撃速度は適度に速く、腕力もかなりある。


 戦ってみると、僕の慣れ親しむあの自動人形と変わりない。


「第3レベル呪文……リバース……シリアスダメージ」


 ゴン!


 痛ったあ、ガーゴイルの左胸を狙って、思いきりパンチしたら、手の皮が剥けてしまった。

 しかも、ガーゴイルは無傷だ。

 回復呪文のリバーススペルで効かないから、予想通り生命体じゃない。

 ならその頑丈そうな剣は一体型かな?

 ダナムを見ると、互角に戦っているけど、やりにくそうにしている。


「ランディ、こいつは不味い、槍が使い物にならない」


 ダナムの貰ったスピアの、刃先は丸くなっている


「俺もだ……」


 テスターのスピアは原型がない、この馬鹿力コンビが。


 ガーゴイルをうまく誘導して、剣を降り下ろす攻撃を、ダナムと戦ってるガーゴイルに当てる。


 だが、ダメージはないようだ。

 ガーゴイルの持っている剣は、ただ頑丈なだけで、ガーゴイルと同質ではないようだ。


「ランディ、このままだと不味い」


 あのダナムが、音をあげている。

 やはり『物理無効』は脅威なのだろう。


「ダナム、テスター装備を替えろ。……第5レベル呪文……ストライキングス。これは武器強化魔法だ、命中させることに専念しろ。馬鹿力は使うなよ」


「なっ!? 解った」

「解ったが、馬鹿力はないだろ?」


 まずは僕が、ガーゴイルに木槌で叩き込む。


 ピシッ


 目視確認は出来てないが、手応えはあった。

 武器を壊さないように、手数を増やして攻撃する。


「ダナム、テスターこれなら通用する。力は要らない」


「おう!」

「ってバカな……そんな魔法、聞いた事ない」

「ランディなんだから、しょうがないだろ。あきらめろ」


 テスターとダナムのやり取りは聞かなかったことししよう。


 この世界の『ガーゴイル』は僕の知っている『ガーゴイル』とほとんど同じだった。


 おかげで、あっさりと破壊することが出来て、ダナムの援護をした。




 しかし、援護は要らなかったな、ダナムはかすり傷2つで、テスターに至っては無傷であの『ガーゴイル』を倒しやがった。


 僕が、ガーゴイルと初めて戦った時は、ラスボスと戦ったくらい、苦戦したような記憶があるんだけどな。


 ストライキングスは、あと2回分しか覚えてないから、ちょっと調べたら先に進もう。


「ダナム、テスター。ちょっと待ってて、この化け物を調べるから」


『ガーゴイル』は5割の確率で、製造者が誰だか刻印している。


 まあ、製造者の自己顕示欲が強いんだな。

 しかし、ざっと調べたけど、製造者は判らなかった。


 代わりに、背中に開閉出来る握り拳大のスペースがあった。


 何となく想像はついたけど、こいつらにはもう使えないから諦めるか。


 気を取り直して、奥に進む事にした。



 ◇◆◇◆◇


「アンジェラ女王『通行器』が魔力切れのマークが点滅しています」


「解っておる! そなたたち、今まで取り乱してすまなかったのじゃ」


 先程まで『死にたくない』『何とかするのじゃ』と叫んでいた、アンジェラ女王だったが、死を目前に控えて覚悟を決めたようだ。


「こうなっては、下手にもがくより、大人しく斬られた方が、苦しみが少ないはずじゃ。妾は覚悟が出来たのじゃ」


 アンジェラ女王は、集団の先頭に立つ。

 彼女は、他の従者達が殺されるのを目の当たりにしたら、なんとか振り絞った勇気が、霧散してしまうと感じていた。


「つ、通行器、魔力が切れました」


 ゴクッ


「覚悟は出来ておる、来るのじゃガーディアン」

(いやだ、死にたくない、死にたくない、死にたくない!)


 通行器の機能しなくなった今、ガーディアンは、この部屋の中にいる人間を排除すべき者と認識した。


 ガーディアンが3歩進んだ時、後ろから若い男の声がした。


「そこのガーゴイル! 剣を向ける順番が違うんじゃないのか? こっちだぞ」


 男は、小さなつぶてをガーディアンに投げた。


「なっ!?」


 死の通路から、若い3人の男が現れた。

 

 アンジェラ女王や、その従者達は、救援が来たのに、理解が追いつかず、困惑するばかりだった。


「テスターは右を、僕は左、ダナムは通路の見張りをして」


「左だな、任せろランディ」

「解ったが、俺様も戦いたかった」



 アンジェラ女王は今、信じられない光景を見ていた。


(な、何なのじゃ、あの者等は。不壊のガーディアンを徐々に破壊しているじゃと!? あのガーディアンと同じ武器だからか? いや、もう1人の少年は、木槌で戦っているじゃないか。まさかあの木槌は、遺跡の神器なのか?)



 アンジェラは余り長い時間、驚いてはいられなかった。


 ランディとテスターと呼ばれた少年2人は、10分もかけずに、ガーディアンを破壊したからだ。



(壊した!? あのガーディアンを? たった2人で? わ、妾は助かったのか)


 アンジェラは腰が砕けたかの様に、ペタンと地面に座り込んだ。


テスター「なあ、ダナム。ランディは何処からあんな、ニンジンを持ってきてるのか?」


ダナム「解らねぇ、ただ1つ解ってる事がある」


テスター「なんだ、それは?」


ダナム「ランディのやることにいちいち反応していたら身がもたねぇ。ランディが正しい男でよかった」


テスター「俺も、1つだけ解ってる事がある。ダナムの正しいとは、強いと同義語だってことがならに


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