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【76話】ランディ、王都に移住する

時系列は前話より、少し前になります。

 こんにちは、僕はランディ・ライトグラム。


 ランディ・ダーナスから改名して、ライトグラムなりました。



 僕はあれから、ロイエンとクラリス、セナリースと12人の子供たちを連れて王都まで行ったんだ。

 あと、ついでに奴隷商を奴隷にしました。


 もちろん王様に、僕の売り込みをしにね。


 王様や僕を知る者は、大歓迎だった。

 予想以上の歓迎っぷりに若干引きましたけどね。


 そして、以前にロベルト王子や王宮騎士を救った功績で『ライトグラム』の家名と『男爵』の地位を貰うって事になったんだけど、他のお偉いさんから『待った』が、かかって『家名(仮)』と『准男爵』で収まる事になった。





「と言う訳で、息子ロベルトの家庭教師をしつつ、盗賊狩りの仕事を回すように口添えするから、参加して功績の回数を稼いでくれ」


「回数? 撃ち取った人数じゃなくて?」


「そうだ、討伐隊の端に交じったところで、大した活躍も出来ないだろう。だから回数をこなすのだ。聞いた話だと10回中6回は勝利する。直ぐに功績は成るだろう」


「えっ? 4回も負けるの!?」

 王様の言葉に驚いた。

 

「いや、うまく逃げられたと言うべきじゃな」


 ですよねぇ、この国は割りと治安が良いから、毎回盗賊なんて倒したら、今頃盗賊は居なくなってるよな。



 そうして、王様達と打ち合わせが終わり、別の人に新しく住む住居を案内してもらった。



 別の人は、王様と僕の連絡係らしいが、ガッチガチに緊張している。

 王様は僕の事を、一体なんて吹き込んだのだろう?

「ラララ、ランディ様、そそ、それそれ、それでは……ラララランディ様のお、お屋敷まで、ごあ、ご案内しまちゅ、ひぃっすみません」


 どうやら『ちゅ』の噛み言葉は、あの人としてはNGだったんだろう。

 土下座してきた。

 でも『ちゅ』よりも『ラララランディ』の方を謝って欲しい。


 するとロイエンとクラリスも、一緒に土下座で返した。


 そういえば、ロイエンとクラリスも王宮に来てから、ガクガクブルブルと震えっぱなしだったよな。

 セナリースも、震えてはいないが顔が青ざめてる。

『奴隷商奴隷』に至っては気絶してる始末だ。


「あわわ、国王様の御使い様に、頭を下げさせるなんて、そんな子に育てたつもりは……あっ私、育児放棄してたんだっけ、あなた」


「も、申し訳ありません、オ……オレ、ちがっ、わ私の息子が、大変失礼しました」


「何にもしてないし!」


 終わる気配のない土下座争いを、力業で収めて新居に到着する。


 うん、でかすぎだよ王様。


 前の家の8倍はある。


 これを見た両親は、口をあんぐりと開けていた。


「うちの子は一体何をしたの?」

「国王様の弱味を握っても、暗殺されるだけだぞ」


「母さん、父さん、僕何にもしてませんが?」


「あんなに可愛かった子が、こんな悪人に」

「オレは息子を、恐ろしい怪物に育ててしまった」


 僕は2人の説得を、取りあえず諦めた。



 ……

 …………


 ロイエンとクラリスが落ち着いた数日後、准男爵としての従者2人を、ロイエンとクラリスにする手続きが完了した。


 表向きは、ロイエンが武官でクラリスが文官だな。

 ある意味国に雇われた公務員的存在だと思う。


 セナリースは、ロイエンを探しに職務放棄したから、国のお抱え傭兵には戻れないから、僕の私財で雇うことにした。


 後、12人の子供達がいるから、ハゲジイから貰った小遣いじゃ2年も持たないな。


 家庭教師以外の仕事も貰おう。



 ◇◆◇◆◇


 10人規模の、盗賊退治を2回ほど済ませた頃、ロベルト王子の家庭教師ついでに、仕事がないかと頼んでみた。


 すると、王様にちょっと似ている青年がやって来た。歳は20ちょいってところか。

 恐らく王族だろう。


「近くで見るのは初めてだな……俺はサンジェルマンだ、仕事はオレが紹介しよう」


 サンジェルマン……王子か。

 ロベルト王子の兄貴だ。

 一応キチッとした挨拶をしなければ。


「失礼しました! よろしくお願いします」


 片膝を地に付けて頭をさげる。


「ああ、そんなのしなくていいぞ、今日は『王子』として来てねぇ。呼び方も、今はサンジェルマンでいい。直ぐに移動する」


 そう言って、サンジェルマンは僕を別室に連れていった。


「ここだ、先に中に入れ」


  開いた扉の向こうに、2人が机の奥で座っている。

 この人が仕事をくれるのかな?


 部屋に1歩足踏み入れた時、攻撃的気配を察知した。


 下がるのは間に合わない! 進むぞ。


 ダッシュで通りすぎた所に、左右から棍が降りおろされていた。


「ほう」

「やるなぁ」


 なにやら、サンジェルマンや正面のお兄さんが声を上げているが、構ってる場合じゃない。


 やる気満々の棍を持った2人が追撃してきたからだ。


 棍を持った相手と1対2か……こっちは素手。

 しかも、やる気満々でも殺す気がないのが、厄介だ。


 何故なら、僕も殺さないように気を使いながら戦わなきゃいけないからな。

 だけど、今はこの戦い方も大好きだ。


 やる気満々でくるから、攻撃の来る場所とタイミングが判りやすい。


 しかし、判りやすいって言っても、相手の懐に入る余裕は持たせてくれない。

 騎士とは違った戦い方を覗きこむようにして相手をする。


「やっぱ、こいつはスゲーや。サンとリーのコンビネーション見切ってやがる」


「あの足運び、サンとリーに似てるな、だがサンとリーが徐々に優勢になってる」


 僕が劣勢なのは、王子とその他1名が、サ○トリー、サン○リーって煩いからだよ!


 ビールとワインが飲みたくなっただろ?


 もう少し歳を重ねたら、がぶ飲みしてやる。



 だいたいこの程度の腕力で、武器が棍なら、100回くらい喰らっても問題ないわっ。


 僕は懐に入れぬならと、相手の腕を狙ってチマチマやり返していた。


 既にくっきりとアザが見えますから。



 降り下ろした瞬間に右手右足を使って、棍の先を地面に着けさせ、左足で持ち手を蹴りあげた。


「なっ!?」


  棍を空中で拾い上げ、着地と同時にもう1人の棍を弾き飛ばす。


 そして2人の直線上に棍を持っていく。

「うっ」

「あっ」


 僕の『どっちにも突きを繰り出す事ができるんだぞ』と言う意思表示は伝わったようだ。


「そこまで! なあ? 言ったろ。 王宮騎士(かたぶつ)よりこっち向きだって。 後はあいつの面接しだいだがな」


「『スピア』あれで肉体強化を使ってないのか? だが『ナイフ』の面接の前にもう1戦して貰おう 」


「はあ? 聞いてないぜ『ソード』」


 僕も聞いてません。

 僕抜きで話を進めすぎてませんか?

 それに、次は『キ○ン』とか『サッポ○』とか出ると思ったのに、スピア、ソード、ナイフとか厨二モード入ってるんですが、恥ずかしい。



「ああ、サンとリーがあっさり負けすぎたからな。それに、あのランディ君の弱点を見つけましたので」



キンジ「ランディさんに弱点なんてあるんすか?」

ガル「ああ、あるぞ。ランディは芸術的な音楽に弱い」

カーズ「あと、兄さんに好意をよせる人間の気配には鈍感だよね」

アーサー「あと 好き嫌い 激しい ムカデの ソテー 食べなかった 毒蜘蛛の 10種盛り ほとんど 残した ランディ 弱点」


キンジ「あんときは、二匹も食べましたよね? それだけでもスゴいっすけど?」

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