【閑話】ランディへと続く道
閑話をいれましたので、予告にあったランディのパワーアップはお預けです。
かわりに、もう1話緊急で差し入れます。
早ければ、明日の日曜日には投稿できるかと。
では、閑話をどうぞ。
ランディを捜す旅に出ていた。ランディの仲間である、カーズ、ガル、アーサー及び、ランディガールズ一行は、冥王エリシュオンの力を借りて
居場所を特定したかのように見えた。
しかし……
「私……シャングリラ……幽王シャングリラ……よろしく」
カーズは冥王の態度と、ランディの捜索方式を想像して、1つの答えにたどり着いた。
「冥王のやつ、ランディと幽王を勘違いしやがった!」
状況を理解して立ち尽くす面々、未だにどうなっているのか解らず、オロオロする面々。
そんな中、埃の被ったコップを一息吹き掛けるだけで、人数分ぴったりの数だけ綺麗にし、飲み物を入れて、テーブルに置く。
幽王は神でありながら、来客を喜んでいる様子だが、表情には出ていない。
「いらっしゃい……水……用意した」
「神よ 感謝 する おやつ 出す」
アーサーはバックパックから皿とカロリーメ○トを取り出し、コップのとなりに用意した。
「私……嬉しい……お茶会……500年ぶり」
「俺 楽しい 神と ティータイム 300年ぶり」
幽王シャングリラとアーサーのやり取りに、キンジが突っ込む。
「なんか、超お似合いカップルの、初デートに見えるんすけど、このままイチャイチャさせていいんすか? おれたち、大事な用事がありましたよね?」
「キンジ、解っているのですが、今後の手段が見つかっていません。バカ女神が間違えたとは言え、シャイニングロードはここを差していたのですから。もしかしたらこのお茶会に兄さんのヒントが……」
結局ランディガールズを除いた全員が、幽王と同じテーブルに集まる。
アーサー、カーズ、ガルは神の発するオーラに臆する事なく対等に話すことが出来、キンジはあまりの実力違いのため、オーラにすら気づかない。
キンジは異世界に無理矢理連れていかれて以来、ずっとアーサーとカーズの殺気や怒気に曝らされていたので、耐性がついていた。
楽しく、話を盛り上げていたが、突如幽王が真剣な顔になる。
「こんな……楽しい事……500年前にも……なかった。覚悟決めた……10日に1回のおやつ……ここで全部……出す」
幽王は小さな箱を取り出して、幽王自慢のお菓子を取り出す。
「むっ?」
「おっ!」
「これは……」
驚愕するカーズ、アーサー、ガルに、キンジは普通に対応する。
「これはフェレ○○シェのコピー品っすね。アイスプラントからキウイ、そして野菜炒め定食とヒントばかりのワンパターンっすよ?」
「うっ」
「くっ」
「…… お茶会 進める」
しかし、幽王が出した例の菓子は、食べるとさくっと口の中に広がり、ふわっと口に溶け、極上の甘さを引き出していた。
これを食べた全員がアーサーを見る。
アーサーならこの菓子の産地を。細かく言い当てる味覚を持っているからだ。
「ミルクチョコレート 砂糖 ココアバター カカオマス 脱脂粉乳 無水乳脂肪 レシチン バニリン ヘーゼルナッツ 植物油 小麦粉 ホエイパウダー 脂肪低減ココアパウダー 重炭酸ナトリウム 塩」
アーサーは一息ついてから、再び喋り出す。
「産地 地球 イタリア または 日本 この世界では 無理 ランディ クリエイトフードフリー 確率 100%」
フェレ○○シェに、食いつくランディガールズ。
「?? ……やっぱり……凄い……スイーツ」
「幽王シャングリラさん、これは何処で手に入れたのですか、私に出来る事は色々やりますから教えて貰えませんか?」
確実にランディに、繋がる物とだと理解してカーズの食い付きが凄い。
幽王の顔まで20㎝まで近づいて話すカーズだった。
幽王は残念そうにしながら答える。
「これは……もう手に入らない。これの売り出されていた……領地は……もうすぐ……滅ぶ。場所は……アルカディア……北部……エスクリダオパルキ……ナパの町……制作者……名前は知らない……でも……こんな顔……ん?……あれっ?」
幽王は、カーズを指差しながら『あれっ?』と言いつつ不思議な顔をしている。
「兄さんを知っているんですか!? いや、見た事があるんですね!」
カーズは前にのめり過ぎて、幽王との距離まで10㎝に迫っていた。
「直接……見たことない……遠見の水晶……使った。正確な……場所……見れない……でも……使う?」
幽王が大きな直径1メートルもある水晶を、人差し指だけで器用に運んでくる。
そして、水晶を弄くり回して呟く。
「やっぱりダメ……もう手に入らない」
幽王のあきらめの混じった呟きを聞き流し、キンジは水晶を覗き込むが、彼には何も見えないようだ。
「カーズさぁん、何も見えないっす」
「キンジ水晶は投影器です。壁を見なさい」
キンジ達が壁を見る。
そこは、切り立った渓谷に1本の金属製の橋がかけられていて。
橋の向こう側には、映像では判別出来ないほどの兵士がいる。
少なく見積もっても、2万人は超えている。
橋の上には1人の青年が、2万超の軍隊を足止めするかの様に立ちはだかっていた。
「ランディ!」
「兄さん!」
「見つけた」
キンジだと映像では、誰だか判別も出来ない大きさなのに、ガル、カーズ、アーサーの順に、橋の上にいる人物をランディだと確信した。
「ちょっと待って。てっ事は、お兄ちゃんたった独りで数万の大軍を相手にしてるの!?」
「らんでぃ、大丈夫かな」
「いつもの主殿なら大丈夫なのじゃが、記憶を失っている可能性が高い」
「または、転生の影響で弱体化していたら」
「ランディが死んじゃう!!」
マーニャ、リリス、カミーラ、ひなた、香織の順に話したあと、カーズに掴みかかる。
「ランディを助けないと」
「ランディを助けなきゃ!」
「お兄ちゃんを助けなきゃ!」
「らんでぃを助けて!」
「主殿を助けるのじゃ!」
カーズは、記憶喪失で弱体化していたら、不味いと理解している。
「シャングリラさん、この映像の場所はアルカディア北部でしたね。こことの距離は?」
「ここから……人間の足で……78日」
「くっ、俺様やアーサーでも10日はかかる」
ガルが、悔しそうに声を漏らす。
「待ってください。シャングリラさん、貴女は何処からこのフェレ○○シェを、買って来たのですか?」
カーズの質問に幽王が答える。
「転送の間を……使えば……ナパの町まで……人間の足で……8日の距離の地点……転送……出来る。でも……それも……使えない……これ見る。……これ……今の……転送の間」
壁を1面にランディを写していたが、別の壁に転送の間が写し出された。
そこには、大量の『G』がところ狭しと蠢いていた。
「これ、GGG。私の作った……小さな世界に……幽閉してる。おやつ欲しさに……外出したら……増殖してた。これ以上……増殖したら……世界が終わる」
「1つ聞くが、俺様の目でも正確な数が把握できねえ。恐らく100京匹はいると思うんだが」
100京は100兆の1万倍である。
「おしい……GGG……120京いる。この中に転移装置……ある」
ガルの目でも把握しきれないほど、大量の生物が、行く手を阻んでいた。
「見た感じ、あれと楽勝で戦えるのは、俺様、カーズ、アーサー、カミーラ、ひなた、マーニャだけど、生理的拒絶を加味すると、女性陣は除外か?」
ガルの言葉に力強く無理だと訴える、ひなたとマーニャ。
「10万やそこらだったら1日で何とか出来るが、さすがにこれは……」
映像を見ていたアーサーは、目を見開く。
「戦い 始まった ランディ 強い だが 装備ない しかも 土地を守る戦いしてる 勝機ゼロ 敗北予定日時 3日から5日」
それを聞いたカーズが動き出した。
「なりふりかまってはいられません。禁じ手を、つかいます」
キンジは自分を指差した事で、ガルに殴られながらカーズに向かって叫ぶ。
どうやら『禁じ手』を『キンジの手』と勘違いしたようだ。
「まてっ、この場で禁じ手を!? 不味い! あれだけは不味い!!」
カーズの言葉に慌てるガル。
「でも 敵 120京 それしか 手段ない」
「くっ、カーズ。ウィッシュはまだ使えないのか?」
「もう少しだと思いますが、それだと間に合いませんよ?」
「くっ、解った覚悟を決めよう」
いったい、ガルは何を恐れているのだろうか?
◆
◇
◆
幽王とランディガールズ、キンジを置き去りにして、行動を起こすカーズ、アーサー、ガル。
3人の前にあるのは材質不明な金属の大箱、電気カミソリの2つだった。
「カーズさぁん、なんすかそれは?」
「魔法の効果をねじ曲げるマジックボックスと魔動カミソリ+3だ」
「+3?」
「ああ、これくらい魔法の付加能力を上げないと、アーサーの髭は剃れない」
「はっ?」
キンジたちは、全く理解出来ていない。
しかし、それ以上の説明はなく、アーサーは髭を剃っている。
剃り終わると、カスはマジックボックスの中に棄てられた。
「シャングリラさん、この箱を巨大ゴキブリのドアと繋げますよ。いいですね」
「何……するの?……あれが外に……出たら……世界……滅ぶ」
「大丈夫じゃね? 接続に失敗しても、俺様、カーズ、アーサーに、幽王、カミーラが居れば、流出はくい止められるだろ」
ガルが幽王と話している間に、GGGが幽閉されていた空間とマジックボックスが繋がる。
「行きますよ」
カーズは真剣そのもので、ガルは冷や汗を流している。
「第5レベル呪文ドッペルゲンガー」
「出るぞ!!」
王箱から出現したのはアーサーだった。
「ちょっと待ってくださいっす、アーサーさんをコピーしたのはいいんすけど箱の意味は? それにアーサーさん1人じゃいくらなんでも、あの数は無理っすよ」
「キンジ、あの箱は魔法をねじ曲げるって言われたよな。あれはクレリック呪文のドッペルゲンガーに近い」
ガルはキンジに、説明し終わったとたん、2人目のアーサーが大箱から出てきた。
いや、大箱から次々とアーサーが出現していた。
「俺 アーサー」「俺 アーサー」「俺 アーサーあ」「俺 アーサー」「俺 アーサー」「俺 アーサー」「俺 アーサー」「俺 アーサーあ」「俺 アーサー」「俺 アーサー」「俺 アーサー」「俺 アーサー」「俺 アーサーあ」「俺 アーサー」「俺 アーサー」「俺 アーサー」「俺 アーサー」「俺 アーサーあ」「俺 アーサー」「俺 アーサー」「俺 アーサー」「俺 アーサー」「俺 アーサーあ」「俺 アーサー」「俺 アーサー」…………………………
「ヒョエエ~!? まるでアーサーさんのビックリドッキリ○カ見たいっす。でもアーサーさん、なんか変じゃないっすか?」
「そりゃ、髭のカスを使ってクローンを作ってるから、知能なんかあるわけない。しかもレベルも最弱だ。ただし神人レベルでだけどな」
カーズはアーサーの髭のカスを媒体に、アーサークローンを大量に作り出した。
しかし、そのアーサーは知能がなくレベルも最低になるが、それでもGGGを瞬殺できる強さは残っていた。
「食料 発見」「食料 発見」「食料 発見」
「食料 発見」「食料 発見」「食料 発見」
「食料 発見」「食料 発見」「食料 発見」
「食料 発見」「食料 発見」「食料 発見」
「食料 発見」「食料 発見」「食料 発見」
「食料 発見」「食料 発見」「食料 発見」
「食料 発見」「食料 発見」「食料 発見」
「食料 発見」「食料 発見」「食料 発見」
……………………
次々とアーサーはGGGを駆逐していく。
しかし、カーズとガルは、その光景に腹を抱えて笑っていた。
「くくっ、兄さんの危機に不謹慎な、プクク……」
「ププッ、だから止めろとあれほど、プッ、言ったのに、ブハッ」
「お前ら 失礼」
「それよりも、ゴッキー食べながら、殲滅していくアーサーさんクローン、チビりそうなくらいグロ恐いっす。何で笑ってるのか理解出来ないっす」
こうして、120京もいたGGGは、たった1日半で全滅してしまった。
「今回は、兄さんのために使いましたが、今後は堅く封印しましょう。腹筋が痛いです」
「それより幽王さん、早く転移する場所に案内してくれ、ランディが心配だ。笑いすぎて呼吸困難だし」
「ランディ助ける 強くなったランディ 闘う」
「…………」
「メチャクチャっす、この人たち」
呆れる幽王が見送るなか、アーサー、カーズ、ガル、キンジ、ランディガールズは、ランディの居るエスパルに向けて転移した。
ガル「まあ、ランディ本人に神の力を与える神のはない。カレアスの中継スポットに近い意味合いかな」
キンジ「よく解らないっす」
ガル「キンジに解りやすく言うと、カレアスがWi-Fiルータなら、ランディは中継器見たいなものだ」
キンジ「よけいに解らないっす」
ガル「まあ、カレアスの制約が微妙に変わったのが、ヴェルランデイヤだな」
キンジ「きれいに纏めても、難しい事には変わらないっす。次回はランディさんはでてこなくて、周囲の人達の話っす」




