【142話】内政1
登場人物が多くなってきましたので、前書きに登場人物を書くことにしましたが、ただいま準備中でございます。
僕はエスパル地方を、ある程度統治したので、本格的に内政を開始する事にした。
エスパル南端の砦は『砦の町ルネ』
ルネから4日から5日かけて進むと、大森林中央部にある、小さな町は『森の町ユタ』
ユタから約1日北に行った先にある大きな町は『深緑の町ナパ』と改めて、名付けた。
先ずは10日ほど掛けて、ユタの民の素質を見つけ出す。
「と言うわけで、15歳以上の民は判別器で、才能を見る事にした。10歳から14歳までの民は希望により受け付けます」
『おお』『流石』『領主様!』とか、驚きと尊敬の声が聞こえた。
ふふっ、僕の権力に驚くがいい。
僕にかかれば、判別器の1人や2人、容易いものよ。
「では、判別器を紹介します。判別器レジーナ」
「はい」
レジーナが僕の隣まで来て待機する。
辺りがキョトンとして静まり返る。
「レジーナは生活魔法を使いますが、なんと一緒に料理をすると、生活魔法を使えるか何となく判るそうです」
回りは無反応だ。
「次に、肉体強化魔法を判別するのは、ベルデタルの剣士の中でも、教師向きの20名です。拍手」
僕の後ろには、ベルデタルの剣士が立っている。
パチパチ、パチパチ、パチパチ。
思った以上に反応が少ない。
因みに、ダナム、ロイエン、セナリースはお世辞にも、教師向きじゃなかった。
「そして、回復魔法はこの僕ランディが務めます。以上!」
暫くの静寂のあと、1人の若者が質問をしてきた。
「あのぅ、攻撃魔法はどうやって……」
「もちろん、この3つに反応しなかった人が、攻撃魔法使いの素養があるだろう。僕の才能が恐ろしいっ」
この後、僕の評判は一度地に落ちた。
「おりゃ!」
「ぐわぁっ」
「ヒーリング」
「治った」
「魔力の流れは、感じたか?」
「あっ……はい、解りました!」
この調子で、600人を2日かけて判別する。
そして、反応しなかった民は、レジーナの料理教室に、体験学習する。
この方法だと、ハイブリット種は判別に漏れるだろうが、面倒くさいので、考えない。
ただ、気になることがあった。
回復魔法使いの素養を持つものは、統計だと5%程度のレア魔法なのだが、300人中、約60人も回復魔法の素質持ちだった。
翌日も、ほぼ同等の割合で、回復魔法の素質持ちが見つかった。
そこから、さらに3日費やすと、生活魔法使いも判別できた。
生活魔法と肉体強化魔法は、もともと判っていた人もいたので、思ったより順調に進んだ。
そして5日後。
判別にかけたユタの民はこうだった。
生活支援魔法≡240人
たぶん肉体強化魔法≡180人
もしかして攻撃魔法≡60人
回復魔法≡120人
既に回復魔法の素質を持つ者は、半数以上がヒーリングを使えるようになっている。
「領主様、まさか独立して国を立ち上げるとか言わないよね? どれだけ驚かせるんだ?」
「言うなトウドウ。おかげで、領主様がいなくても、南の森で狩りが安定して出来るんだ。回復魔法使いが60人だぞ、60人。しかもまだまだ増える予定だ」
トウドウとサイドウも、随分と仲が良くなった。
これも僕のおかげだろう。
「ランディ、トップが鬼だと、下が結束するって聞いた。狙ってやったの?」
アリサが突っ込みを入れてくる。
「ももももも、勿論狙い通り」
「……違うのか」
アリサも周囲に貴族がいないせいか、地の性格で接してくれる。
戦い以外は、お姉ちゃんのように振る舞う時もある。
確かに、ちょっとだけ僕より早く産まれているが、僕を尊敬し続けていたアリサは、影を潜めている。
「でも、懐かしいね『指折りヒーリング』」
「ああ、学院を出てからは、使ってなかったな」
まだ何年も経っていないけど、いろいろあったせいで、だいぶ昔の事みたいに感じる。
「お母さんも、ランディと一緒で楽しそう」
「……楽しいのか? 確かに生き生きとしてるけど……」
レジーナには仕事を与えておかないと、暇さえあればグイグイ来るから大変だ。
でも、頑張ってもらってるのは間違いないので、ちょくちょくマッサージをしてやってる。
あっ、エロくないマッサージな。
レジーナはマッサージに下着だけでくるから、目のやり場が固定されて困る。
足を揉むとき、視線はお尻。
背中を揉むときも、視線はお尻。
腕を揉むときも、視線はお尻。
肩を揉むときも、視線はお尻。
頭皮マッサージも、視線はお尻だ。
諸事情のため、うつ伏せでしかマッサージしてない。
仰向けは色々と危険だからな。
ランデイヤの能力で、性欲を制御出来るが、女体を見るのは、大好きなので仕方ない。
それも、僕が順調に育っている証拠だ。
決して融合前の性癖を受け継いでる訳ではない。
本当だぞ。
「ランディも早く正妻を見つけて、お母さんを妾にしちゃえば?」
「ぶっ、僕はまだ15歳ですからね」
アリサからそんな台詞が来るとは思わなかった。
「貴族の結婚は、18からだっけ? でも貴族の婚約は早いじゃない。もう候補くらい、見つけてもいい頃だよ」
この世界の貴族は、僕の知るほど早婚でもない。
が、元日本人として考えると、まだまだ早い気がする。
「期待してる方々には悪いですが、暫く独身だからね」
今のは嘘だ。
僕は恐らく19歳には……そう、第9レベル呪文を覚えたら、この世界からいなくなるからね。
「ふぅん、お母さんは年齢不詳だけど、少なくても30代なんだから、やるなら早めに一刀両断にしてね」
恐ろしい事を言ってアリサは、別の場所に移動してしまった。
たしかに、結婚する気はないが、ものすごく貴重な人材なんだよな。
ズキン!!
うっ、胸が痛いだと!?
まただ……またこの痛みか。
「第4レベル呪文……シリアスキュア」
ふう、治った。
しかし、この痛みも何度目だ。
繰り返し発症する痛みなのか?
それでもシリアスキュアなら、先天性の病気も治るんだけどな。
「お坊っちゃま、見つけました。キャットスパイダーを使って、素敵な料理が出来上がりました。今回は求婚される自信があります」
そんな恐ろしい料理、持ってこないで。
でも、レジーナのニクガクルガ料理か……ふふん、食べてやろうじゃないか。
僕は優秀なクレリックだから、胸の痛みはいったん忘れて、レジーナの料理を堪能することにした。
キンジ「そう言えば、レジーナって何歳なんすかね」
レジーナ「ふふふ、秘密です」
キンジ「でも、娘の年齢から計算すると……」
レジーナ「レジーナチョップ!」
キンジ「クバァ、目が!? 目がぁぁぁぁ!!」
レジーナ「乙女の秘密を知ろうとした罰があたりましたね」




