【139話】不死城の主
呪文を再取得して、バハムアークが指定した場所に向かう。
今回対バハムアーク用に呪文の取得をした。
第6レベル呪文は、こう取得したよ。
サモンアンデッドLVⅠ、7回。
カース(呪い)、2回。
スペルイミュニティLVⅡ、2回。
レイズデッド、6回。
クリエイトルーム、1回
バハムアークの性格が悪いことは、休憩を11時間に設定したことからも解る。
呪文の再取得には、6時間もあれば充分だし、休息も、回復の遅い者でも8時間あれば足りる。
突然の罠は咄嗟に回避してしまうが、あからさまに用意された罠には、つい首を突っ込んでしまう。
悪い癖だな。
ゆっくりと進んでいると、何回かアンデッドモンスターと遭遇したが、全てターニングアンデッドで破壊した。
そして、目的の場所に着く。
「フハハ……ようこそ高位のクレリック。改めて紹介しよう。我の名はバハムアーク、偉大なるノーライフキングの最高傑作である!」
えっ、まだ裏にボスが隠れてる感じ?
面倒くさいから止めくれないかな。
「で、そのお前を吸血鬼にしたのは、何処に?」
「フハハ……人間などに教える義理もないが、今この世界で我が最強の存在とだけ言っておこう」
はい、お前の作成者は異世界旅行に行ったのね。
「で、サモンアンデッドのゲームはどうやって?」
「フハハ……気が早いな。そんなに寿命を縮めたいのか? たかだか20年足らずの人間風情が。まあ、いいだろう。闘いはシンプルが一番。ルールは簡単。使える呪文はサモンアンデッドの、一種類のみ。そして召喚するアンデッドはスケルトンに限定。数は自由、例えばレベル15のクレリックならば、モンスターレベル3の
スケルトンを5体召喚して闘わせる。全滅した方の負けとなる。もちろん、全滅前に追加のサモンアンデッドで援軍を出すことも可能だ。お互いの陣地に20本の斧を用意してある。判りやすい様に、赤の斧はこのバハムアーク様、青の斧は人間側が使う。フハハ……理解出来たか?」
うん、わかった。
「で、勝ったらどうなる?」
「フハハ……負けた事の心配をした方が良いと思うが。この勝負では命までは取らないが、弱体化の呪いを受けてもらう」
バハムアークが、指を差した方向には水晶のドクロが置いてあった。
なるほど契約で縛るのか。
ルールも面白い。
武器が20個までなら無闇に物量作戦で攻めても、有利にならない。ならば小数に限定して召喚すればいい。
「解った。問題ない」
「フハハ……すごい自信じゃないか」
(読み通りサモンアンデッドばかり取得してきた様だな。これで唯一の懸念材料である『レイズデットLVⅡ』は封じたも同然)
僕とバハムアークは水晶のドクロに手を当て、宣誓する。
「これから、10ターンの間、使用する呪文は『サモンアンデッド』のみとする。そして契約違反と敗者は、呪いを受けることを認める」
「フハハ……今から10ターンの間、使う呪文は『サモンアンデッド』だけとする。そして契約違反又は敗者は、呪いを受けることを認めよう」
(我の特殊能力に呪い無効化があるのだが、それは言わないでおこう)
宣誓の後、お互いに所定の位置に行き、向き合う。
「フハハ……それでは始めよう。我は求める闇の力を具現化し、その形を成して下僕とせよ……サモンアンデッド」
バハムアークの呪文により、スケルトンが9体出現した。
間違いなくクレリック第6レベル呪文だ。
最初は合わせるか。
「我は求める闇の力を具現化し、その形を成して下僕とせよ……第6レベル呪文……サモンアンデッドLVⅠ」
僕に長々とした詠唱は要らないけど、遊びだし、付き合ってやる。
僕は10体のスケルトンを召喚する。
そう1体あたり、5モンスターレベルを注ぎ込んだ。
「フハハ……10体とは中々やりますね」
(レベル20のクレリックですか、想定内ですが、眷属にするのが楽しみになってきますねぇ。しかし、このバハムアーク様のアンデッドモンスターだけは、強さが20%増しの力場が構築されている。ギリギリで私の勝ちですねぇ)
スケルトンに斧を取らせて闘わせる。
その間に、僕とバハムアークはほぼ同時に次のサモンアンデッドを使用した。
付き合うように、戦っているためほとんど同じ戦術で戦わせている。
すると、ほぼ予定通りにバハムアークのスケルトンが全滅した。
「フハ? 何故です? 何故このバハムアーク様のスケルトンだけが破壊されたのだ?」
(まさか、あやつも何かしらの力場を構築していたのか? いやそんな素振りは……)
「くっ、スケルトン、行きなさい!」
スケルトン部隊が新たに投入されて、戦闘は続行する。)
その、第2部隊を蹴散らした時、僕のスケルトンも半数がやられていた。
「フハハ……なるほど。サモンアンデッドはそちらの土俵だったと言うことか。なにか特殊な技能持ちと見ました」
(しかし、それでもこのバハムアーク様の圧勝は覆らない。何故ならあと4回もサモンアンデッドが使えるのですから)
……
…………
闘いは続いていて、バハムアークが6回目のサモンアンデッドを使った。
僕は現段階で3回だ。
「フハハ……これは本当に驚きましたね。このバハムアーク様のサモンアンデッドをたった3回で圧倒するなんて、これは眷族にするのが楽しみになってきました。名前を聞いてもいいですか?」
様子から窺うと、バハムアークのサモンアンデッドは6回までの様だが、余裕のある感じは消えない。
読み通り、スケルトンの伏兵があるのだろう。
「僕の名前は、ランディ・ライトグラムだ。そろそろ決着か?」
「フハハ……馬鹿を言ってはいけません。このバハムアーク様はまだまだこれからです。出よスケルトン軍団よ!」
すると、部屋の奥からぞろぞろとスケルトン軍団がやってきた。数にして90体はいそうだ。
「なっ、サモンアンデッドだけの勝負じゃなかったのか!」
と、演技してみる。
「フハハ……サモンアンデッドですよ。ただし事前に呪文で召喚したスケルトンですがね。フハハハハハ!」
さて、これから忙しくなるな。
「第6レベル呪文……サモンアンデッド」
5秒後にもう1回。
「第6レベル呪文……サモンアンデッド」
「なっ、呪文の短縮!? しかも次の呪文までタイムラグが少ない! キサマ何者だ!!」
だから、ランディって言ったのに。
さすがに、90体を相手に今のスケルトンじゃ荷が重い。
バハムアークは予想以上に凄かった。
ならば、全力で応える。
「第6レベル呪文……サモンアンデッド」
少し休んで。
「第6レベル呪文……サモンアンデッド」
「キキキキキ、キサマ! いったい何回第6位呪文を使うんだ!!」
スケルトン同士の闘いが激化している。
もう小さな戦争と言っても良いくらいに。
そして、その勝利を収めたのは、僕のスケルトン軍団だ。
「さて、僕の勝ちだね」
だが、バハムアークの嫌らしい笑みは消えていない。
「フハハ……先程は取り乱してすみませんねぇ。たしかに、このバハムアーク様のスケルトンは全滅しました。しかし嬉しいのですよ。こんな素晴らしいお方が私の眷属になるなんてね。大気中の酸素よ我が魔力と混じりあい爆炎の刃と化せ……ファイヤーボール」
バハムアークのマジックユーザー呪文で、スケルトンが全滅した。
やっぱり、最下級だなぁ。
むっ、体が重い。
「フハハ……あなたのスケルトンも全滅したので、弱体化の呪いが発動しましたね。そう勝負が決まっても、10ターンの間は誓約が有効なんですよ」
ここまで卑怯だと、かえって清々しさを感じる。
「フハハ……加えて付け足すと、このバハムアーク様には、この程度の呪いは全く効かないんですよ。さあ、第2ラウンド『正々堂々』と勝負です。魔法の矢よ、敵を射て……マジックミサイル!」
バハムアークから放たれた、5つのマジックミサイルが、命中する。
「ぐっ……」
「さあ! あなたは、このバハムアーク様に血を吸われ、眷属となり配下になるのです!」
バハムアークが、体の重くなった僕に向かって、猛然と突き進んで来た。
バカ王子「一部の貴族がキャンブルビクト領に密偵を放った。理由はランディの足取りを追うためだろう」
弟子「正規に調べればエスパルだとわかるのに?」
信者「情報入手簡単、だから逆に疑った。だが問題は別にある」
バカ王子「一部の地域で発生した、行方不明事件だな?」
弟子「調べた結果、行方不明者は全員がランディ商会の商品又は食品を愛用していた」
信者「それ以上調べなくても、結果、見えたぞ」




