表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

142/195

【129話】ランディ、復讐の機会を得る

 そうだ、この違和感の正体は、普段戦闘中に感じるものに近い。


 まさか、この日を狙ってくるとは、完全にしてやられた。


 手遅れに、なっていなければいいけど。



 独り先に走っていると、人の気配を感じた。



 それは、ベルデタルの剣士団と傭兵っぽいのが、争っていた。


「使徒様!?」

「使徒ランディ様!」


「!? 今だっ、逃げろっ!」


 僕がやって来たせいで、ベルデタル剣士の動きが止まり、代わりに賊2人が僕めがけてやって来た。


 人質にでもするつもりかな?


「第2レベル呪文……オグルパワー」


 この付近での僕は、そこそこ有名だ。

 ここが子爵邸である事を知って襲えるとは、相手は手練れで、なおかつバックに伯爵以上の存在が控えていると見た。


 だから、少年と油断して突っ込んでくる、手練れの賊に容赦しないで、攻撃した。



 ……

 …………


 騙された。

 いくら本気で攻撃したからって、一撃死するとは思わなかった。


 もう1人は、うまく生かして捕らえる事が出来た。


「流石は使徒様」

「いくらホネがあると言っても、所詮ただの賊……ランディ様の前ではゴミ同然ですな」



「だれか、この状況を説明できる人いる?」



 ベルデタルの剣士たちの表情がとたんに引き締まる。


 何か、怒られると勘違いしているのかな。


「はっ、私は後から来たので、冒頭の出来事はわかりませんが、約20名の賊が突如、ランディ様の住まう邸宅に侵入。殆どの者を返り討ちにしたのですが……」


「ですが?」


 ちょっぴり嫌な予感がするんだけど……


「賊がかなりの手練れ揃いで、妹君のアリサ様が……」


 この言葉を聞いた瞬間、生き残りの股間を踏み潰して、神速をつかい、屋敷に入った。


 だから、剣士の話の続きを聞き洩らした。




 ◆

 ◇

 ◆



 時は少し遡り、ランディ不在のライトグラム邸は、レジーナクッキングの試食会となっていた。


「ぼっちゃまに『パーティの食事より、レジーナの料理の方が断然旨いわね。結婚してくれ』と言わせますわ。さあ、これを食べて改良点を洗い出しましょう」


「ふう、しょうがないなぁお母さんは……まぁ、ランディが喜ぶなら手伝ってあげるけど、何でも食べるわりには、舌が肥えてるからねぇ」


「ボンは、塩焼きが大好物だが、貴族でも滅多に食べないようなモンを次々と持ってくる。アレに勝てるのか?」



 レジーナ、アリサ、セナリースの順に語っている、食堂には、ダナム、ドロワット、ゴーシュと、ベルデタルの剣士5名を招待して、会食していた。



 その時『キャァァァァァ!!』


 使用人の悲鳴が聞こえた。


 悲鳴がしたその数秒後、食堂の扉が蹴破られ、15人の賊が侵入して襲ってきた。


 レジーナ側にも、11人いるとはいえ、丸腰の状態で手練れの賊を相手にしなければならない。

 目に見えて不利な状況だった。



「男は殺せ、女は情報を聞き出してからだ。こちらの証拠は残すな」


 賊は号令に頷いて、分散して襲いかかってきた。




「はぁぁっ!!」

 賊の一番密集している場所に大きなテーブルが投げ込まれた。


 竜神の加護を持つダナムが、肉体強化魔法を全開にして大テーブルを思いきり投げつけた。



 ドロワットとゴーシュの実力は、アルカディアの騎士で計ると、王宮騎士の上位に位置する強さを持っている。


 フォークを持って、倍する数の賊を圧倒していた。



「えい、えい、えいっ」

「えっ? 母さん!?」


 剣を装備していない、ベルデタルの剣士達は、ちょっと強いオッサン程度だ。


 殺られるのも、時間の問題かと思われるが、レジーナの飛ぶ生活魔法が、邪魔をする。


 レジーナは種火を相手の目の前に発火させて、怯ませたり、鼻や耳に水を発生させて、バランスを崩していた。


「お母さん……何それ?」

「ふふっ、ぼっちゃま仕込みの護身術よ。少量の火種や水でも効果があるのよ」


 アリサは生活魔法を護身術に使う事と、突然襲ってきた賊を冷静に対処していた事に、驚くより呆れた。



 この、人数で圧倒しきれない賊は、戦法を変えた。

「ここは、もういい。1人も生かすな!」


 賊はレジーナに向かって、剣を振りかぶった。


「キャア」

「お母さんっ!」



 ザシュ!



 ◇

 ◆

 ◇



 屋敷の中に入り、人の気配がたくさんする場所に向かった。


 そこには、血塗れのアリサがいた。


 そう、他人の返り血でまみれていたアリサが立っていた。



「あっ、ランディお帰り。いま大変な事になってるから、事後処理よろしく」



 あれ? どういうこと?


「セナリース、状況は? どうなってんの?」


 アリサの近くにセナリースもいたから、聞いてみた。


「ボン、アリサといい、レジーナといい何しやがったんだ?」


 逆に聞かれてしまった。


 巨乳のレジーナには痴漢対策として『目』『鼻』『耳』に火や水を出すといいと教えていた。


 アリサはレジーナを庇った直後、本気を出して『ゴールデンタイム』を発動した。


 ゴールデンタイムとは、限界を超える肉体強化魔法とヒーリングを重ね掛けする技で、雑魚なら圧倒出来るくらいに強くなる戦法だ。



 使用人達は、後で拷問して色々聞き出すつもりだったのか、全員怪我をしていたが、生きていた。


 ドロワットとゴーシュが強すぎて敵を倒すたびに、剣が手に入り、ベルデタルの剣士も、敵の剣を使って反撃してからは圧倒的だったらしい。


「なあ、ボン。アリサでアレなら、ここで一番弱いのは、オレとダンナじゃねぇのか?」


 それは、言いすぎだと思うが。


「さて、賊の正体を調べないとね」


「……それなら、判ってる」



 さっきから大人しかったダナムが、話してきた。


「捕らえた賊の殆どは、口を割らずに自害したが、死んだやつの中に、知ってる顔があった」


 なにっ!?

 ダナムがその続きを話す。


「3人ほどマツヤ家専属の傭兵がいた。犯人はオヤジだ」


 ガン!


 床を叩きつけるダナム。


 僕はパーティ会場のでの出来事を思い出した。



 そうか、プリウス伯爵か……

 ふっ、ふふふ。


 我慢していたのに、こんな機会を作ってくれるなんて、転生してからは大人しくしていたけど、善悪で分けるなら、僕は極悪だぞ。



 そんな僕に喧嘩を売って、生きていけると思うなよプリウス。


「ダナム、ありがとう。お前はここで休んでいろ。セナリースとアリサも待機な。犯人の正体は判明している。ドロワット、ゴーシュ、ベルデタルの剣士達よ参加は自由だ。これから反撃に出る……敵はプリウス伯爵とマツヤ男爵。貴族と知ってついてきてくれるものはいるか!」


 僕独りでも行くけど、一応聞いてみた。


「ドリア様がいない今は」

「我々が、ランディ様の剣」


 おおっ、喋った!?

 普通に話せるじゃんか。


「おおっぉぉぉぉ!! 殺るぞ!! 使徒様に刃を、向けたんだ。敵は全員死刑!!」

「使徒ランディ様の敵だ、命なんて惜しんでいる馬鹿者はおるまいな?」

「当たり前だ。使徒様の役にたてる!」

「修業の成果を見せてやりましょうぞ!」


 ベルデタルの剣士が、全員集合してなくて良かった。

 100人近くいるからな。


「ランディ、待ってくれ」


 ダナムが僕を呼び止めた。






ベルデタルの剣士「賊が、かなりの手練れで、妹君のアリサ様が…………本気を出されました。あれ?」



レジーナ「アリサ、あなた変態だったの? 血塗れで笑いながら敵を倒してたわよね?」


アリサ「……お母さんに変態で語られたくない」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ