後書き 古の森から感謝を込めて
作者からの感謝の気持ち、
物語ではなく、語りです。
※本編は前話で完結しております。
――――目を閉じると、いつも浮かんできます。
森に囲まれたエメラルドグリーンのきれいな湖。
そのほとりに立つ、ひときわ大きな木と、根元の小さな切り株。
その横にドデンと座って湖を眺める黒ドラちゃんの後ろ姿。
切り株には、はちみつ玉を持ったモッチがいます。
ドンちゃんは、もうすぐ後ろの茂みから元気に顔を出してくれるでしょう。
そして始まる、
他愛もないおしゃべり、
楽しい時間――――
なろうで色々なお話を読むうちに、
(黒い竜の女の子のお話が読みたい!)
と思うようになりました。
けれど、検索してもなかなかニッチな希望通りの作品には出会えず……
『それならいっそ自分で書いてしまおうか?』
そんな単純な想いから生まれた黒ドラちゃんの物語。
正直なところ、こんなに長いお話になるとは思いませんでした。
古の森のみんなと、マグノラさん、ブラン、ラウザー、そして黒ドラちゃんと出会うたくさんの人や生き物。
わたし自身に新しい出会いがある度に、黒ドラちゃんの世界にも、新しい存在が生まれました。
新しい経験や想いが、黒ドラちゃんの新しい物語に繋がりました。
そして、現実の世界で辛いことや悲しいことがあっても、黒ドラちゃんのことを考えていると、自然と幸せな気持ちになって乗り越えて来ることが出来ました。
古の森の、いつでも春のような温かさと和やかさ。
そんな、黒ドラちゃんのいる世界が、自分の中にあるということが、私自身の支えになっていました。
とても楽しくて幸せな数年間だったと感じています。
北の山にはブランがいて石に魔力を注いで輝かせ、
南の砦にはラウザーやラキ様、リュングとタマちゃんがいて賑やかで、
白いお花の森ではマグノラさんがお昼寝しています。
スズロ王太子夫妻のそばでは、ゲルードとドーテさんが微笑んでいて
お城で働く食いしん坊さんは、ドンちゃんたちがお弁当を持ってきてくれるお昼を心待ちにしています。
放浪の吟遊詩人のアラクネさんはお話しを紡ぎ、
ケロールの国やキーちゃんのいるエステンを訪れては歓迎されています。
勇者のダンゴローさんは、今もどこかで金のスコップを大切に握りしめ、地味な大冒険をしているでしょう。
そんな世界を紡げる事が、とてもとても幸せでした。
古の森のみんな、私のところに来てくれてありがとう。
そして、その世界に足を運んで
感想を残してくれたり、
星の光を灯してくださる方がいることが、
本当に嬉しかった。
古の森に遊びに来てくださった方、皆様に心からの感謝を。
また、いつか、黒ドラちゃんたちが「冒険に出たい」と言い出すかもしれません。
どうぞ、その時まで
わたしと
みなさまの心の中の
エメラルドグリーンの湖が
変わらずに輝いていますように―――
ここまでお付き合いくださったみなさま
本当に本当にありがとうございます
ただひたすらに感謝です
(((〇〇〇ぶいん♪
2024/3/16 古森 遊




