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第60話「ヘレナの戦い(中編)」



「王国軍第2小隊です!」


 ハァハァハァハァハァ…ゼィィィと、息も絶え絶え…顔面蒼白のギルドの女性職員がパリッとした制服を着こんだ年嵩としかさの将校を引きって来た。


「無礼な奴めが、離せ!」

「エエから、はよ来い!」


 女性職員は死にそうな顔色の割に、表情は鬼そのもの。

 ここに来るまでに一悶着ひともんちゃくあったのだろう。


 職員と将校の雰囲気は一足触発いっそくしょくはつだ。

 しかし、ヘレナはそんな雰囲気など知らぬ! と、ばかりに将校に冷徹に言い捨てる。


「私は前線臨時指揮官のヘレナ・ラグダ。以下略なので、とにかく城壁で防戦に加わりなさい」


 ポカンとした表情の将校。

 しばらくボケらっとしていたが、言葉の意味が頭に染み渡ると、

「ふざけるな! 何の権限があって───」


 ピっと、サイン入りの命令書を突きつける。


 第1小隊長のサインだ。

 中隊長代理の任命権者として発せられた正式なもの。


「な、なんだこれは!? 中隊長はどうした!! こんなもん認めんぞ!?」

 ワナワナと震える将校に対して、ヘレナはどこ吹く風。

「そ? 正式命令だけど? たしか、王国軍では抗命こうめい罪は…」

 軍法会議ものだ。

「ぐ…、し、しかしだな! 中隊長の正式な命令がない以上…」

 グチグチと、なんとか逃げ口上こうじょうを探そうとしているのが見え見えだ。

「それは中隊長がここに来てからにしなさいな。今は第1小隊長の指揮下に入るのが命令系統上のすじでしょ?」


 なんでアタシが軍のことに口出ししなきゃならんのよ…と、ヘレナは不満そのもの。

 それでも、こいつらのケツを叩いて防戦しなければ正門はもたない。


「く…わかった! 今は行ってやる! だが覚えておけよっ」

 やっすい捨て台詞セリフを吐いて出ていく将校を、溜息ためいき怒気どきとで見送る。


「ったく、ロクでもないやつらばっかり…」


 ドッと疲れた表情で腰かけると、安物の椅子に深く沈み込むヘレナ。

 いつもは勝気かちきな表情も流石さすがに疲労が濃い。


 指揮を執るべき、老練な議員はいまだ誰一人として到着しない…というより、待っていても来ないだろう。

 どいつもこいつも保身と蓄財ちくざいに忙しいらしい。


 大手の商店もほとんどが空だ。


 武器くらい置いていけばいいものを、金目のものは洗いざらい馬車に積んで裏門側へ逃走したという話もある。

 実際、裏門は人々でゴッタ返していて、脱出には時間がかかるだろう。


 それ以上にキングベア共が無防備に出て来た市民を放置するわけもない。

 城壁から出たが最後、熊の腹に収まるまで追跡されるのは目に見えている…


 次の街まで無事でいられる保証などないのだ。

 うんざりとした顔で、職員が慌ただしく駆け回る様を見ていると───


 ワッと、城壁がきかえる。


 ───今度は何よ!?


 ガタンと音を立てて起き上がると、ノッシノッシと大股で城壁の方へ歩み寄る。




 …ファ──


 キーファ!


 キーファ、キーファ!!


 キーファ、キーファ、キーファ!!!!




「?? 何事よ?」

 事情が分からず、近くの職員を捕まえてたずねる。

 さっきまで死にかけの表情していた女性職員だ。


 第2小隊長を城壁の上まで引きって行ったようで、今はその帰りらしい。


「あ! ヘレナさん! き、聞いてください!」 

「だから何よ?」


 感極かんきわまった表情で言うのは、キーファの活躍だ。

 職員が言うには、城壁上から見下ろす地獄の光景のなか───


 はるか遠くで勇敢に戦う一人の青年がいたと、


 それがキーファ・グデーリアンヌ…

 聖騎士ホーリーナイトのギルド支部長──フォート・ラグダにその人あり、と!


「はぁ?」


 キーファが活躍ぅぅ?


「何の冗談よ…」

「ホントなんです!! 私見ました!!」

 興奮気味に語る職員。


 崩れた農家のそばで勇敢に立ち回るキーファを、

 人馬一体──馬を失おうとも闘志を損なわない雄姿を、

 強く恐ろしくも巨大なキングベア達のリーダーを、



 それを見事撃退して見せたキーファの活躍を!!


「キーファさんは凄いです! 愛馬を失ってもなお戦い──ついには、倒れ…危うく一撃で命すら落とすという時に…」

「時に?」


 スゥゥ…


「見事、必殺のカウンターをキングベアに放って見せたんです! 倒れ伏したのも隙を誘うためだったなんて!!」


 キーファがねぇ?

 正直、キーファの活躍なんて毛ほども信じられなかったが…目撃者もいることだし…何より士気が上がっている。


「で、キーファは?」

「キー・ファ・さ・ま、です!!」


 職員は何故か自信満々に、城壁上をピっと指さす。

 いや、アンタさっき「さん」言うてたやん。ま、ええけど。


 見上げるヘレナの目には満身創痍まんしんそういで、目もうつろなキーファの姿がある。

 自慢の剣も──馬も失い…どう見ても敗残兵だ。


 ふーーーん…?


 疲れ切った様子のキーファは、ヨロヨロと城壁を下りてくる。

 その姿を熱狂と共に迎えるのは市民たち。

 城壁上の衛兵に王国軍の兵士も喝采かっさいを浴びせる。


 結果はどうあれ、キングベアと一騎打ちをしていたのはまぎれもない事実だ。

 そのうえキングベアのリーダー格は走り去ったのだから、キーファをめたたえるのは間違いではない。


 誰もがそう思う。


 ヘレナをして、ねぎらってやってもいいかなと思うほどに…

 しかし、キーファはその喝采かっさいをうざったそうにして、かぶりを振り…空いたスペースに、ドサリと腰を落とすと瞑目めいもくする。


 疲れ切っているのだろうと、周囲に水や糧食を置くに留め市民たちは、再び拍手しそれぞれの仕事に戻っていった。

 まだまだ、キングベアの大群は撃退したとは言えないのだ。


 事情を聴取ちょうしゅしようとヘレナはキーファに歩み寄る、が───

 

 キーファの目はうつろで何を考えているか分からない。

 ボロボロの格好からはキツイ獣臭がする上に、生臭い血の匂いでむせ返りそうだ。


 一見して、

 体の傷はポーションでいやしたらしく、酷い傷はどこにもない。

 しかし…


 心がそこにはない。

 傷つき、ボロボロになり、疲れ果てた心の残骸があるだけだ。


 ブツブツと呟くのは何か───


 これは話ができるのか?

 そう思ったとき、

「はぁぁぁぁぁいでまぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!」

 グアシャァァンと、市民が差し入れてくれた水やら酒の入った瓶を殴り散らし叫ぶ。


 はぁぁいでまぁぁん?


 ハイデマン…


 ───…バズゥ・ハイデマン!!!??


「キーファ! ちょっとアナタ!」

 思わずキーファにつかみかかるヘレナ。

 聞き捨てならない単語が飛び出せばそうなるだろう。


 この緊急事態…最も頼りになる人物の名だ。

 当然だろう。


さわるなぁぁぁ!!」

 ドカァっと、女性に振るっていいはずのない力でキーファはヘレナを突き飛ばす。

 思わず息の詰まるような一撃を貰ったヘレナは、ゲホゲホとせき込みキーファを睨む。


「ぅぅくぅ…ィィファァ…」

 このバカチンがぁと、言いう前にキーファは立ち上がりフラフラと歩き去っていく。


「ま、…待ちなさい……」

 く…


 ゲホゲホ…!

 くそ!


「キーファァァァァ!!!」

 ハァハァハァ…

 呼び止める声が聞こえないはずがないというのに、キーファは振り返りもしない。


 どこへ行くというのか…キーファ・グデーリアンヌ!


 追いかけようにも、思ったよりもキツイ一撃だったようだ。

 足がガクガクと震え、動くのもやっとだ…


「ヘレナさん!?」

 職員が駆け寄りヘレナを抱え起こす。

「ど、どうしたんですか?」

 オロオロと集まる職員たちに、キーファを追うように指示しようとしたが…あのキーファの様子を思い出し、その指示を留まった。


 下手に刺激すればケガ人が出るかもしれない、と。

 それに、まともに話ができるとは思えない。


「なんでもないわ…」

 何でもないはずないだろう!? という職員の視線をサラリと受け流し、指揮に戻る。


 バズゥがここに来ている可能性があるだけでも救いになる。

 キーファのあの様子と、バズゥがどう関係しているのか分からないが…


 まだ、希望はある。


「武器は? 銃に弾薬はまだ?」


 キリっとした表情を取り戻すと、職員を押しのけて腰に手を当て指揮官然とする。


「じ、じきに来ます! さっき伝令が来て通路の開放を要求していました」

 む。それは朗報。

 通路を開けろと指示するほどに大量の武器が搬入されるのかもしれない。

「いいでしょう。その指示は最優先よ。目端めはしくものを連れて道路整理なさい! 今すぐ!」

「は、はぃぃ!!」


 バタバタと走り去る職員を尻目に、ヘレナは痛む箇所をごまかす様に揉みながら城壁に上がっていく。

 

 衛兵に───役立たずの王国軍も必死で防戦中だ。

 あぁ、今は役立たずじゃないわね…ごめんなさい。


「小隊長さん!」

 額に汗をし、弓を引き絞っている王国軍の第一小隊長に声を掛けた。

 彼は、実質この現場の最高指揮官にあたる。


 もっとも、戦闘にかまけていて全体の動きを見ていないため、ただの飾り…一兵卒になっている。

 指揮というか、そのフォローにはギルドの老練な職員がついて、さりげなく周囲に指示を与えていた。


「なんだ!」

 苛立いらだった様子で振りかえる小隊長に、つとめて感情を出さない様にヘレナは応対おうたいする。


「足りないものは? 水、糧食ならいつでも準備できるわ」

 気を利かせたつもりだが、

「足りないものだぁ!!?? んなもん全部だ、全部!!」

 

 グルルルルルォォォォォ!!!


 ズシィィン…ズシィィンと、正門がるぐ。

 傷ついた一頭の攻撃に終始しているため、さほど圧力は感じないが、それも防戦を続ける城壁の兵士の働き合ってこそ。

 攻撃の手を緩めればたちまち複数のキングベアが殺到するだろう。


「具体的に言って。武器は直に搬入するわ」

「分からん奴だな! 今すぐ必要だ。水も糧食もいらん! 矢が足りない、槍が足りない、石が足りない! 兵も士気もやる気も何もかんも足りない!!」

 悲鳴を上げるように騒ぐ小隊長に、周りの兵が動揺したように顔を見合わせる。

 

 正門が落ちれば、たちまち窮地きゅうちおちいるのは彼らなのだ。

 それも分からず兵の前で怒鳴り散らすこの男…


 いや、最初から経験不足は分かっていたはずだ。だから補佐を付けたし、最初から飾りだと考えて運用していた。

 ヘレナの声のかけ方がまずかったのだろう。


「そうね…わかったは今すぐ(・・・)搬入するわ」


 もちろん今すぐは無理だ。

 だが、じき届くのは間違いない。

 ならば、多少のタイムラグなど誤差の範囲。今はこの場を穏便に済ませる方がいい。


「そうか! 助かる…」

 小隊長は存外素直に応じる。

 本当に、彼は彼なりに街の防衛を案じていたのだろう。

 そして、実際に防戦して危機感を感じているのだ。


「えぇ、職員には指示を出してあるわ」───嘘だけど。

 いずれにしても、武器が届けば職員が協力して搬入することは間違いない。

 指示をしていないだけで、武器が届くという結果は同じだ。まるっきりの嘘でもない。

「それより…結構仕留(しと)めたのね?」

 城壁の下は地獄だが…地獄の獄卒も無傷ではない様だ。パッと見ただけで10は下らない数が死に絶えている。


「いや…あれは我々ではない。同士討ちか何かで死んだんだ」

 …同士討ち?

 キングベアが?

「どういう事?」


 聞けば、正門に取りついていたキングベアの大半が、突如死に絶えたという。

 突然、頭が弾けたものだから──仲間の制裁でも受けたのだろうと考えているそうだ。


 そんなことあり得るのか…

 疑問に感じたヘレナが、更なる質問を重ねようとした時、


「ヘレナさん! お待たせしました!」

 汗だくの職員が、城壁下から武器の詰まった木箱を運び上げている。

 刻印こくいんは王国軍のもの。

 眼下を見れば、大型馬車が何台も!


 さらには……


「た、大砲じゃないの!?」


 王国軍が死蔵していたらしい大砲を搬入していた。

 フォート・ラグダは平和も平和…こんな事態など想定していないものだから城壁上には大砲なんて常時配備しない。

 精々(せいぜい)祝儀に礼砲を撃つくらいしか用事がないものだから、倉庫の奥で文字通りほこりをかぶった状態で放置されたいたらしい。


 大昔ならズラッと城壁に並べていたかもしれないが、今は倉庫の中で車輪を取り付けた状態でびるに任せてあったとか…


 型も古く、何年製の大砲なんだか知れたものじゃない。


 でも、


 大砲は大砲だ。

 威力は抜群。

 直撃しなくとも榴弾の爆発と破片は、キングベアとて引き裂くだろう。


 それが4門も!


「いいじゃない! 気が利くわね!」

 ヘレナの滅多に褒めないソレを聞いて照れくさそうにする職員。


「で…操作員は…?」


 ……


 …


「ファァァァァッァ〇!!!」


 ドカスンと運び込まれた武器の木箱を切り飛ばすヘレナ。


 怒鳴るのも、無理はない。

 王国軍に聞けば、支援火器である大砲は中隊本部に集中配備されており、もっぱら彼らの専門であったという。

 つまり、砲兵達は中隊本部所属で───とっくに逃げ散った後だという。


 かろうじて老練な下士官の数名が何度か触った(・・・・・・)ことがあるという。

 もう一度言う。

 何度か触った(・・・・・・)である。扱ったなどではない。


 作業員として狩り出されて、大砲を祝典の場に引っ張り出すくらいはしたと言う…が。


「い、一応荷運びをしていたので、間近で発射までの手順は見ておりました」

 連れてこられた先任下士官がしどろもどろ(・・・・・・)になりながら答える。

 下士官の割に緊張感がなく、事務屋のオジサンといった感じだが……これでも後方地域の留守番部隊としては、まだ精強な部類に入るというのだから…


「で? 使えるの!?」


 詰め寄られると、首をすくめながら恐々(こわごわ)とヘレナに応対する。


「き、基本は銃と同じです…少々デカいのと、遠距離まで狙うとなると弾道の計算が必要で…その」

 なるほど、要は撃つことはできるが、遠くまで狙って当てるのはできないと言っているのだ。

「いいでしょう。どうせ狙いと言っても、眼下に向かって撃つだけです──それならできるわね?」

 いつの間にか小隊長の立ち位置を奪い、兵士に詰問しているヘレナ。

 しかし、誰もかれもそれに疑問を挟まない。


「で、できます。やります。やれます!!」

 ヒィィとばかりに下士官が答える。


「よろしい。貴方は数名を連れて大砲を運用。どうせいきなり4門全ては無理でしょう?」

 コクコクと頷く兵に、頭を抱えつつ、

「最初は貴方が砲を指揮なさい。あとは手隙で銃を扱ったことがある者、力持ちは、彼の支援を──そして、扱いを習熟しなさい! 覚え次第、逐次ちくじ大砲を運用します」

 ヘレナの無茶ぶり…


 本来何ヶ月もの訓練を要する砲兵の育成をこの場でやってのけようというのだ。


 確かに、撃つだけならやり方さえわかれば素人にもできる。

 だが、火薬類…特に大砲の運用は多大な危険を伴う。

 

 火の取扱、薬量計算、榴弾の信管の操作など…素人が手を出せば恐ろしい事態になる。

 

 だが、ヘレナは構っていられなかった。

 見る間に、キングベアは城壁に取りつき、今にも正門を突破しそうだ。


 兵は善戦しているが、城壁上からできるのは遠距離武器の攻撃に終始する。

 ソレでは威力が足りないのだ。

 矢では弾かれるかそもそも皮膚にする達していない。


 槍は多少なりとも効果があるようだが、投げて使えばそれっきり。

 石なんかも直撃させれば中々の威力だが、殺すには至らないし、デカい石でなければ効果はない。

 ───そして、デカイ石など早々簡単に搬入できない。

 

 と、


 まさに八方塞はっぽうふさがりである…


 くそ…

 どいつもこいつも使えない。


 ヘレナは爪をガリガリと噛みながら苦々しく戦闘を見守るしかない。

 くそぉ…


 バズゥ・ハイデマン───…どこにいるのよ!?


 やはりキーファから詳しい話を聞くべきだったか…

 今さらながら後悔するヘレナだが、行ったところで始まらない。

 今は目の前の出来事に集中しなければならない。


 一個一個対処を積み重ねていくのだ。

 頼りない市議会のじじい共に、使えない王国軍…無駄飯()らいの冒険者ども!

 


 どいつもこいつもぉぉぉ!!!

 ファッァァァァァ〇! と城壁の縁を蹴り飛ばそうとしたとき───


 

「ヘレナさん! 銃が届きました!!」


 これまた汗だくの職員が、雑多な銃と火薬を抱えて城壁に駆け上てくる。

 眼下では息も絶え絶えになった職人たちが今も急ピッチで銃の整備をしている。


 そのうちの整備終了分と、市内でかき集めた銃、そして大砲にも使う火薬類が続々と搬入される。


 間に合ったか!?


「小隊長さん!」

心得こころえた!」


 若い小隊長は、銃を受け取ると、手隙てすきの要員やら銃の扱いに慣れた兵士に次々と手渡していく。

 一応、王国軍は銃の扱いが出来るものは、それなりの数がいるようだ。


 というよりも、覇王軍との戦争で、とくに前線で役立たずの銃士ライフルマンなんかは順次後方地域の近接歩兵と入れ替えられつつある。

 魔族相手に銃は効かないというのは、もはや常識なのだ。


 その点でみるに、バズゥ・ハイデマンという存在は前線において異様な存在だった。

 いや、今そのことはどうでもいいだろう。


「よし、各員装填次第、順次発射ぁぁ!!!!」


 威勢いせいよく、銃を扱う小隊長に、兵士達。

 存外ほとんどが銃士なのかもしれない。


 どおりで戦闘が下手へたくそで、指揮も練度も低いわけだ。

 適材適所というもの。

 最初から銃を扱わせていればもう少しマシだったのかもしれない。


 ───ならば、最初から銃を持ってこい!

 あと、ちゃんと整備しろぉぉぉ!

 というヘレナの心の叫びなど誰も聞かずに…


 パンパンパパパッパパッパッパンンッパッパンパッパパン───





 物凄い硝煙の匂いが立ち込め、城壁が真っ白に染まった。








エライ人には…酷い人しかいないのだろうか…


攻防戦はさらに佳境を迎えていきます!


ヘレナの姐さんもさらに奮闘!!


バズゥの銃もさらに隠し機能? が??


相変わらずの遅筆で遅い展開…申し訳ない;;





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