第五十四話 「誰がためにミレスが成る(前編)」
「ぐぁあああ!」
ミレスは苦悶の声を上げた。
「ふふ、まだ終わらないよ。アンタは魔王様一の家臣にして、六魔将最強のアタイに恥をかかせたんだ。たっぷり罰を与えないとね♪」
ルクセンブルクは瞼から流れる血を舐めとり、無邪気に笑う。
そして、殴られる、蹴られる。肉を抉られ、骨を砕かれる。
思うがままにリンチを受けた。
暴行を受ける度に、私は絶叫を上げる。
もちろんルクセンブルクの攻撃を受けたせいではない。スイッチを押した際の激痛によるものだ。
スイッチはエビーンズに拷問を受け、死ぬ思いをしてやっと押せた。
高位人間になり、精神力、体力ともに前とは比較にならない成長を遂げた。
普通に軍隊の特殊部隊の拷問程度では、びくともしない鋼の肉体と精神力を有している。
ただ、そんな高位人間でさえ、スイッチを押すのだけは別物だ。
あの魂を削るような痛み。
スイッチの一つや二つならともかく、大量のスイッチを押すにはどうしても自力ではない手助けが必要だ。
痛みには痛みで相殺する。
本当、こいつには感謝しないといけない。
ルクセンブルクはその残虐な性格のせいか、苦鳴を上げさせるのが上手い。どこを壊せば、苦痛が大きいか熟知している。
今も腹に容赦なく拳を叩き込んできた。
血反吐が出る。
内臓を抉るような攻撃だ。
骨まで達している。
はぁ、はぁ、はぁ。
ルクセンブルクは傷口に手を突っ込み、中をぐりぐりとかき回す。
傷口に塩を塗るような邪悪な行動だ。
戦士の誇りもない反吐が出そうな行動である。
だが、それがいい。
おかげで、ほら、スイッチをダブルで押せた。
少し口角が上がる。
「なーに、笑ってんのよ!」
ルクセンブルクに蹴り飛ばされる。衝撃で右足がふっとび千切れた。
はは、またか。
よく千切られるなぁ。
闇衣で右足を修復した。
激痛が走るのに合わせて、さらにスイッチを押す。
はぁ、はぁ、はぁ。
こ、これでスイッチを……じ、十個、お、押せた。
け、結果は?
身体に、ほとんど変化はなかった。
調査魔法をかけるまでもない。
私にはわかる。
無駄とはいえないが、微々たる成長だ。
なら、まだまだ押さなきゃね。
攻撃をしかける振りをしながら、ルクセンブルクから反撃をもらう。
反撃を受けた痛みでスイッチを押す。
繰り返す。
何度も何度も、我慢比べだ。
「ねぇ? そんなにがんばって楽しい? アンタに勝機はまるでないのに。まぁ、アタイは楽しいからいいんだけどさ♪」
ルクセンブルクは嬉しそうだ。
活きのいい獲物をいたぶれるのだ。
さぞ爽快なんだろう。
私の肋骨を折り、両手の指を一本一本へし折るたびに嬌声を上げる。
私は、その痛みを受けるたびにスイッチを押す。
「ねぇ、死なないでよね? まだまだやることはた~くさんあるんだから♪」
ルクセンブルクは嗤う。
憎らしいほどの笑顔だ。
その顔がムカついたから、押す!
ぐふっ!
脳の血管が切れたかのような激痛だ。
苦しい。
咳き込む度に吐血する。だが、押せた。
「キャハ♪ なになに? もしかして内臓イッちゃった?」
憎らしいほどの笑い声だ。
その甲高い声がむかついたから、押す!
ぐはっ!
内臓が破裂したかのような衝撃だ。
苦しい。
全身から血が噴出する。だが、押せた。
はぁ、はぁ、はぁ、これでいい。
気が遠くなるほどの激痛より、こいつの言動のほうが刺激的だ。
痛みよりも、頭が沸騰するほどの怒りが上まっている。
私の最も大切な存在を汚そうとするその態度が、こいつの存在そのものが、許せない!
……
…………
………………
どれだけ拷問を受けただろうか?
スイッチの押下は、とうに百を超えている。
正確に言えば、百三十一回、スイッチを押した。押し続けた。
だが、結果は同じである。微細な変化だ。
まずい。
ルクセンブルクは、手加減をしている。
簡単に死なれたくないからだ。
でも、そろそろ限界だ。
手加減をしているとはいえ、魔人の中でも最強クラス、六魔将の攻撃を受け続けたのだ。
蓄積したダメージが、そろそろ限界だと教えてくれる。
まだ進化していないのに、先に私の命が終わる。
「はぁ~なんか飽きちゃったな。そろそろ殺そうか、キャハ♪」
ルクセンブルクの興味が尽きてきている。
なんとか。なんとか。
まだ、殺されるわけにはいかない!
「はぁ、はぁ、な、な~に、そ、その程度でお、終り?」
「……頑張るね。でも、もう飽きちゃった。殺すわ」
「わ、わたしに、はぁ、はぁ、絶望を味あわせるんじゃ、なかったの?」
肺が潰れて、話すのも苦しい。
口調が途切れ途切れになりながらも、ルクセンブルクを挑発する。
「はぁ~そのつもりだったけど、アンタしつこすぎ。アタイは暇じゃないのよ」
「ふ、ふっ、あはは、はぁ、はぁ。さ、さすがはあの魔王の部下だ。人間一人、思い通りに、こ、殺せない。わ、私はこれっぽっちも絶望を、感じていない、のよ。はぁ、はぁ、天下を取れなかった魔王にピッタリ、の部下ね」
「……もう一度言ってみなさい」
ルクセンブルクの表情が変わった。
挑発も過ぎると相手が冷静さを失い、やりすぎを引き起こしてしまう。
それは逆効果だ。
思い余って殺されるわけにはいかない。
話を誘導させる。
「はぁ、はぁ。ね、ねぇ、じゃああんたが優秀な部下なら、魔王が、そ、それだけ凄いなら、はぁ、はぁ、私を屈服させてみなさいよ。魔王一の部下なんでしょ?」
「おかしいなぁ。アンタ何を企んでいる?」
ルクセンブルクの目が細まる。
少しあからさますぎたか?
殴られすぎて、血を流しすぎて、緻密な思考ができなくなってきている。
ルクセンブルクは疑っている。私の周囲を歩き、おもむろに顔面を鷲掴みした。
「はぁ、はぁ、なにを……」
「アンタ、少し能力上がってない? よくよく調査しないとわかんないぐらいの変化だけどさ」
冷や汗が流れた。
ルクセンブルクは核心に迫ってきている。
「はぁ、はぁ、だから、何? そ、それより、わ、私の質問に答えなさいよ。はぁ、はぁ、屈服できないのか、って聞いてんのよ!」
「こ、この! いや……そうか、くっははははは! そういうこと? 確か進化の演算装置だったよね? あのカミーラちゃんならやりそうなこと」
ルクセンブルクはその場で大笑いをする。
どうやらスイッチの件がばれたみたいだ。
「道理でやけに絡んでくると思った。独りで押すの辛いものね? アタイの攻撃を利用してたのか」
「え、えぇ、今頃わかっ、た? はぁ、はぁ、ま、間抜けね」
「てめぇ! っとまた痛みでスイッチを押されたとこだった。危ない、危ない」
ルクセンブルクは、蹴りだそうとした足を止めた。
そして、一瞬だけ逡巡した後、ニンマリと嗜虐の笑みを浮かべる。
「殺しちゃおうか?」
「うっ」
一瞬で顔を白く青ざめる。
それを一番恐れていた。この邪悪の塊のような女なら、私が最もされたくないことを、嬉々としてやるだろう。
ガチガチと歯が鳴り、震えるのがわかる。
死が恐ろしいのではない。
私が死ねば、こいつを止められない。
こいつは、必ず私の最も大切な人を殺す。壊して無残に晒す。
確信を持って言える。それがわかっているから恐ろしいのだ。
「キャハ♪ それよ、それ。その顔が見たかったのよ。やっと絶望の色を出してきた。死んだら今まで頑張った分が無駄になるもんね♪」
「はぁ、はぁ、し、死ね」
「あぁ? お前が死ねよ」
ルクセンブルクが稲妻のような速度で蹴りを繰り出す。
視認できない。
回避できない。
何より大怪我を負いすぎて、身体を動かせない。
「――っ!」
思わず目を瞑る。
ほんの瞬きの間に突進してきた蹴りだ。あれを喰らえば、身体はバラバラに砕け散る。
「やっぱ違う」
ルクセンブルクは、私に当たる寸でのところで再び蹴りを止めた。
「うん、アタイにとって死は慈悲なんだよね。何度も魔王様を侮辱したアンタをさっさと殺すのは甘すぎる処置だ。かといってなぶるのは、こいつの思惑通りででシャクだし……どうしようかな?」
ルクセンブルクはしばし考え込み、そして、ニタリと下種で邪悪な笑みをその顔に浮かべた。
「いいこと思いついちゃった♪」
ルクセンブルクが嗤う。
こいつが嗤う時は、ろくな考えではない。
「アンタの性格はだいたいわかっちゃった。自分の痛みより他人の痛みを感じるタイプでしょ? だから、アンタは拷問しない。た・だ・し、他の人間を殺そう」
「くっ!?」
「キャハ♪ やっぱり女子供がいいかな? そのか細い首を切り落として、アンタの眼前にピラミッド上に積み上げるの。ねぇ、楽しいでしょ」
「はぁ、はぁ、そ、そんなことは、ぜ、絶対に、さ、させない」
スイッチを押した後遺症が全身を襲っている。
体中から血が噴出し、目から血を流しながらも、ルクセンブルクを睨みつけた。
ルクセンブルクはその様を見て、愉悦に満ちた表情を見せる。
「くっく、やっぱこれが一番こたえるみたいね。無力で見ているしかできないアンタの前で~ピラミッド型に積んで、頂上にはあの女の生首を添えてやるの。魔王様の力を不敬に使っている勘違い女を八つ裂きにして晒してやるわ」
あの女って……ティレアさんのことか!
憎しみの炎で身体が焦がれそうだ。
ティレアさんにそんな無体な真似はさせない。
我が神にそんな地獄を、我が太陽にそのような影を差し込んでたまるか!
押す、押す、殺す、押す、殺してやる!
スイッチを生成しては押す、押す、押す。
痛みも苦しみも知ったことか!
独りで押せない?
相手の攻撃を利用する?
何を甘えたことを言ってたのか!
もう壊れたっていい。
押す、押す、押す……。
それ以外の動作はしない。
考えるな。
数十、数百とスイッチを作っては押す。
痛みが、激痛が、魂を引き裂く感覚が、断続的に、連続的に、発生する。
激痛が身体中を走り回った。
「うっ、うぐぅあああああ!」
身をよじって、地面をのたうちまわりそれに耐える。
「ふふ、頑張るね。アタイに勝つにはそれしかないもんね。でも、いいこと教えてあげようか?」
ルクセンブルクは、地面に横たわる私にしゃがみこんでささやく。
何を言う気だ?
何を言われようと私の意志は変わらない。
「あのさ、その進化の演算装置って奴。古の時代に魔王軍の研究所で研究してたのよ。捕らえた人間や亜人を使ってさ。当初は、カミーラちゃんも研究にかかわってたみたいだけど、飽きちゃったのか途中でやめちゃったらしいよ。でも、残りの職員で研究を続けていた」
ルクセンブルクは、当時の魔王軍研究所の話をする。
人間を捕らえて無理やり進化させたり、他生物と融合させてキメラを作ったり、ようは人体研究をしていたらしい。
「で、研究所が出した結論、高位人間以上、人は進化しない。頑健な被験者、英雄級の人間だね。そいつに薬や高位魔法を使って、無理やりスイッチを一万回以上押させたらしいんだよね。当時の最高水準の環境だからこそできた実験。くっく、でも実験は失敗。そいつ最後は発狂して塵になっちゃったって。キャハ♪ どう? アンタ今まで何回押した? 百回? 二百回? プッ、無駄な努力ご苦労様。でも、諦めないんでしょ。今のままだとアタイを殺せないもんね~頑張ってね」
ルクセンブルクは、研究結果を知っているのだ。
だから余裕がある。
自分を殺せる領域に至れないと、当時の研究所が明言しているのだ。高位人間以上の進化はできない。
それはカミーラ様も仰っていた。
現在、八百二十三回スイッチを押している。
結果は微細な変化のみ。
そうか……一万回押しても無駄なのか。
「……回試し、たの?」
「アハッ、朦朧として聞こえなかった? なら何度でも言ってやるよ。スイッチは、一万回以上押してもダメだった。ふふ、絶望した? 自殺したくなった? でも、だ~め。アンタは生き地獄を味あわせてやるって決めてるもの」
「……回試し、たの?」
「あれ、壊れたかな? 最高の絶望を味あわせるために、正常でいてもらわないと困るのに。ポーションでも飲ませるか」
「だから一万回を何回試したって聞いてるのよぉ!!」
魂を搾り出した大声を出す。
冥獄という場所があるらしい。
それは、ありとあらゆる苦痛を一万年かけて与え続けられ、それを一万回繰り返したという。
本当にアンタには感謝しないとね。
当時の研究者は一万回スイッチを押させたという。
それを何回繰り返したのだろうか?
一回? 二回? せいぜい十回ぐらいか?
ならば私は一万回スイッチを押し、それを一万回繰り返そう。
冥獄に行かねば、進化できない。
ならばやるしかない。
死よりも、苦しみよりも、私はやらねばならないことがある。
私は呪文を紡ぐ。
「I am the bone of my switch. My whole life was "ten thousand of switch works"」
そこは、スイッチの墓場。
数千、数万ものスイッチが並びそびえる。
スイッチの屍達。
「なっ!? こ、この事象、アンタ本気?」
ルクセンブルクが驚愕している。
これだけのスイッチを見たことがないのだろう。
狂人を見るかのような視線を向けてきた。
もちろん本気だ。
ここで、神を救わねば、わが生涯に意味はない。
この身体は一万のスイッチでできている。
さぁ、押せ。押すのだ。
身体に設置した一万ものスイッチが一斉に入った。
自分の身体が今までにない速度で作り変えられていく。
……
…………
………………
スイッチスイッチスイッチ。
押す、押す、押す、押せない、押す、押せない、押す? 何を、アハハハハ、ギャハハハハハハハ、アバババババババアバ。
うひゃうあうあうあうあう。
押せない、押せない、押せない。涎を垂らしながら、ふらふらと崩れ落ちる。
もうわけがわからない。
「キャハ♪ やっぱりねぇ! バッカじゃないの! あれだけの数の演算装置を押すなんて、魂ごと消滅してもおかしくなかったよ。まぁ、でもさすがに精神が持たなかったみたいね。やっと壊れてくれた。でも、許してやらな~い。安心して。強制的にアタイが正常に戻してあげる」
頭は狂っている。
もう言語も認識できていない。
そのはずなのに冷静に自分を観察する自分がいる。
そいつがスイッチを「押せ!」と繰り返す。
その指示に従う。
何をしているかわからない。もう自分が何者なのかもわからない。ただ単に脳からの電気信号を受け取り、それを動かす。
スイッチ、押す。
スイッチ、押す。
意味はわからない。
たびたび発生する激痛も、ただの脳からの電気信号だ。様々な電気信号を包括し、それを発散する。
スイッチ、押す。
スイッチ、押す。
ただ、その作業ルーティンの中で波紋が広がる。
女の声だ。
下卑で醜悪な声。
それを聞いたとたんに、熱い思いが胸のうちに広がった。
それは確かな異物だ。
凶悪で卑劣で速やかに除去しなければならない。
そ、そうだ。
テ、ティレ、アさ、ん、ま、守る、絶対、守らないと。
わ、私の太陽、か、神を。
失いかけてた自我が戻る。
押す、スイッチ、押す、スイッチ、押す。
押せない、押す。押せない。押す、押せない。
「あぁ、早くしたいなぁ。このままじゃ魔王様がおいたわしすぎる。クソッタレな人間の魂が同居しているなんてひどすぎるよねぇ。早くクソ虫を引きずり出して、さんざんに壊してあげたいな。キャハ、安心して。アンタには、それを特等席で見せてあげる」
あ、あの女、何を言った?
わ、私の大切な、神を、太陽を、壊すと言った。
最大限に、侮辱した!
ゆ、許せな、い。
あの、ティレア様、笑顔を、守る。誰にも、壊させ、やしない。
邪悪な、もの、から、悪意から私が、私が、守る、んだ。
頭が今までにないぐらいに沸騰する。
マグマの如き怒りが充満した。
押せない、押せない、押せない、押せない?
理性が「限界だ、押させるな!」と制限をかけている。
身体の防御反応が訴え続ける。
押させるな、押させるな。押させるなと。
い~や、もう私の堪忍袋も限界だ。
押すね!
もう数えられない。
数という概念も消失してしまった中、特大のスイッチを押した。
身体の防御反応を無視し、押す。押し込んだ。
今までにないぐらい巨大な激痛。
全身の血が沸騰し、びくん、びくんと脈打つ。
身体が大きく痙攣する。
思わず絶叫する。
うぐぁあああああああああああああああああああああ!
あぐ、ぐぁあああああああああああああああ!
ぎゃ、ぐああああああああああああ!
あげぇあああああああああ!
あああああああ!
ああああ!
あ!
あ!
あ!
あ。
あ。
あ。
あ、もう少しで嵌る。
もう少しだ。
ボタンを掛け違えているような違和感。
人類が進化していく過程で忘れた何か。
獣人もエルフも魔人さえも持ちえてない、人間しか持ち得ない暖かくて尊いもの。
そして……。
ピコンと細胞に波紋が広がる。
カチリとピースがはまった。
私の身体を司る細胞一つ一つが伝える。
人類が歩んできた歴史を、育んできた営みを。
獣人のような腕力もない。
エルフのような魔力もない。
当然、魔族のような戦闘力も皆無だ。
群れることでしか力を見せない弱き人間。
それでも、人間は諦めない。
学習し、反省し、未来に繋げる。
親から子、子から孫へと伝える。
その知識も英知も思いも信念も悪意も葛藤も、何もかもが先祖から受け継いできた偉大な財産だ。
涙が頬を伝わる。
私、わかった。わかったよ。
人ってこんなに素晴らしかったんだ。
私、どこかで卑下していた。
戦闘では魔族に敵わないって。
人間は武器を持ってやっと獣と対峙できる脆弱な存在だって。
違う。違うんだ。
前提が間違っていた。
相手が魔族だろうと、六魔将だろうと、魔王でさえ関係がない。
立ちはだかる敵は、打ち倒す。
どんなに困難で難しい問題であろうともクリアする。
だって人は無限に成長し続ける生き物なんだから!
いつのまにか全ての傷、欠損が復活していた。
その心には無限の勇気が注ぎ込まれている。
私は立ち上がり、詠唱する。
回路展開 OK
魔術解放 OK
……
…………
………………
条件は満たされました。
脳内にキーワードが表示される。
【人間女王に進化できます。進化しますか?】
ピッ→Yes No
Yesを選択した。




