たそがれ④〜気が早い話だけれど☆ミ〜
いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ
落下して消滅してしまう星☆ミ
そんな終わりに向かう星で☆ミ
落下星人の少女『ナツ』と
落下星犬の『ピーちゃん』は、
昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、
今日も一人と一匹で散歩する。
「…ねぇ。ピーちゃん…」
「ワゥUo・ェ・oU?」
「…気が早い話だけれど…」
落下星人の少女『ナツ』が隣をテクテクと歩く落下星犬の『ピーちゃん』に囁く様に訊ねる。
「…ピーちゃんは…最後の日に何をしたい?」
「|……ワゥUo・ェ・oU《最後の日?》?」
トボトボと隣を歩く飼い主の少女を不思議そうに落下星犬の『ピーちゃん』はテクテクと歩きながら見上げる。
「…そう…最後の日」
何時もの昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原に座り落下星人の少女『ナツ』は呟く。その額には落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角がセンターパートの前髪からピョコンと生えている。
「…ほら…また…一日減っている……」
落下星犬の『ピーちゃん』にも同じ様に広い額から落下星犬の証であるピーナツと呼ばれる触角が生えていて、不思議そうに飼い主の少女が指し示したオレンジ色の何時も夕暮れ時の黄昏た空を見上げた拍子に揺れている。
見上げた先に浮かぶオレンジ色の雲と奇妙な数字の羅列。
「…落下するまで…後、169日…」
オレンジ色の雲と奇妙な数字の羅列を見つめて|落下星人の少女『ナツ』が独り言の様に囁いた。
「…私は最後の日も此処で、ピーちゃんと一緒に黄昏て居たいなぁ…」落下星人の少女『ナツ』は、チョコンと隣に座り自分を不思議そうに見上げる飼い犬の広い額を優しく撫でてやる。飼い犬の落下星犬の『ピーちゃん』は「キュウーンUo・ェ・oU」と嬉しそうに鳴いた。
「ワウUo・ェ・oU」
「ふふーピーちゃんが、居てくれて良かったー」
飼い主の少女落下星人の少女『ナツ』と飼い犬の落下星犬の『ピーちゃん』は、一人と一匹で何時もの昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原で仲良く微笑みあった。
「…ずっと…この黄昏時が続けばよいのに」
オレンジ色の夕暮れの空に落下星人の少女『ナツ』の小さな呟きが遠く溶けて黄昏時に消えていった。
たそがれ④〜気が早い話だけれど☆ミ〜
落下するまで169日☆ミ




