たそがれ〜㊴何でオレンジ色なのかな?☆ミ〜
いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ
落下して消滅してしまう星☆ミ
そんな終わりに向かう星で☆ミ
落下星人の少女『ナツ』と
落下星犬の『ピーちゃん』は、
昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、
今日も一人と一匹で散歩する。
「ねぇ。ピーちゃん」
「Uo・ェ・oU?」
「前に太陽が昇るのも沈むのも辞めたって話たでしょ?」
「ワウUo・ェ・oU」
「何でオレンジ色なのかな?」
何時もの昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原に座り落下星人の少女『ナツ』は呟く。その額には落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角がセンターパートの前髪からピョコンと生えている。
「Uo・ェ・oU?」
「そう…空の色…夕暮れは、何でオレンジ色なのかな?」
「ワウUo・ェ・oU」
「チリ?…ああ…この何だか砂埃みたいな物質のこと?」
「ワウUo・ェ・oU」
心配そうに飼い主の少女を見上げ訊いてくる落下星犬の『ピーちゃん』にも同じ様に広い額から落下星犬の証であるピーナツと呼ばれる触角が生えていて小首を傾げた拍子に揺れている。その『ピーちゃん』の広い額を優しく撫で、そして飼い主の少女『ナツ』は、答える。
「…そうだねぇ…確かに、何だが息苦しいし。喉もイガイガするし。目もシパシパする…体に悪そうだね…」
「クゥンU´꓃`U」
「ピーちゃん大丈夫?」
「クシュU´꓃`U」
飼い主の少女『ナツ』は、飼い犬の『ピーちゃん』のムズムズお鼻を優しくハンカチで拭う。
「クシュU´꓃`U」
「ん?オレンジ色?」
「クシュU´꓃`U」
「…ぅん…そぅだね」
《134》オレンジ色の空に浮かぶ奇妙な数字の羅列は、この落下してゆく星の落下する期日を示している……。
現在この落下してゆく星の大気はオレンジ色の砂埃(無数のチリ)により汚染されつつある。このオレンジ色の砂埃(無数のチリ)により空はオレンジ色に包まれた。そして軈て、この星に住む。落下星人や落下星犬の体をも汚染してゆく。
たそがれ〜㊴なんでオレンジ色なのかな?☆ミ〜
落下するまで134日☆ミ




