たそがれ〜㉘苦手なお勉強ある?☆ミ〜
いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ
落下して消滅してしまう星☆ミ
そんな終わりに向かう星で☆ミ
落下星人の少女『ナツ』と
落下星犬の『ピーちゃん』は、
昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、
今日も一人と一匹で散歩する。
「ワンUo・ェ・oU」
「なぁに?ピーちゃん」
「ワンUo・ェ・oU」
何時もの昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原に仲良く並んで座り。落下星犬の『ピーちゃん』は、飼い主の落下星人の少女『ナツ』に訊ねる。
「…苦手なお勉強かぁ…お勉強は、大体…苦手だけど…」
何時もの夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色の空を見上げ飼い主の少女『ナツ』は、落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角をセンターパートの前髪からピョコンと揺らして考え込むように呟く……。
「…特に苦手なのは、道徳のお勉強かな…」
「ワンUo・ェ・oU」
落下星犬の『ピーちゃん』が広い額からピョコンと生えている落下星犬の証であるピーナツと呼ばれる触角を揺らして飼い主の少女『ナツ』を見上げ不思議そうに小首を傾げる。
「…そう、心のお勉強…」
「ワンUo・ェ・oU」
オレンジ色に染まる空を飼い主の少女『ナツ』が、指を差して言う。指を差した先には…《145》奇妙な数字の羅列…この落下してゆく星の落下する期日が、不気味に浮かんでいる。
「落下星の教えー隣のピーナツを愛しなさいー」
「ワンUo・ェ・oU」
「そう隣のピーナツ私の場合はピーちゃんの事だね」
「ブンブンU^ェ^U♪」
「そうだね♡ピーちゃんは私の隣のピーナツだね♡」
「ブンブンU^ェ^U♪」
「うん♡私はピーちゃんをア・イ・シ・テ・ル♡」
飼い主の少女『ナツ』は、隣に座りブンブンと小さな茶色い尻尾をゴキゲンに振る飼い犬の『ピーちゃん』を膝に抱き上げて、落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角を『ピーちゃん』の額から生える落下星犬の証であるピーナツと呼ばれる触角に……そっと、くっつける。
其れは、落下星人の愛の証。
其れは、落下星犬の求愛の証。
「…ピーちゃんみたいに…好きで隣に居る相手を愛する事は出来るのだけれど…ただ偶然、隣に居た。其れだけの相手を愛する事は、とても難しい事だと思うの…其れが出来たら争い事って、無くなったりするのかなぁ……」
生暖かい風が『ナツ』の独り言の様な小さな声をオレンジ色の空へと運んでいった。
たそがれ㉘〜苦手なお勉強ある?☆ミ〜
落下するまで145日☆ミ




