たそがれ〜㉖後は?…歴史のお勉強とかかな…☆ミ〜
いつかのどこかの遠い遠い星☆ミ
落下して消滅してしまう星☆ミ
そんな終わりに向かう星で☆ミ
落下星人の少女『ナツ』と
落下星犬の『ピーちゃん』は、
昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手で、
今日も一人と一匹で散歩する。
「ワンUo・ェ・oU」
「なぁに?ピーちゃん」
「ワンUo・ェ・oU」
「ふふっ、お勉強のお話だね」
「ワンUo・ェ・oU」
「後?」
「ワンUo・ェ・oU」
何時もの昇ることも沈むことも辞めた太陽が照らす。
夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色に染まる河原に仲良く並んで座り。落下星犬の『ピーちゃん』は、飼い主の落下星人の少女『ナツ』に訊ねる。
「ーうんーあるよ……」
何時もの夕暮れの黄昏時しか存在しない土手のオレンジ色の空を見上げ飼い主の少女『ナツ』は、落下星人の証のピーナツと呼ばれる触角をセンターパートの前髪からピョコンと揺らして考え込むように呟く……。
「後は…歴史のお勉強とかかな…」
「ワンUo・ェ・oU」
「…そう…歴史のお勉強」
「ワンUo・ェ・oU」
「…そう…この落下星の歴史だよ。前に少し話したよね…この星には、落下星人とアラレ星人と言う二つの種族が共生していて、最初はアラレ星人が6割。落下星人が4割の比率で共生していた。軈て、アラレ星人が7割。落下星人が3割になって、まだ…太陽が昇るのも…沈むのも…辞めてなかった頃に…透き通る空が割れて、大きな巨神が、アラレ星人達を根こそぎ…向こうの世界に連れて行ってしまった」
飼い主の少女『ナツ』は、可愛い飼い犬の『ピーちゃん』を抱き上げて何時ものオレンジ色の黄昏た夕暮れ空に浮かぶ《147》奇妙な数字の羅列…この落下してゆく星の落下する期日をボンヤリと見詰めて囁く。
「そして…後ーー《147》日後には、この星の歴史も幕を閉じると言われている…」
「ワンUo・ェ・oU」
「そう…繰り返されて来た歴史が、終わるんだって…」
「ワンUo・ェ・oU」
「うーん…この星の歴史は終わるけど。何処かで歴史が終わるとき。別の何処かでは新たな歴史が始まったりする。…かも知れないね」
「ペロペロU^ェ^U♡」
飼い犬の『ピーちゃん』は、飼い主の少女『ナツ』の白い頬をペロペロと赤い舌で舐めて言う。
「ペロペロU^ェ^U♡」
「ふふっ♡そうだね…また…何処かでね」
……この落下して消滅してしまう星☆ミ
……軈て、歴史の幕を閉じる星☆ミ
……そんな終わりに向かう星で☆ミ
……また何処かで、一匹と一人。
お散歩して、遊んで、穏やかな歴史を始められたら…そう願う…『ピーちゃん』と『ナツ』一匹と一人をオレンジ色の空が静かに見下ろしていた。
たそがれ㉖〜後は?…歴史のお勉強とかかな…☆ミ〜
落下するまで147日☆ミ




