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あなたを忘れる方法を、私は知らない  作者: 長岡更紗
光の剣と神の盾〜ストレイア王国軍編〜

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76.私はまだ、そんな経験はないわ

 祝宴は続き、アンナとグレイは入れ替わり立ち代わり貴族たちの相手をした。

 終わる頃にはすっかり疲弊して、家に帰った二人は倒れそうになる。


「くそ……仕事は五時に終わって、あとは食うだけだから楽だと思ってたのにな……」

「全然食べられなかったわね……もう九時よ。お腹すいたわ」

「普段の残業の方がよっぽど楽じゃないか。なんか食べるもんあったか?」

「明日用のパンならあるけれど……」

「がっつり食いたいんだがな」

「そうよね」


 二人してはぁっと息を吐いた。

 ほとんどの店はもう閉まっているので、今から開くとすれば酒場くらいしかない。

 しかし騒がしいところにはもう行きたくないアンナとグレイである。


「仕方ない……パンでも食うか。死にそうだ」


 諦めてパンに手を伸ばしたその時、家のドアノッカーが鳴った。

 二人は顔を見合わせ素早く剣を手に取ると、玄関に向かう。


「どちら様?」


 アンナの問いに、扉の向こうから声が聞こえてきた。


「遅くに悪いな。トラヴァスだ」

「トラヴァス?」


 確かにトラヴァスの声がして、グレイはガチャリと扉を開ける。

 そこには袋を持つトラヴァスが立っていた。


「どうしたんだ、こんな時間に」

「祝宴の英雄は、食事をとる暇もなかっただろうと思ってな」


 トラヴァスの持つ袋からいい匂いが漂っているのを察知したアンナは、ぐうっという空腹の音を男たちの耳に届かせた。


「あっ」

「ははっ、アンナのお腹も限界みたいだな」

「も、もうっ」


 顔を赤くするのアンナを見たグレイは笑いながら袋を受け取り、トラヴァスに目で合図する。


「入れよ、トラヴァス。お前も護衛の仕事だったから、食ってないだろ」

「ああ、助かる」

「あ、靴は脱いで上がってね。はい、どうぞ」


 室内シューズを出すと、トラヴァスはもぞもぞとしながら履いて中へと上がった。

 グレイが袋からフードコンテナをたくさん取り出し、皆でテーブルへと並べていく。


「用意がいいな、トラヴァス」

「俺は去年、空腹で朝まで過ごす羽目になったからな。馴染みの店に頼んでおいたのだ」

「助かったわ、本当にありがとう」


 トラヴァスの気遣いに感謝しながら、三人はフードコンテナからお皿へと盛りつけた。

 食べながら会話していると、自然と祝宴の話になる。


「トラヴァスが出た祝宴も、あんな感じだったのか?」

「そうだな。俺一人で対応するのは大変だった。皆がいてくれたらと、どれだけ思ったことか」

「あれを一人でだなんて、考えただけでゾッとするわね」

「将になるためにはまだまだ勲章を取っておきたいところだが、祝宴があると思うと嫌気がさすな……」


 一度出席しただけで、すでにうんざりしている二人である。

 その気持ちが十分すぎるほどにわかっていたトラヴァスは、ある人の話を出した。


「ちなみに、アリシア筆頭大将は勲章の授与式を簡略化して、祝宴は辞退しているそうだ」

「そうなの?」

「そんなことができるんだったら、俺たちもそうすればよかったな」


 しかし、グレイの言葉にトラヴァスは首を振る。


「いや、これはアリシア筆頭だからできることだろう。あの方は何十と勲章をもらっているらしいからな。授与式は簡略化しないと時間を取られるし、祝宴も何度も開く羽目になってしまう」

「母さん、そんなに勲章をつけてないわよ?」

「騎士服に全部着けられないからと、ほとんどを机の中に仕舞っているそうだ」


 アリシアは娘にわざわざそんなことを伝えたりしないので、アンナは初めて聞く話だ。まさかそこまで勲章をもらっているとは、思っていなかった。


「やっぱりとんでもない人だな、筆頭は」

「全然知らなかったわ」

「でもそれなら、俺たちもたくさん受勲すれば、祝宴をパスできるようになるってことだ」


 まだまだ勲章を貰う気満々のグレイに、トラヴァスは呆れた声を出す。


「すでに二つも勲章を持っていることがすごいんだがな。現在いる将でも、二つ以上持っているのは半数程度だぞ」

「そうなの?」

「普通はそうそう貰えるものではないからな。年に三人いればいい方だ。筆頭大将を除いてな」


 一人で年に三つ貰っていそうなアリシアに、アンナとグレイは苦笑いする。


「せめて、アリシア筆頭にくらいは追いつきたいんだけどな」

「私もよ。グレイはいつか母さんを抜かすでしょうけど……私はいつ追いつけるのかしら」


 一人で三メートル級のホワイトタイガーを倒せるようになったアンナだが、だからこそあのレベルの魔物を一太刀で絶命させるアリシアの強さを思い知らされる。

 そんなアンナにトラヴァスは野菜を口に運びながら、アイスブルーの瞳を向けた。


「大丈夫だ。アンナもリミッターの外し方を覚えれば、もっと強くなれる」

「……リミッター?」


 首肯するトラヴァス。グレイはなんとなくその意味がわかり、なるほどと納得しながらトラヴァスの発する言葉を傾聴する。


「アンナ、去年の剣術大会でのグレイとカールの対戦を覚えているか?」

「ええ、もちろん。二人とも、本当にすごかったのよね」

「あの二人の後半戦は、リミッターが外れていた状態だっただろう」

「そうなの?」


 アンナが隣を見上げて確認し、グレイは頷いた。


「ああ。あの時はなんというか……周りの声がまったく聞こえなくなって、カールに集中していてな。それでいて、身体中の血が燃えるように熱くなっていたんだ。多分、あいつもそうだったんじゃないかと思う」

「あの時の状態……もしかして、この間のホワイトタイガーの時もそうだった?」


 アンナを助けに入った時、グレイが飢えた狼のように感じたことを思い出す。そして倒した後、ふうっと息を吐いた瞬間、いつものグレイに戻っていたことも。


「ああ、意識的に外し(・・)てみたんだ。カールとやった時ほどじゃなかったけどな」

「慣れれば段階的に外せるようになる。全部外すと、暴走に繋がる危うい力だしな」


 そう言いながら、トラヴァスの脳内ではシウリスの惨劇が蘇っていた。

 力を持つ者だからこそ、コントロールする能力が必須となるのだ。


「慣れればって……トラヴァスはできるの?」

「まぁな」

「あ、もしかして、三年半前の剣術大会の決勝の時?」

「ああ。バイロン相手の決勝が、初めて俺のリミッターが外れた時だった」


 アンナは当時のことを思い出した。

 底冷えするような、トラヴァスの怒りの瞳。

 一ポイントも取らせずに圧勝していたのは、怒っていただけではなかったのだと。


「三年以上も前に……私はまだ、そんな経験はないわ」

「きっかけが必要だからな。それにアンナにはまだ、少し時間が必要かもしれん」

「……どうして?」


 トラヴァスやグレイやカールにはすでにできていることが、まだアンナにはできていない。さらにまだ時間が掛かると言われては、疑問を抱かざるを得なかった。


「そう、だな……アンナは少し……優しすぎる」


 トラヴァスは少し考えた後で、そう発言する。〝心が弱い〟という意味を含めての、この言葉だった。


「優しいかしら……私、厳しい方だと思うけれど。でもどうして優しいとリミッターを外せないの?」

「この感覚は味わった者でないとわからんが、すべてを吹っ切るような、なにもかもがどうでもよくなるような……そんな自分本位な状態になることで、リミッターが外れるのだ。おそらくだが、今のアンナでは外しきれん。そんな気がする」


 アンナはカールのように、人の心の機微にはさほど聡くない。

 だからこそ、相手の感情を考えすぎてマイナスに捉えてしまうことがある。

 不安に揺れる心があり、それが優しさへと繋がっているのだ。


 リミッターを外すには、すべて忘れるほどの体験をしなければならない。

 それは戦闘中かもしれないし、他のなにかかもしれないが。


 トラヴァスは、アンナが人の感情をマイナスに受け取ることがあるとわかってはいても、なぜなのかは知らない。

 シウリスから唐突に切り離されたことに起因していることも。

 強引に不安を消し去れと、自分本位になれと言ったところでできるものではなく、トラヴァスはなにも言わなかった。理由はわからなくとも、相当根深いものだろうと想像がついていたからだ。


 トラヴァスに、今はリミッターは外せないという言葉を受けたアンナは、自分だけができない悔しさと寂しさで奥歯を噛み締めた。

 強くなれないと言われたようで、胸が軋む。

 そんな婚約者を見たグレイは、アンナの頭をぽんぽんと優しく叩いた。


「ははっ。すごいな、アンナは」


 グレイの脈絡のない言葉に、アンナは顔を顰める。


「なにが? リミッターを外せないのよ? すごくなんてないじゃない」

「逆だ。リミッターの解除なく、あのホワイトタイガーを一人で倒したんだぞ。これほどすごいことはないだろ」


 ニッと笑うグレイに、トラヴァスも大きく頷く。


「その通りだ。今でこれだけ強いのだから、リミッターを外すことを覚えれば、俺たちにとっても脅威にならざるを得ん。なぁ、グレイ」

「まったくだ。俺もまた、相当頑張らないといけないな」


 アンナの頭から手を戻し、負けられないグレイは気合を入れる。

 しかし本当にそんな力を手に入れられるのかと、アンナは疑問に思うばかりであった。そもそも、リミッターを外せるかどうかなど、誰にもわからない。


「私にも……できるかしら……」


 そんな不安の言葉に、トラヴァスは当然だと首肯した。


「アンナは大器晩成型だと、俺は思っている。精神が整い、安定した時には爆発的な力を発揮するのではないかと思えてならん」


 今は確かにまだ無理だと思うトラヴァスだ。しかしこれだけの強さを持つアンナがリミッターを外せないのは、逆に不自然だとも感じていた。

 リミッターを外す方法は、なにも極限の状態だけではない。すべてを無の状態にできるような精神的安定も、リミッター解除の条件のひとつになるとトラヴァスは思っている。


「そうだな、焦らなくてもいいぞ、アンナ。成長曲線なんて人それぞれだ」

「でも、早く覚えたいわ」

「それこそ精神が安定してからの方がよかろう。暴走することを考えるとな……」


 ふと遠い目をするトラヴァスに、グレイは眉を顰めた。


「誰か、暴走したのか?」

「……いや、可能性の話だ」


 トラヴァスはナイフとフォークを置いて白布で口元を拭うと、すっと立ち上がる。


「さて、長居してしまったな。俺は退散するから、ゆっくり食べてくれ」

「もういいの? そんなに食べてないじゃない」

「いや、十分だ。話せてよかった。それではな」


 トラヴァスは端的にそう言うと、空になったフードコンテナを袋に入れて玄関へと向かう。


「また今度、ゆっくり話しましょう。」

「ああ。言い忘れていたが、二度目の受勲おめでとう」

「ありがとう。今日は本当に助かったわ、トラヴァス。気をつけて帰ってね」


 グレイは送らず、トラヴァスが玄関に向かった途端に降りてきた黒猫を肩に乗せて、餌をあげている。

 そんな姿を確認してから、トラヴァスはアンナの家を出た。


 そして帰り道、彼は一人考える。

 大器晩成型のアンナのことを。

 精神が整い成長した時には、アンナのリミッターは静かに外れていくだろうと。

 その可能性が一番高く、そして暴走の危険がないであろうと。


(もしくは……すべてを無にするほどの、破壊的ななにかがあった時か……)


 強大過ぎる力は、時に他者を抑圧し、独断的になる。

 若くしてその力を手に入れることの危うさを、トラヴァスはよく知っていた。


(アンナの才能が開花するのは、いつだろうな)


 友人の才能が開花する楽しみと当時に、トラヴァスは脅威を感じた。

 シウリス、グレイ、アンナという最強の三人が揃えば、勝ち目はないと。


(アンナがリミッターの解除を覚えるまでに、フリッツ様には王位に就いてもらわねば)


 トラヴァスはそう思いながら、王都の夜道を歩いて帰った。

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