魔方陣完成 聖鍵合体対死霊合体 ー3ー
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「エリス!一体何があった……」
「サイガ!目を覚ましたのですね……良かった。あの時は助けてくれてありがとうございます」
サイガが家に戻ると、マキナは様々な文献を持ち込み、色々と調べている最中であり、そこには焦っている様子はなかった。
「いや……それは俺が勝手にした事で……エリスとシリアはどうしたんだ?親衛隊の隊長から療養していると聞いたんだが」
「それは……はぁ……ある意味でサイガのせいかもしれませんね。たいした事ではないんですよ。ただの」
「サイガ!やっと目を覚ましたわね。どれだけ待ちわびたか」
サイガとマキナが会話しているのが聞こえたのか、エリスは部屋から飛び出てきた。その姿は何事もなかったようであり、元気そのものだった。ただ、サイガが最初に会った時のような雰囲気を醸し出している。
「さっさとご飯を作りなさいよ。やっと、まともな物にありつける事が出来るわ」
エリスはサイガの心配は微塵もしておらず、ご飯を要求してきたのだ。
「俺の心配よりも……飯かよ。外に食べに行くとか、カップ麺とかあっただろ。俺がいなくてもシリアに頼むのも良かったはずだぞ」
サイガはカップ麺の在庫を調べてみると空になっている。それに商店街の店は殆ど閉まっていて、外食も無理だったのかもしれない。
「外食はありえないわね。どれだけ金がかかると思ってるのよ。シリアの料理は……一番ありえない。見た目は良くても……どれだけの苦しみを味わったか。シリア本人も食べて未だに回復してないんだから」
エリスとシリアが体調を崩したのはシリアの料理のせいであり、エリスがマキナの部屋を指差した事から、シリアが寝ているのだろう。
女三人がいて、誰もが料理スキルは壊滅的だったのだ。サイガエリスと最初に会った時と同じと思ったのは空腹であり、痩せたようにも見えたからだ。つい最近まではサイガが料理を作り、満足していたのが一週間も経過してしまえば、元通りになってしまったのだろう。
「罰ももういいでしょ。サイガが食事を作ってくださるのなら、シリアに回復魔法を施しますよ。彼女の知識、情報収集力は私を越えてます。サイガが眠っている間の事も話さなければなりません。冷蔵庫に具材は揃ってますから、サイガは調理をお願いしますね」
「何よ。シリアが自信満々にいって、あの料理だったんだから。アンタはカップ麺を食べて難を逃れただけじゃない。まぁ……回復するのは許してあげる」
マキナはエリスに許しを得て、シリアを治療しに行き、サイガは休みに明けにも関わらず料理するはめになった。




