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変態魔王+貧困勇者+エトセトラ=SS  作者: Gan
恋する機械仕掛けの少女は鎮魂唄を捧げる
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魔王と勇者は蚊帳の外 ー11ー


「オメガがアズとメジーナを連れて姿を消したか。それが理由だろうな」



アイシャの魔法によって、学園の研究施設にエリス達は移動した。蝙蝠がいた事により、認識装置を潜り抜けなくても問題はなかった。



「ちゃんと記録してあるんじゃろうな。カテジナにも見てもらわなければならぬのだぞ」



集合場所に研究施設を選んだ理由は、得たいの知れない機械をアイシャだけでなく、カテジナにも確認してもらうため。それがエリス達が来る前に突然消失、影の中に飲み込まれたのだ。それ以外も最初の部屋にある死体も。それはオメガが逃亡した事と連結していると考えるべき。マザーシステムの欠片を奪うためだ。



「それは大丈夫だ。映像として見せよう」



店長の目から光を放ち、壁にサイガと店長が見た人間のような形をした機械の部品を映像としてエリス達に見せた。



「何あれ……気持ち悪!」



エリスはその一言。それ以上の言葉は見つからない。



「カテジナはどうじゃ? 機人となり、知識も備えられておる。それはマザーシステムの一部を組み込まれたからじゃ。だからこそ、オメガはカテジナを大事にしていた。コアにするためと思っておるのじゃが」



「私の中にマザーシステムの一部が?」



カテジナは店長を見た。オメガとアズィールの手術を阻止したのは店長。カテジナの内部を知っていてもおかしくない。



「……そうだ。だが、良性の欠片だ。暴走の原因となった物ではない。だから、本質の欠片を持つカテジナがコアになるとオメガは思ったのだろうが」



店長の言葉にカテジナは人間の心臓部に手を当てた。カテジナが元人間でありながら、機界の知識が備わっていた。それはマザーシステムの欠片からの情報であるのなら、引き出す事が出来るかもしれないからだ。



「……少し形は違いますが、マザーシステム製造の部品ではないでしょうか。小さな欠片で修復は無理でも、欠片がコアとなり人間を部品として作り替えたのなら……禍々しさも暴走状態に適してるかと」



「やはり……オメガは暴走化マザーシステムの復活、人間界の機界化が狙いかもしれない」



「アンドの言う通りかもしれんな。オメガはパートナーであるはずのマミルトン家の者達を改造している。未だ人間を嫌悪、もしくは下等生物とでも思っているのかもしれん」



アイシャ、店長、カテジナは三人で話を進めていく。サイガとエリスは機界の事を知らないだけでなく、歴史も勉強中。サイガは機界編のアニメは見たとしても、三人の会話は裏話に近い。



「何よ……全然分からないんだけど。私も一緒に来る意味なかったじゃないの」



「かもしれないな」



だからといって、あの城の状況で残されるのはエリスは嫌だった。勇者という立場から抜け出すのも難しい状態だったからだ。その言葉をサイガが肯定すると、エリスはサイガの頭を叩いた。



「そこは否定するところでしょ! 店長やカテジナに分からない事があるんだから」



それはオメガが城から抜け出した方法。あれは魔法であり、オメガは使えないばかりか、アズやメジーナが使う意味がない。さらにマザーシステムの部品となる物を移動されたのも魔法。術者が側にいないのに移動させたとなれば、高度な力を持つ魔法使いとなる。

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