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異世界転生係で神畜の女神やってます  作者: 大鳳
最終章 黙示録編

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移動シーン

 フィーナ達の馬車での旅も三日目を迎えていた。昨日のゴブリン達による波状攻撃が嘘の様に無くなり荷馬車隊は平穏な旅路を歩めていた。

 時折入れられる休憩の際にはフィーナとシンシアによって馬達にヒールが掛けられており、馬車のスピードが落ちる事も無くストレスフリーな旅が展開されていたのだ。

「あ〜暇ね〜、何も無いと退屈でしょーがないわよ」

 相変わらず荷馬車の屋根の上が定位置なエルフィーネは索敵しても何も無い平凡な旅路に飽きていた。

 暇な彼女が思いつく暇つぶしとなるのは

「フィーナぁ、暇。何か面白い話題とか無いの〜?」

 Gの様に天井からカサカサと現れたエルフィーネを一瞥したフィーナは

「特に何も……エルフィーネさんに話を振ってもロクな事がありませんから」

 突き放した一言で話を終わらせてしまった。しかし、そんな事でめげたりしないのがエルフィーネである。


ーカサカサカサー


 彼女は器用に荷台に侵入するとフィーナの隣に陣取り

「つれない事を言ってくれるじゃないか、我が同胞よ。数少ないエルフ同士腹を割って親交を深めようではないか」

 強引に肩を組んでフィーナに頬ずりを始めてきた。

「止めて下さい。間に合ってますので」

 フィーナはエルフィーネの両肩を手で受け止め全力で押しのけようとしている。そんな二人の様子を見ていたミレットは

「ホント、お二人とも仲が良いんですねぇ〜。まるで本当の姉妹みたいですよ……ニャ」

 フィーナにとってはありがたくない一言を投げ掛けてきた。その横のプロージットからは

「え? お二人って姉妹とかじゃなかったんですか? 私はてっきり……」

 耳を疑う様なとんでもない発言が飛んできた。すると、連鎖的に

「そ、そうなのですか? 私は仲の良い双子の姉妹とばかり思ってました」

 メイプルからも誤解していたという暴露がなされてしまった。さらに

「そうだったのですか。奔放なお姉さんとよく出来たしっかり者の妹さんかと思ってました」

 シンシアからも耳を疑う様な発言が。周りからどんなふうに見られていたのかと今更ながらにフィーナががっくり来ていると

「よく出来てるのは私! しっかり者のお姉さんと内気なショタコンの妹だわよ」

 さらにエルフィーネからガソリンに火を付ける一言が発せられた。

「私はそんなのじゃありません! 私はただ彼が心配なだけで……」

 エルフィーネを全力で押し退けながらフィーナは彼女の話の否定から入る。

 他人の話に否定から入るのは嫌われる要因にはなるのだが、状況が状況でありやむを得ないパターンであった。しかし

「そんな事いっちゃって。抱かれたいとか思った事ないワケぇ?」

 頭真っピンクなエルフの言葉にフィーナは

「お、思わないです! 何考えてるんですか!」

「いーじゃない。周りに小さい子なんか居ないんだから」

 若干言い淀みながら顔を真っ赤にして否定するが、エルフィーネは何処吹く風である。そんな二人を眺めているのは周囲の

「やっぱりフィーバーしちゃったやんちゃなお姉さんと……」

「内気なよく出来た妹さんって感じ……」

 メイプルとシンシアからエルフ二人の人物評が述べられた。そんな二人の観客に対し

「よく出来た妹ぉ〜? 姉より優れた妹なんて居る訳無いでしょ!」

 何処かの世紀末悪党みたいな事を言い出した。

「……勝手に妹扱いしないで下さい」

 フィーナはエルフィーネの注意が逸れた瞬間を見逃さず、赤竜ヴェルに目配せをし


ーボッ!ー


「あづっ!」

 クリムゾンヴェルムが瞬間的に吐き出した炎がエルフィーネの顔面に吹き掛けられた。

「あづい〜! あだだだだっ!」

 瞬間的な炎とは言っても割と熱かったらしく、エルフィーネは迷惑にも広くない荷台の中をドッタンバッタン大はしゃぎしている。

「だ大丈夫ですか?」

 そんなモンだからシンシアにまで要らぬ心配をかけてしまうのだった。しかしシンシアの診察によると

「大丈夫そうですね。もし水膨れとかになったら申し出て下さいね」

 処置の必要無しとの判断が処されてしまった。定義化されていない異世界と言えどトリアージの概念はあるのである。

「センパ〜イ? エルフィーネさんの話に乗っかる訳じゃ無いですけど……ニャ」

 エルフィーネを撃退してホッとしていたフィーナに対し、ミレットが両耳をピョコピョコ動かしながら控え目に尋ねてきた。

「アルフレッド坊ちゃまの気持ちに気付いてないわけじゃありませんよね?……ニャ」

 思わぬ人物からの深掘りにフィーナは

「そそそ、それは……分かってます……けど。彼はまだ小さい子ですから……」

 吃りながら答えるのがやっとだった。

「じゃあ、あと十年もしたらちょうど良くなっちゃいますけど……それなら良いんですか?」

 今度はプロージットが食い付いてきた。

 彼女が言う様に今のアルフレッドが十歳で十年後となると二十歳となり結婚適齢期と言っても決しておかしくは無い。

 一方のフィーナは身体年齢は十七歳程、基本成人以降は老化しないので十年後のアルフレッドとなら同世代の二人に見えてしまうのは無理が無くなる。

「そ、それは……彼が変わらない気持ちで居てくれるのなら……その……あの……」

 顔を赤くしながら答えているフィーナの声はゴニョゴニョと次第に小さくなっていくのであった。

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