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異世界転生係で神畜の女神やってます  作者: 大鳳
最終章 黙示録編

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衝撃の爪痕

 フィーナの一人旅は三日目を迎えていた。何にも出会わず誰にも襲われない比較的平穏な旅路。そう、三日目の夕方までは……。

「こ、これは……! どうしよう……?」

 思わず考えている事が口から出てしまったが仕方がない。フィーナの目の前には直径十キロメートルを超えるクレーターが広がっていたからだ。

 科学など無い世界に生まれ育ったフィーナには、これだけの大きさの爆発跡地を築けるのは神や悪魔と言った類の人ならざるモノの仕業であるとしか思えなかった。

 シドが火の球が落ちてきたと話していても、それは超常のモノが現した神の御業であるという結論への帰結でしか無い。

 天文学の知識の基礎が無ければ、空から巨大な隕石が落ちてくるなどは思いも寄らない事だろう。

山の上から見下ろした時はそうは見えなかったが、実際に近付いてみると縁には小山の様に土が積み上がっていて、クレーターの中は覗く事が出来ない。

 小さく見えた縁でこれなのだから、ここを突っ切って反対側に行けるはずは無い。

(え〜と……)

 辺りを見回してみると東側には遠方に山脈が連なっている。フィーナは仕方なく平野が広がっている西回りで対岸を目指す事にするのだった。

(あれは……?)

 予定外の迂回に日が出ている内に少しでも進んでしまおうと歩き始めてしばらくした頃、平地に壊れかけた石造りの砦の跡地の様な物が現れた。

「ここなら……風くらいなら防げそうですね」

 見るからに廃墟で天井などもきえさっていたが、風に吹かれる中で眠る寄りは良さそうだ。

 おまけにこの辺りには枯れ枝などが中々見つからず今日は焚き火を用意するのは無理そうだ。

 背に腹は代えられないフィーナは砦の廃墟の様な場所で一夜を明かす事にするのだった。



 いつもの足のケアと食事を済ませたフィーナはぼんやりと星空を見上げていた。

(……?)

 フィーナはこの季節になら見えるはずの星座が見つからない事に気が付いた。

 星座にそこまで詳しい訳では無かったが見慣れたものが見つからないと言うのは気分が良いものでは無い。

(今日は……疲れましたね)

 廃墟の壁に寄りかかったフィーナの意識はうつらうつらと、消えてしまいそうだった。その時


ーベチャッー


「っ!」

 粘つく様な何かの音が足元から聞こえてきた。瞬間的に目が覚めたフィーナが音の方向を見ると

「ス、スライムが……! いつの間に……!」

 粘液の塊であるスライムが今まさにフィーナに襲い掛かろうとしていた所だった。

 逃げ足を封じてじっくり味わうつもりだったのだろう。あのまま寝てしまっていたらそのまま永眠してしまうところだった。

「フレイムアロー!」


ーゴオッ!ー


 フィーナは炎の矢の魔法でスライムを焼き払った。

「ふぅ……」

 スライムの奇襲に目が覚めてしまったフィーナは廃墟の安全を確かめる為、敷地を見て回る事にするのだった。



 瓦礫だらけの廃墟を見て回るフィーナは敵が潜んでいないか隅々まで確認する事にした。

 スライムは湿気があったり日陰の場所を好む為、瓦礫の下などは敵が潜んでいる格好の潜伏場所なのだ。

(え〜と……)

 ホーリーライトの光を使って恐る恐る索敵を進めていると


ーベチャッー


 部屋の床に置かれている瓦礫の下から何か粘液が床を蠢く音が聞こえてきた。

(ここの下にスライムが……?)

 瓦礫の下にスライムが潜んでいるのなら、完全に元を絶たねばとても安心してここで一夜を過ごす事は出来ない。

(どうしよう……?)

 ファイアーボールで瓦礫ごと吹き飛ばしてしまう手はある。しかし、それだけのために瓦礫を散らかしてしまうのは流石に気が引ける。

(ここでの野宿は諦めるしかないかも……)

 この廃墟での野宿を諦めたフィーナが来た道を戻り、この廃墟から出ていこうとしたその時


ービュウン……ビュルッ!ー


「うっ!」

 瓦礫の下から伸びてきた何かが立ち去ろうとするフィーナの足首に巻き付いてきた。

「は、離してっ!」

 フィーナは反射的に足を振って巻き付いてきた何かを振り払おうとしたが……


ードゴオォォォン!ー


 その時、瓦礫の山が吹き飛ばされ下から黒いスライムの親玉の様な何かが姿を現した。

 スライムには本体から何本もの触手の様なモノを出してウネウネさせている。

「ひっ!」


、ービュウン……ビュルッ!


「あうっ!」

 スライムは触手を振り払おうとしている片足立ちのフィーナ目掛け、さらに触手を放ち彼女のもう片方の足も拘束してしまった。


ーグイッ!ー


「きゃあっ!」

 両足を強く引っ張られたフィーナは抵抗出来ずに石床に尻もちを着かされてしまった。

 このままでは、数日前のブラックウィドウの時の二の舞いになってしまう。


ーザザザザァー


「じ、慈愛の女神様……力無き者に破邪の矢をお与え下さい」

 触手に引き摺られながらフィーナは魔法の詠唱を始めていた。


ーキュイィィン……ー


 前に突き出したフィーナの両手から眩い光が放たれ始めた。

 彼女は光る左手を敵に向け、右手でその光を弓に番えて矢を引く様に引き絞る。そして

「セイクリッドアロー!」


ーズバアッ!ー


 眼前に迫っていたスライムに向け、至近距離から光の矢の魔法を放った。

 光の矢はスライムの身体の大部分を抉り取っていった。残された触手も


ーシュウウゥゥ……ー


 蒸発する様に跡形も無く消えてしまった。フィーナの両足を捕らえていた触手も含め全て跡形も無く……

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