表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生係で神畜の女神やってます  作者: 大鳳
天界の日常編(弐)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

272/821

小田信永の足跡

「それで……話し合いの結果はどうなったんですか?」

 フィーナはコーヒーに口をつけながらフレイアに尋ねる。

「話し合いは開催前から結果は見えていた。現にエルフ達にはエンダール軍に対し打つ手はなかったからな」

 フレイアもコーヒーを飲みながら話を続ける。



 小田信永は話し合いに訪れたエルフの王女ディアナに対し、万人が差別される事の無い世界の創造を語った。

 その理想論にエルフの王女ディアナは徐々に心惹かれていった。

 エルフ達は基本的に外国に出て行く事は少ない。だが、長命で若い姿で生きるエルフ達の一部は森での生活に飽き、外の世界に出て行く事がある。

 そういったエルフ達は大抵人間達に捉えられ性奴隷として高値で売り飛ばされてしまうのだ。

 軽く外の世界に憧れているディアナには小田信永の語る世界が非常に魅力的に思えたのだろう。

 もっとも小田信永の目的は自分の知識自慢であり、自分の力を知らしめる亊。

 ついでにハーレムもなどとラノベの主人公の様な邪な考えを抱いていた。

 エンダール国の王女アリスもエルフの女王ディアナもその対象であり、彼女らは初心なせいか小田信永から見たら実にチョロかった。

 ここまで話したフレイアは明らかに不機嫌な顔をしていた。彼女の赤いセミロングの髪が今にも逆立ちそうな程。

「フィーナ! こいつは女性の敵だ! 必ずや天誅を下すぞ!」

 怒りを隠さないフレイアに対しフィーナも静かに頷く。

 小田信永にあるのは自己顕示欲だけである。先の展望が無い以上、彼の存在は世界にとって害悪でしかない。

 エルフの国であるグリンウッド国を取り込んだエンダール国は次は騎馬民族であるヌーディア族の攻略に移った。

 こちらは騎馬の扱いに長けた民族であり、短弓を装備した騎兵の集団戦術で敵兵を翻弄。四方八方から攻めたて敵兵を壊滅に追い込むのを得意としていた。

 ここでは小田は釣り出し戦法を使用した。

 例によって尊大な降伏勧告から始まり、散々挑発をした後で少数の足の早い兵を出撃させた後で偽装撤退を行う。

 撤退する先はエンダール国に繋がる湖畔の街道である。

 小田はその湖畔の先にノロノロと退却を装うエンダール国王の本隊を偽装させた。もちろん湖畔の街道沿いの林にはエルフ達の伏兵並びにエンダール国でも戦闘経験のある者達を潜ませてある。

 騎馬民族達は退却するエンダール国王の本陣を追うため馬を走らせ湖畔の街道に入った。

 そして騎馬民族の最後尾が湖畔の街道に入った所で小田は本陣を反転させ盾持ち兵でのファランクスを道幅一杯に展開させる。

 それを合図に湖畔沿いの林からエルフ達の矢の雨が騎馬民族達に襲いかかった。騎馬民族達も短弓で応戦するも敵は林の中、街道で遮蔽物の何もない騎馬民族には不利な場所だった。

 罠に嵌められた事を悟った騎馬民族達は街道を自分達の国へ戻ろうと撤退を開始した。しかしその先にも大盾と長槍でファランクスを組んだ兵士達が騎馬民族達に向かって前進していた。

前後をファランクスに挟まれ横合いからはエルフの矢で攻撃され続けている現状に騎馬民族のリーダーは降伏を小田の本陣に願い出た。そこでヌーディア族との戦争は終わった。

 追撃に向かわせた騎馬隊が戦果ゼロで出玉に取られた事で自分達に勝ち目が無い事を悟らせたのだ。戦う余力はあったものの抵抗の無意味さを感じ取ったヌーディア族は小田の軍門に下る事を選んだのだ。

 こうして小田は優秀な弓兵隊と軽騎兵隊を自軍に引き入れる事に成功したのだった。

 ちなみに騎馬民族のリーダーも、うら若き女性であり名はノーラと言った。彼女もまたご多分に漏れず小田のハーレム要員の一人となるのだった。



「ここまでがお前が降りていた期間の出来事だ。ふぅ……」

 ここまで話し終えてフレイアは一息ついた。彼女はフィーナが抱きかかえているミレットに自分の所に来る様にと身振り手振りをしているが当のミレットには行く気が無い様だ。

「それにしても小田信永があんな男だとは思わなかった。単なる高校生が異世界で生き抜いていけると普通思うか? 精々ゴブリンに襲われて討ち死にがオチだし関の山だ。そうだろう?」

 フレイアは小田信永の行動が予想外であった事を力説している。それは暗に彼を異世界に転移させた自身の判断を正当化しているものだった。

「何を言ってもフレイアさんの失態はゼロにはなりませんからね?」

 フィーナはジト目でフレイアを眺めながら感想を口にした。

 全ての元凶であるフレイアはフィーナの言葉に反論できずにぐぬぬとなっている。

 ここまでの小田信永の足跡は期間的にフィーナもザック達の手伝いをしている期間なので、フィーナがどうこうする事は出来ない。しかし、ここから先の歴史なら今からでも十分改変が可能である。

 問題となるのはここからの小田信永の行動である。この辺りで彼を止められるのであれば、流石に帝国が滅ぼされる事は無い。

 果たして彼を止められる見込みがあるのかどうか……?ここからの彼の足跡はフィーナ達にとっても重要となる。

 フィーナは引き続いてフレイアの話に耳を傾ける事にするのだった。



「次に小田が目を向けたのは、周辺で最も軍事力の整った国であるガイゼル国だった」

 小田信永は次なる攻略対象を強国であるガイゼル国に絞った。

 エンダール国から帝国に向かうにはどうあがいても通らなければならない道だからである。

 また、同盟を結んで帝国と戦う道も模索されたが考え方の違いから交渉は決裂。二国の対立は決定的となった。

小田はガイゼル国との交渉の間、エンダール国とエルフの国との間にあった緩衝地帯の平原を開拓させていた。

 土を耕し広大な畑とし国力を高める為である。ちなみに土地の開墾はエルフの国の王女であるディアナが呼び出したノーム達によって迅速に行われた。

 小田信永にゾッコンなディアナは彼の要請に二つ返事であった。

 開拓の結果はこれからになるが、良い結果となるのはまず間違い無いだろう。

 また、エンダール国は遊牧民族であるヌーディア族から乳などの家畜から得られる物品の買い付けも始めていた。

 元々他国の商人に安く買い叩かれていた物なので適正な価格で買い取るだけでもヌーディア族には喜ばれた。また、

 小田信永に心を寄せているノーラにとっては彼の提案を断る理由は無かった。

 こうしてエンダール国は国力を高めるべく未来へ向けて動き出していたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ