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異世界転生係で神畜の女神やってます  作者: 大鳳
第二章 ザック編

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退屈な入院生活

 フィーナが診療所に来てから一週間が過ぎた。フィーナの診察は昨日ようやく行われた。

 足を診てくれた聖職者の話によるとフィーナの足の骨は一部がバラバラに砕けており、しかも足首の部分の為、修復にも完治にも時間が掛かると言われてしまった。

 今後の予定としては来週の治療で足首の修復。その後二週間をかけて完治に向けて治療していきましょうという話で落ち着いてしまった。

 もう少し早くなりませんか?とも聞いてみたが聖職者が言うには、複雑な動きをする足首でなければもう少し早く治療出来たらしいのだが、今回フィーナが負わされた怪我は場所が悪過ぎたらしい。

 それでも、フィーナが食い下がったところ一生松葉杖とお友達でいいのならと脅されてしまった。

 なのでじっとしている絶対安静な生活は変わりそうもなく、劇的に早く治るという事も無い入院生活が約束されてしまった。

(まぁ……一ヶ月の辛抱なら……)

 やや、気は遠くなるものの先の見通しが立ったのは喜ばしくはある。

 これで後は怪我が治るまでの間、ザック達に何事も無ければフィーナの気苦労は何も無くなる。

 エリクサーの一件はあるがそこは後から考えれば良いだけである。

(うーん……)

 一人暇なフィーナは前回の仕事の反省点を考えていた。往路のゴブリンの待ち伏せへの対応はスカウトとしての仕事は果たせていたと思う。

 本来ならもう少し早く待ち伏せを察知していなければならなかったのだが、あれだけの数のゴブリン達が皆物音一つ立てる事無くフィーナ達が進むのを待っていたのだから流石と言わざるを得ない。

 もう少し先に進んでいたら彼らにとっての絶好の攻撃タイミングが訪れていただろう。

 そうなっていたら、フィーナ達はオーガ討伐どころではなくなっていたに違いない。改めて冒険者とは気の抜けない仕事だと思い知らされた。

 あれは、ゴブリン達の待ち伏せに気付いたのではなく、ビリーへの教育がてらの行動で偶然気付いたというのが反省点と言えるだろう。

 次は問題のオーガ討伐についてである。イレーネとフィーナによるオーガ達へ向けての先制攻撃は問題無かった。

 むしろ多数のオーガ達を戦闘不能に至らしめた事は大戦果であり、今後のレベル差の著しい相手と戦う際の手本の一つになるかもしれない。

 しかし、砦に入ってからが良くなかった。まずはフレデリカパーティーのローズがオーガに捕まってしまった事である。

 これはオーガの止めを確実に差しきれていなかったのが原因だが、あれはどうすれば良かったのか……?

 フィーナ自身もあのオーガが生きているのに気が付いてなかったのだからあの死んだ振りには気付くのは今でも難しいとは思う。

 次に瓦礫の下で生きていたオーガだが……あの時のフィーナには瓦礫の下のオーガの可能性を全く考えていなかった。

 敷地に倒れていた見えている範囲のオーガを警戒する事しか頭に無かった。

 先述の死んだ振りオーガが居たのも、そっちに注意を向けさせるのに拍車を掛けていたのかもしれない。

(…………)

 それでもオーガに掴まってしまった自分に落ち度があった事に変わりは無い。

 ある意味、他の誰かが捕まらなくて良かったのかもしれない。

「フィーナさーん! 来ちゃいました〜!」

 考え事をしていたフィーナに話し掛けてきたのは魔導士のイレーネだった。

 彼女はアリッサも連れてきており二人は行動を共にしている様だ。

「あ、こんにちはイレーネさん。アリッサさんも……」

 フィーナの返事に二人は軽く会釈して返した。フィーナのベッドの横で椅子に腰を下ろしたイレーネはフィーナに

「身体のお加減はどうですか?」

 怪我の様子について尋ねてきた。フィーナはイレーネに完治まで一ヶ月掛かる事を伝えると、

「一ヶ月なんてすぐですから。退院まであっという間ですよ」

 と、人懐っこい笑顔で励ましてくれた。彼女はそれ以外にも自分や他のメンバー達の近況を話してくれた。

 前回の仕事の報酬が破格だった事もあり、フィーナが離脱している今は無理して仕事は請けず訓練に力を入れているらしい。

 ザックならフレデリカと剣技の訓練を、ガイならレイチェルと武器に頼らない格闘戦の訓練を、マリーはローズに戦闘中の立ち回りや回復魔法を使う時に気にしなければならない事など……パーティーのレベルの底上げに必要な事を日々行っているらしい。

 なんだか自分待ちにさせてしまっているみたいで申し訳無さを感じフィーナはションボリしてしまった。そんなフィーナを見たイレーネが

「フィーナさん? あの……フィーナさんってどうして冒険者してるんですか?」

 イレーネは不思議そうに首を傾げながら聞いてきた。

「だってなんか……戦うのあんまり好きそうじゃ無いみたいですし。……フィーナさんなら他にお仕事あると思いますし」

 これはいつだったか冒険者ギルドで食事をした時に一人テキパキと給仕をしているフィーナの様子を見ていたからだろう。

 フィーナは確かに冒険者をやるには性格的に向いていないかもしれない。

 技量はあっても不慣れな部分があるのをイレーネには見透かされていたのだろうか。

 確かにフィーナは冒険者には向いていないのかもしれないが、全てはザック達の全滅を回避するために必要な事なのでやる以外に選択肢が無いのである。

 しかし、そんな事をイレーネにぶちまけてしまう訳にはいかないのでフィーナは答えに窮してしまった。

「あ、あの……生活費の為に……です。他に方法が無くて……」

 フィーナはしどろもどろになりながら生活の為に仕方無くと答えたが、無理して冒険者をしている答えにはなっていない。

「あ……それと母からですね。色々と世界を見て見聞を広めてくる様に言われていまして……」

 答えに詰まったフィーナはレアの母親設定を使わせて貰う事にした。目を泳がせながら答えるフィーナは明らかに挙動不審だが

「そういえばフィーナさんのお母様ってあれからどうしてるのかな?」

 と、話はフィーナの母親役のレアに関する話題に逸れていきフィーナは事なきを得たのだった。

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