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異世界転生係で神畜の女神やってます  作者: 大鳳
第二章 ザック編

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試験結果

「えい!」


ーボフッー


「あいて!」

 フィーナが投げた皮のボールは試験官の胴体に見事にヒットした。階段を降りようとしていた試験官は何が起きたのか分からずポカンとしている。

 すぐさま魔導具の照明が付けられ受付嬢による試験の裁定が行われようとしたのだが……

「いや、今のはノーカンだわ。大体エルフって夜目効くんじゃね? 見えてたら試験の意味無いわー。もっかいもっかい」

 試験官は即落ちが許せなかったのか試験のやり直しを申し出てきた。

(目が良かったらそれもう合格で良いんじゃ……?)

 なんとなく腑に落ちないフィーナは試験官の主張にツッコミを入れる。

「目隠ししろ目隠し! じゃなきゃインチキだろインチキ! 早くしろよ!」

 試験官はフィーナに目隠しを強要してきた。

(はぁ……)

 溜め息をつきつつボールのカゴの中に入れられていた目隠しを着用する。

 目隠しをしたところで聴力には何の問題も無い。

 が、一抹の不安を覚えたフィーナは片目にサーモグラフィ能力を付与させておく事にした。

 試験はもうフィーナの合格で終わっているはずなのに執拗にリベンジを強要する試験官を不審に思ったからだ。

「それでは試験始めまーす!」

 受付嬢の合図とともに部屋の照明が完全に落とされた。

 真っ暗闇となった室内で試験官はその場でなにやらゴソゴソし始めた。

 赤外線を感知しているフィーナには丸分かりだが、試験官は自身の着ているレザーアーマーなどを脱ぎ捨てている。

 ブーツなども脱ぎ捨て身軽になっていく彼を見てそこまでして勝ちたいのかと、フィーナはすっかり呆れていた。

 そして準備を終えた試験官は抜き足差し足忍び足といった感じでフィーナの居る場所より一段高い部屋の外周を歩き始めた。

(暗闇の中、よく歩けますね……)

 外周を歩く試験官を目で追いながらフィーナは彼にボールをぶつける機会を伺う。試験官が外周のフィーナの後ろにある階段を降りようとしたところで

「えい!」


ーボフッー


 フィーナが投げたボールは試験官に確かに命中した。しかし、彼は無言のまま歩みを止めようとしない。

「え? あの……当たりましたよ! 終わりじゃないんですか?」

 試験官の予想を裏切る行動にフィーナは受付嬢の方を見上げ彼女に声を掛けた。

 しかし、一瞬試験官から目を離した隙に試験官は全力ダッシュでフィーナとの距離を一気に詰め、そして


ームニュー


「ひゃっ!」

 自分の身体に突然走った感覚にフィーナは声を上げてしまう。

 近付いてきた試験官は迷う事無く両手を突き出しフィーナの胸部にレザーアーマー越しでも分かる強さでタッチしてきたのだ。

 部屋の灯りが付けられた為、その行為は白日の下に晒される事となった。

 完全にフリーズしていたフィーナはプルプル震え出し

「何するんですかぁ!」


ースパアァン!ー


試験官の頭を払う様にフィーナは彼に容赦なく綺麗なハイキックを決めた。

「し、白……」

 試験官は頭を変な角度に曲げたまま何かを呟きながら床に崩れ落ちていった。

 明かりを付けた受付嬢はフィーナの所までやってくると

「フィーナさん、合格です! 冒険者ギルドのランクはライトグリーンです! なので、この事はどうかご内密に……」

 フィーナの冒険者登録とランクを告げた。彼女が言うこの事とは床の上でカニの様に泡を吹いて倒れている半裸の試験官の事だろう。

 受付嬢に続いてやってきたイレーネも

「フィーナさん、すっご〜い! ライトグリーンなんて私達よりすごく上じゃないですか! さすがです!」

 フィーナはこの世界の冒険者のランク分けはさっぱりなのでイレーネの言葉にも苦笑いで返すしかできなかった。

 よくよく話を聞いてみると冒険者ランクは虹色の色相で分けられており、赤やオレンジ色がランクが高く藍色やパープルが下なのだそう。

 つまりフィーナは最初から真ん中より少し上という事になる。

「お仕置きお願いしまーす。」

 試験官を屈強な冒険者達に連れて行かせ受付嬢から改めてフィーナに対し謝罪の弁が述べられた。

 こういった破廉恥な行為はギルドの信用にも関わるため厳正に対処するらしい。

 一通りの謝罪を受け、彼女に上階へ戻る様に促されたフィーナ達は言われるがまま冒険者ギルドの一階に戻る事にした。

 受付嬢の話によると冒険者証は一日程度で完成するらしい。

「今日は色々ありがとうごさいました」

 フィーナは受付嬢に頭を下げるとイレーネと一緒に冒険者ギルド内に居るはずのザックを探す事にした。

 冒険者ギルドは仕事を終えた冒険者達が続々と集まってきており、かなりの人々でごったがえしていた。

 だが、部屋の隅でジョッキを傾けているザックの姿は簡単に見つける事が出来た。

 フィーナとイレーネが席に着いたところでギルド職員に声を掛け酒と食事が注文される事になった。

「冒険者登録どうだった? うまくいったのか?」

 席に着いたフィーナ達にザックは酒を飲みながら話し掛けてきた。

 彼は黒髪である事以外は、普通にどこにでもいる冒険者の一人であり転生者にありがちな異物感という様なモノはまるで無かった。

 良く言えば世界に馴染み切っている、悪く言えばモブ顔のその他大勢と言った感じだろうか。

 フィーナが試験は順調に終わった事を告げると、そうか。良かったと言ってイレーネと今後の方針に付いて話し始めた。

「金を稼ぐには難しい仕事にも手を出すしか無いんだ。分かるだろ?」

「でも実力より高い仕事は危ないよ。それでなくても今回は失敗しちゃったし……」

 ザックとイレーネはお互い思う所がある様だ。それにしても他の三人はどうしているのだろうとフィーナが考えていると

 両手に焼き鳥をどっさり抱えて帰ってきたマッチョの戦士と同じく何かを買ってきた様子の神官マリーがやってきた。

「悪い悪い、遅くなった。旨い屋台がたくさんあってよ」

 と焼き鳥をテーブルに置いた戦士はフィーナに対し、自身をガイと名乗った。

 また、神官の少女も改めてフィーナに自己紹介をし、まだここに来ていないのはスカウトの少年のみとなった。

 話も酒も進んでいくのにスカウトの少年ビリーは待てど暮らせど一向にやってくる気配が無かった。

「それでビリーの事なんだが……丁度フィーナが居る事だし聞いておきたい事がある」

 ザックがパーティーメンバー全員に向けてビリーの事について話し始めようとしたその時

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