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異世界転生係で神畜の女神やってます  作者: 大鳳
第一章 アルフレッド編

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女神の力

 突如、王都を取り囲む様に上空に現れた無数の魔法陣から現れたのは羽根の生えた人型の魔物……。

 魔王の配下の魔族のニ倍はあろうかとい体格の悪魔羽根の生えた魔物だった。

 どこからか転移してきたと思われる飛行型の魔物達は闇属性の球を作り出すと王都の街中へ一斉に撃ち込み始めた。


ードーン! ドーン! ドーン!ー


「うわっ! なんだ!」

「あれを見ろ! 悪魔だ!」

「きゃあぁぁぁっ!」

 同時に王都の中から何人もの大きな悲鳴が一斉に聞こえてきた。

 恐らく王女の催しを見ていた見物人が攻撃に気付いたのだろう。しかし

「王都の皆様、私達は神様の加護を受けています! 大丈夫です!」


ーパアアァァァッ!ー


 王女が民衆に呼びかけたと同時に半球形の光のドームが展開され王都を守る様にすっぽりと包み込んだ。

 これでドームに覆われていないのは南門と王都中央の天体観測用の高い塔だけとなり、これで王都は一応の安全が約束された。

 だがそれもいつまで保つか、王女の展開した光の壁ならかなりの強度はあるのだろうが……。

 飛行型の魔物が今更現れたのも不明だが転移されてきたという事は転移させた何者かが居るという事である。

 それが何者かはフィーナにも分からないがとても楽観視は出来ない。

 しかし、空を埋め尽くす程の飛行型の魔物達はその数が尋常では無かった。

 暗視効果を付与しているフィーナの目には空が空が緑がかった真っ白に見える程だ。

 飛行型の魔物達は光の壁への攻撃に集中しており、強固な王女の光の壁と言えどいつまでも持ち堪えられる様には思えない。

 空中戦における頼みの綱の魔王配下のワイバーン隊はほとんどが地上攻撃に参加しており、空中に振り分けれる余力は無い様だ。

 魔王とエルフィーネを乗せた黒竜ダインスレイフも、敵の後列に居る一匹のドラゴン相手に大立ち回りを演じている最中だ。

 彼等もやはり光の壁の援護に来られる状況では無い。

(…………)

 このまま状況の推移を見ていて良いものかとフィーナは思う。

 新たに現れた飛行型の魔物は五桁は越えている様に見える。

 放っておいては王国軍に向かってくるにしろ王都に向かうにしろ、どちらであっても放っておいては取り返しのつかない事になってしまう。動くとすれば今を置いて他にない。

「グレースさん、少し外します。すぐに戻りますので……すみません!」

 負傷兵の治療を一段落させたフィーナは、近くで予備兵のやりくりに四苦八苦しているグレースに声を掛けると彼女の返事を待たずに南門の裏に引っ込んだ。

「うわあ〜、腹が〜!」

「神官様〜、助けてくれ〜!」

「俺は故郷に妻と娘を残してるんだ〜! 見捨てないでくれ〜!」

 南門の反対側は負傷兵と聖職者でごった返していた。

(…………)

 先を急ぐフィーナは人混みの間を通り過ぎながら、負傷兵達に全員に行き渡る様にヒールを大雑把に範囲で掛けていった。

 ふと上を見ると王女が展開した光の壁によって王都の上空は光輝いており、外部の状況はさっぱり分からない。

 街の裏手に入ったフィーナは転移の準備に入る。街の住人は皆、王女の催しの見物に出ているのか人の気配は感じられない。


ーブウゥゥゥンー


 転移した先は王都の中央に高くそびえ立つ天体観測用の塔の頂上に近い場所だった。

 全周にわたって大きめの窓が開けられており、室内には何かの蔵書が収められた本棚やフィーナの目には年代物に感じる望遠鏡が置かれている。

 窓の外に見えるのは空を飛ぶ人型の魔物の集団だ。

 空を埋め尽くす魔物に対しフィーナは纏めて狙いをつける。


ーシュウウウゥゥゥ……ー


 神力をこれまでにない程に集中させていく。今のフィーナは神力を集中させた右手だけではなく全身が輝いている。

 高まり過ぎた神力の影響か部屋の中には風が吹き荒れ、重いはずの本棚がグラグラと揺れている。そして

「はあぁっ!」


ーババババババババババババッ!ー


 フィーナの右手から放たれた無数の光は通常のセイクリッドアローより大きい光の矢であった。

 それぞれが意志を持つミサイルの様に空を飛ぶ魔物達に向かっていき


ードドドドドドドドドトドドーン!ー


 魔物に命中した光の矢は白い爆発を起こし、空を更に白く染めていく。白い爆発が収まった時には空は元の暗闇へと戻っていた。

 フィーナの暗視を付与した片目にも空は緑がかった暗闇に見えており、それは空を埋め尽くしていた魔物達を残らず殲滅してしまった事を意味する。

(あ……)

 ふと、塔の下の方を確認してみるとさっきまで展開されていたはずの王都を覆っていた光のドームは消えてしまっていた。

(間に合ったみたいですね……)

 どうやら光のドームは魔物の攻撃によって限界が近かった様だ。

 フィーナの魔物への攻撃がもう少し遅れていたら王都はどうなっていたか分からない。

(力、使い過ぎたかな……)

 フィーナは手を握って神力を込めようとしたが、思った以上に神力の集まりが良くない。

 魔物の殲滅に全力を注いだ為が神力は殆どを使い果たしてしまった様だ。

 後で天界のレアに神力を都合して貰わなければ……と、フィーナが考えながら階下への階段を探していると


ーチリンチリンー


 ふいに誰かがフィーナ特性のハンドベルを鳴らす音が聞こえてきた。フィーナがハンドベルを渡した相手は多くない。

 確かアルフレッドにミレット、エルフィーネの三人が持っていたはずである。

 音が鳴らされている場所はそう遠くない。

 窓からフィーナは音の発生源を目視で確認する。

 街の明かりはいつもより少ないが暗視が付与されているフィーナの目には何の問題も無い。

 音の発生源は王都の南、目抜き通りから一本入った裏通りで女神と踊るニワトリ亭のすぐ近くだ。

 いつも、剣の稽古を終えてから公衆浴場に向かう馴染みのある通りである。


ーチリンチリンチリンー


 フィーナに急いで来てほしい事を伝えるかの様にハンドベルは絶え間なく鳴らされている。

 もしベルを鳴らしているのがアルフレッドだとしたら何かの危険を伝えているのは間違いない。

 彼がこれほどベルを鳴らす事などフィーナの記憶には無かった。

(急がないと……!)


ーパアアァァー


 迷っている時間は無い。フィーナは音の発生源に向けて転移を開始した。



 フィーナが転移した先は王都の裏通りで違いはなかったが転移先にアルフレッドの姿は無かった。


ーチリンチリンチリンー


 ハンドベルの音はまだ聞こえており転移した場所から少し離れている様だ。

(もう神力が……!)

 どうやら今の転移でフィーナは完全に神力を使い果たしてしまった様だ。後は現地まで走っていくしかない。

(間に合って……!)


ータッタっタッタッタッー


 現場で何が起きているのかは分からないがフィーナはハンドベルかが鳴らされている場所へと急ぐのだった。

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