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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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【少女戦士】のスキル

 ならばこちらも反撃させてもらう。俺はスキル【怪力】を発動。そして星の弾を回避しつつ朝野との距離を詰めていく。俺の拳が一撃でも決まれば――



「甘いにゃ!」



 朝野は星の連打をやめ、一個の星を生成してその上に飛び乗る。そして星を自在に操って飛行し始めた。そんなのアリかよ、これじゃ拳の当てようがない。



「つーかおい、そんな目立つことやってたら一般人に目撃されて騒ぎになるぞ!」

「どうせ後で皆の記憶は都合良く改竄されるんでしょ? だったら問題ないでしょ!」

「そりゃそうだけど……。あとそんなミニスカートで空を飛んだら……見えるぞ!」

「なにゃっ!? 秋人くんのエッチ!!」



 顔を赤くしてスカートを両手で押さえる朝野。意外と女の子らしい反応を――



「なーんてにゃ。アニメと同じく少女戦士のスカートの中は絶対に見えないようになってるんだよ。子供達はちょっと刺激が強いからね!」

「なん……だと……!?」



 確かにいくら目を凝らしても、どういうわけか朝野のスカートの中が見えない。この高さなら絶対に見えるはずなのに……って戦闘中に何をやってんだ俺は。



「アタシのパンツに気を取られてる場合かな? 必殺〝綺羅星弾・雨〟!!」



 上空から無数の星が雨のように降り注ぐ。星は屋上のコンクリートに衝突して次々と爆発を起こし、その度に爆風が吹き荒れコンクリートの破片が飛散する。このままだと俺の身体が保たない。しかも下手したら屋上から突き落とされてしまう。


 俺は駄目元で朝野が乗っている星を狙って【操縦】を発動した。が、何も起きず。やはり本来乗り物じゃない物体に【操縦】は適用されないらしい。もし成功していたら星のコントロールを奪って朝野を突き落とすことができたというのに。屋上じゃ【潜伏】も使えないし……。



「悪い怪人さん! そろそろ観念するにゃ!」

「誰が怪人だ!」



 どうやら気分もすっかり少女戦士のようだ。しかしこの状況を何とかしないと、俺もアニメの怪人のように倒されてしまう。何か手はないか。せめて朝野を空中から引きずり下ろすことができれば――


 その時俺は、今日の体力測定の直前に投げた石のことを思い出した。そうだ、俺の腕力があれば……!


 俺は近くに落ちていたコンクリートの破片を拾い上げ、悠々と飛行する朝野を目がけて思いっきり投げつけた。



「うわっ!? 危なっ!!」



 惜しくも避けられる。俺は間髪入れず破片を拾っては投げ、拾っては投げた。朝野が爆発を起こしまくったおかげでそこら中に破片が散らばっているため、投げる物には困らない。動き続ける対象に命中させるのは至難の業だが、下手な鉄砲も数打ちゃ当たるだ。



「うわっ、うわわっ!! ちょっとストップストッ――きゃあっ!!」



 ついに破片の一つが星に直撃し、爆発を起こした。衝撃が加わると爆発する性質を利用させてもらった。



「あいだっ!」



 乗り物を失った朝野が屋上に落下する。すかさず俺は【怪力】を再発動し、朝野に向けて突っ走る。



「ま、待って!!」

「待たん!!」



 俺の渾身の一撃が、朝野に炸裂。朝野の身体は屋上から吹き飛び、遠くの送電塔に直撃した。オーバーキルだったか?



「秋人!」



 背後の声に振り返ると、そこには慌てた様子の春香が立っていた。



「真冬から連絡があって来てみれば……転生杯の参加者と闘ってたの!?」

「ああ。だけど安心しろ、もう勝負はついた」



 と、思ったのだが……。



「いったーい!! レディになんてことするにゃー!!」

「……は!?」



 遠くから朝野の大声が響いた。まさかまだ生きてるのか!? 【怪力】で強化された俺の拳をまともに喰らったんだぞ!?


 朝野は再び星に乗って屋上に舞い戻り、俺の前に華麗に着地した。



「今ので勝ったと思ったでしょ? 残念、少女戦士の身体は凄く頑丈なんだにゃ!」

「……まじかよ」



 普通は一撃喰らうだけでも即死レベルだというのに。少女戦士恐るべし。



「おやおや? どうやらもう一人の参加者も来てくれたみたいだね。探す手間が省けちゃった。秋人くんを倒したら、次は君だにゃ!」



 春香を指差して宣言する朝野。春香がまともに闘えるとは思えないし、朝野相手では手も足も出ないだろう。春香の為にもこの勝負、敗北は許されない。



「秋人、絶対勝ちなさいよ! アタシの命も懸かってるんだから!」

「ああ、分かってる。春香は安全な場所に隠れてろ」



 先程の俺の一撃、朝野は大して効いていないように振る舞ってはいるが、確実にダメージは入ったはず。それは朝野の表情を見れば分かる。そろそろ野次馬も来そうだし、早めに決着をつけたいところだ。



「その打撃力、普通じゃないね。スキルでパワーを上げてるのかな? だったらアタシも闘い方を変えてみよっと!」



 また星の弾を放ってくると思いきや、朝野はステッキを放り投げ、俊敏な動きで俺に殴りかかってきた。俺は咄嗟に両腕を交差させて朝野の拳をガードする。



「ちょっ、おい! そんなの少女戦士の闘い方じゃないだろ!」

「ふふん、秋人くんって日朝アニメちゃんと見たことないでしょ。少女戦士はむしろこういう肉弾戦の方が得意なんだにゃ!」



 そうなのか!? 幼女向けアニメのキャラって魔法とか呪文を使って攻撃するイメージが強かったけど、どうやら認識が甘かったらしい。



おかげさまで評価ポイントが7000を超えました。次は8000を目標に頑張りますので、応援よろしくお願いします。

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