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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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綺羅星の少女

 27という数字は十中八九、転生杯の痣を意味している。つまりこれは③転生杯の参加者からの挑戦だ。おそらく現在俺が探している奴と同一人物だろう。向こうから接触を図ってくるとは、探す手間が省けるというものだ。


 時間は今日の放課後か……。ってもう放課後じゃないか。俺は廊下を突っ走り、屋上に続く階段を駆け上がる。



「真冬、転生杯の参加者から果たし状が届いた。これから屋上でそいつと闘う」



 その途中、一応俺はスマホで真冬に状況を報告した。



『大丈夫? もし何かの罠だったら……』

「いや、多分その心配はない」



 手紙の馬鹿っぽい字と文章を見る限り、罠を仕掛けるようなタイプではないだろう。そう思わせることも含めて罠という可能性もなくはないが。



『学校の屋上は監視カメラがないから、私の方から視覚面でのサポートはできない。気を付けて』

「そうか。分かった」



 屋上に着いた俺は、呼吸を整えながら周囲を見回す。間もなく短髪で小柄な女子生徒が目に留まった。果たし状の送り主は彼女で間違いないだろう。



「遅いにゃー!! どれだけ待ったと思ってるんだにゃ!!」



 にゃ!? 語尾があざとい! それはさておき、どうやらご立腹のようだ。ライブを観に行ってたせいで果たし状に気付くのが遅れた、なんて言えない。



「……あの果たし状はお前が?」

「その通り! 私は一年E組、朝野比奈! 転生杯の参加者にゃ!」



 右腕の〝27〟の痣を見せつける朝野。参加者同士が初めて接近すると痣が赤く光るはずだが、今は反応なし。つまり既に反応済みということだ。それは俺が千夏にハンカチを返したあの時で間違いないだろう。



「俺は月坂秋人。俺の存在には前から気付いてたよな?」

「まあね。ちょっと前に痣が反応した時はビックリしたにゃー。この学校に他にも転生杯の参加者がいるの!? ってね。そんで二年生に二人の転入生が来たって話を聞いて、その人達が参加者だってすぐにピンときたちゃった」

「どうして痣が反応した時、姿を現さなかった?」



 果たし状を送りつけてくるくらいだから、闘いを怖れているわけではないだろう。一般の生徒が巻き込まれるのを避けたかったからか?



「いやー、あの時はお昼ご飯をいっぱい食べ過ぎてお腹が苦しかったから、闘うのはマズイと思って」



 そんな理由かよ!?



「ったく、お前のせいでこっちはかなり面倒なことになってたんだぞ……」

「ん? 何の話にゃ?」

「……何でもない」



 こいつがすぐに現れてくれてたら、千夏が参加者かもしれないと疑いを持つことはなかったというのに。まあ過ぎたことは忘れよう。



「俺をここに呼び出したのは、俺と闘う為だよな?」

「大正解! でもただ呼び出すだけじゃ面白くないと思って、果たし状の見た目をラブレターっぽくしてみたにゃ。まー今時あんなのに騙される人なんていないだろーけど」



 見事に騙されたよちくちょう!! 俺のドキドキを返せ!!



「さて秋人くん。アタシからの挑戦、受けてくれるかにゃ?」

「……勿論だ。他の参加者を脱落させて最後まで生き残る、それが転生杯だからな」

「ふふっ。その意気だにゃ」



 俺は頭を戦闘モードに切り替える。屋上は俺達二人しかいないので、生徒を巻き込む心配もない。まずは朝野がどのようなスキルを使ってくるか様子を見て――



「それじゃ、スキル発動にゃ!!」



 朝野の身体が眩い光に包まれ、俺は咄嗟に両目を腕で覆った。早速スキルかよ! 一体何が……!?


 やがて光が収まると、いつの間にか朝野の服が可愛らしいピンク色のフリフリ衣装に変わっていた。しかも短髪から長髪になり、身長も伸びている。変身したのか……!?



「アタシのスキルは【少女戦士】! ズバリ少女戦士になれちゃうスキルだにゃ! どうどう!? カワイイでしょ!! カッコイイでしょ!!」

「あ、ああ……」



 なんかどっかの日朝アニメで見たようなデザインだな。というか絶対それを意識してるだろ。どう見ても動きづらそうな格好だが、そこに触れるのはタブーだろう。


 それにしても少女戦士か……。仮に【略奪】で奪って俺が発動したらどうなるのやら。発動中は強制的に性転換するのか? そもそも男の俺には発動不可なのか?


 色々と未知数だから、今回【略奪】を使うのはやめておこう。一応朝野を無力化するという目的でなら奪う意味はあるのだろうが、それは最終手段だ。



「いっくよー! 必殺〝綺羅星弾〟!!」



 朝野が持つステッキの先から、星の形をした大きな物体が放たれた。俺は反射的に右の拳でそれを粉砕し――



「いだっ!?」



 ようとしたが、その星は俺の拳に触れた瞬間、小さな爆発を起こした。



「にゃっはっはー! 驚いたでしょ! アタシが放つ星は衝撃が加わると自動的に爆発するんだにゃ!」

「……はっ。外見に反して随分と物騒な技を使うんだな」

「そんな悠長にしてられるのも今の内だよ! 必殺〝綺羅星弾・連〟!!」



 朝野が俺に向けて次々と星の弾を放つ。俺はそれらをかわし続けるが、全てを見切るのは難しく、いくつかの星が俺の身体に直撃した。一発一発の威力はそれほど高くないが、喰らい続けるとマズそうだな……。



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