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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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デートの終わり

「ありがとうございます。一生の宝物にします」

「はは、一生て。やっぱり大袈裟だな千夏は」



 さて。もうすぐこのデートも終わるし、そろそろ本気で千夏の右腕を確認する方法を考えなければ。春香の前ではカッコつけたけど、今のところ何のアイデアもない。俺が思考を巡らせていると、春香と別れ際に交わした会話が頭をよぎった。




  ☆




「春香。昨日真冬が言ってた三つの可能性の話、覚えてるよな?」

「ええ。千夏ちゃんは①ただの一般人。②転生杯の参加者で、何かの策略のために正体を隠して秋人に近づいてきた。③転生杯の参加者だけど、その自覚がない。簡単に言うとこんな感じよね?」

「ああ。今日の千夏を見て、春香はその三つの内のどれだと思った?」

「ま、ほぼ間違いなく①でしょうね」

「だよな、俺もそう思う。でも万が一……万が一だぞ? ②か③だった場合、つまり転生杯の参加者だった場合はどうする?」

「その時は千夏ちゃんを仲間にしちゃいましょ! 前にも言ったけどアタシは四人チームを結成するつもりだから、あと一人必要なのよ!」

「随分と簡単に言うんだな……。③ならともかく、②の場合はまず無理だろ。皆が皆、俺みたいにチョロイ奴だと思わない方がいいぞ」

「大丈夫、イケるイケる。秋人と遊んでる時の千夏ちゃん、心から楽しそうにしてたじゃない」

「いやいや。正体を隠してるんだとしたら、それも演技に決まってるだろ」

「ううん、あの笑顔は演技じゃないわね。アタシの女の勘がそう言ってる。たとえ秋人を陥れる目的で接触してきたのだとしても、本心はそう簡単に偽れないものよ」

「女の勘ねえ……」

「何よ、信じられないの? とにかくその時は千夏ちゃんの説得、頼んだわよ!」




  ☆




 あの時は万が一のことを考えてしまったが、やはり千夏が参加者だとは思えない。というか思いたくない。それを証明する為にも、痣の有無の確認は必須事項だ。


 つーか今更だけどたかが右腕を見るだけなのに、なんでこんな回りくどいことしてるんだろ。いっそストレートに右腕を見せてと言えば済む話じゃ――いやそれだと不自然だからもっと自然な形で――ってその自然な形を作り出すために今日デートしたんだった。いかん頭が回らなくなってきた……。



「秋人さん、どうしました? さっきから私の腕を見つめてますけど……」

「っ!?」



 しまった、無意識に視線が……!! 一か八か、このままの流れで言っちゃうか? いやでもなんて言えばいい? パニックに陥った末、俺は千夏にこう言った。



「実は俺、腕フェチでさ。もしよければ千夏の腕を見せてほしい」

「……はい?」



 うわああああああああああやっちまったああああああああああ!! これ春香がふざけて言ったやつじゃねーか!! こんなの右腕を見せてくれるどころかドン引きされるに決まってる!! 終わったああああああああああ!!



「わ、私の腕が見たいんですか?」

「ん!? いや、まあ」

「それくらい別に構いませんけど……」

「だよな……えっ!? いいのか!?」

「はい。そんな大したものでもないと思いますけど……」



 まさかの展開である。今の発言でこんなアッサリ見せてくれるなんて、一体誰が予想できようか。今日一日の苦労は何だったんだ。



「えっと……袖を捲ればいいんですよね?」

「あっ、待った! できれば左より右腕の方がいい!」

「こ、拘りがあるんですね……」



 右の袖に手をかける千夏。ついにこの時が来た。



「そんな真剣な目で見られると、なんだか緊張しちゃいますね……」



 千夏はやや恥ずかしそうにしながら、静かに袖を捲っていく。果たして痣はあるのか、ないのか……!?


 間もなく千夏の右腕が露わになった。痣は――なかった。


 俺はその綺麗な右腕を凝視する。何かで塗り潰しているようにも、覆い隠しているようにも見えない。正真正銘、千夏は一般人だ。



「へああ……」



 脱力のあまり、思わず変な声が出てしまった。そうだよな、千夏が転生杯の参加者であるはずがない。真冬は参加者の自覚がない可能性まで考慮していたが、それも完全になくなった。



「お、お気に召しましたでしょうか……?」

「ああ。本当によかった」



 その代わり千夏には変なフェチがある人だと思われただろうが、まあそれくらいは些細なダメージだ。しかし何故千夏の記憶が改竄されなかったのか、あの時痣が反応したのは何だったのかという疑問が残るが……。まあ、それは後で考えるとしよう。



「星が綺麗ですね」

「……そうだな」



 しばらく夜空を眺めていると、ベンチの上で互いの小指が触れ合った。千夏は手を引っ込めることもなく、顔を赤くして俯いている。これはもしかして……握ってほしいという意志表示なのだろうか。



「……秋人さん、今日はありがとうございました。本当に楽しかったです。それで、その、もし秋人さんがよければ、またこうして二人で出かけたりとか――」

「千夏」



 俺は千夏の言葉を遮るように呟く。そして千夏の小指から手を離しながら、俺はこう口にした。



「俺達が会うのは、今日で最後にしよう」

「……え?」



コロナのせいでとうとう職場が閉鎖されてしまいました……しばらく収入ないかも……。

どうか助けると思ってブックマークと評価をよろしくお願いします……。

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