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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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本人確認

コミカライズ第4話が更新されました!是非読んでみてください!

「ふー、危ねえ危ねえ……」



 土煙の中から赤来が姿を現し、再び両者が対峙する。



「お前、何故生きている……!?」

「いやー、俺様も死んだかと思ったわ。地面にぶつかる寸前に身体を空気で包んだおかげで助かったぜ。それが間に合わなかったら今頃あの世だろうな」

「空気をクッション代わりにしたのか……!?」

「そういうこと。さすがにノーダメージとはいかなかったけどな……」



 その言葉通り、赤来は立っているのがやっとの状態であった。しかしそれは昼山も同じである。



「つーかお前こそなんで生きてんだよ。ビル十階ぐらいの高さから落ちたよな? いくら仮転生体でも死ぬだろ普通」

「生憎、身体の頑丈さには自信があってな。同じくノーダメージとかいかなかったが」

「いやいや頑丈ってレベルじゃねーだろ。化け物かよ」



 昼山も赤来も満身創痍。それでも互いに一歩も退く気はなかった。



「そんじゃ続きといこうか、天才クンよぉ!」

「……望むところだ」



  ☆



 朱雀から強烈な一撃をお見舞いされ、俺は雑木林の中で横たわっていた。インカムから何度も響く真冬の声で、なんとか意識を保っている状態である。



「秋人!!」



 その時、誰かがこちらに走ってくる姿が見えた。春香だ。



「よかった、まだ生きてるみたいね……!」

「春香……本物か……?」

「は!? まさかアタシのこと疑ってんの!?」

『大丈夫、その春香は本物だから』



 真冬がそう教えてくれたが、春香に化けた朱雀からぶん殴られた直後なので、どうしても警戒してしまう。何か本物だと確かめる方法はないものか。合言葉でも決めておくべきだったか……。あ、そうだ。



「春香、ちょっとパンツを見せてもらっていいか……?」

「こんな時に何言ってるの!? そんなの後でいくらでも見せてあげるわよ!」



 よかった、この春香は間違いなく本物だ。これで恥ずかしがったり軽蔑したりすれば偽物だった。たとえ本人の記憶を得ようと咄嗟の反応までは真似できないだろう。



「待ってて、今すぐ戻してあげるから!」



 春香が俺の身体に触れて【逆行】を発動させると、みるみるうちに傷が消えていく。やはり凄いスキルだ。



「俺、いつも助けられてばっかりだな……」



 ふと、俺はそう呟いた。八つものスキルを所持していながらこの体たらく、自分の不甲斐なさが嫌になる。今回も真冬と春香がいなかったら、俺はとっくに――



「ふがっ!?」



 すると突然、春香が両手で俺の顔を挟んできた。



「馬鹿ね、仲間なんだから助け合うのは当たり前でしょ。そのことに負い目を感じる必要なんてないの。てか一人で何でもできたらチームを組んでる意味ないじゃない。だから遠慮なくアタシ達を頼りなさい!」

「……そうだな」



 春香の言葉に元気を貰い、俺は小さく笑みをこぼした。



「ってごめん、スキルを中断しちゃったわ。急がないと……」

『秋人、春香! 変身女がそっちに近づいてきてる! 多分もうすぐ見つかる!』

「えっ、もう!?」



 真冬から報告が来ると同時に、春香が驚いた。春香もインカムを付けているので同じ声が聞こえているようだ。



「秋人の身体、まだ完全に元通りになってないのに……!!」

「……いや、十分だ。ありがとな春香」



 俺は立ち上がり、服に付いた土埃を手で払う。確かに万全ではないが、致命傷を負う前の状態には戻ったので支障はないだろう。



「春香は今の内にここを離れてくれ。痣の反応で春香の存在がバレてしまう」

「何言ってんの、ここまで来たからにはアタシも一緒に闘うわ!」

「気持ちは嬉しいけど、赤来という男は危険だ。次に何を仕掛けてくるか分からない。それは春香が一番よく分かってるんじゃないか?」

「……!」

「だからいざという時の為に、春香は安全な場所に隠れていてほしい。もし春香の身に何かあったら、また俺が大怪我した時に困るからな」



 春香は少しだけ逡巡する様子を見せた後、小さく頷いた。



「分かった。負けるんじゃないわよ秋人!」

「ああ」



 春香はこの場から走り去っていった。できるだけ危険を冒さずに転生杯で勝ち抜きたいとか言いながら、こうして俺がピンチの時にはちゃんと駆けつけてきてくれる。何だかんだ言って、やっぱり春香も仲間想いだな。



「……っと」



 俺は立ち上がろうとしたが、全身に痛みが走り膝をついた。春香のスキルの後遺症か。まだ満足に動けそうにないし、朱雀に見つかるまで大人しく待機するとしよう。



『秋人、勝算はある?』

「……正直何とも言えないな。ただ【変身】のタネを暴かない限り、勝つのは難しい気がする」



 何かしらの発動条件や制約があるのはほぼ間違いない。もし誰にでも簡単に変身できたらとっくにやっているだろう。しかし何をしてくるか分からない敵ほど厄介なものはないし、俺が朱雀に勝つには奴のスキルの攻略が絶対条件だ。


 これまで朱雀は変身したのは雪風、雪風弟、佐竹、俺、愛城、鮫島、春香の七人。そして八つのスキルを持つ俺には一度しか変身しておらず、この闘いでは何故か鮫島と愛城の姿でしかスキルを使っていない。このあたりにヒントがありそうな気がする。




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