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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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現役アイドル

 いっそ非常ベルでも押すか? そうすれば必然的に全員屋外へ避難するので神崎と二人きりになれる。よし、そうしよう。適当に「具合が悪いので保健室に行っていいですか」とか先生に言って、廊下に出て非常ベルを押す。我ながら良いアイデアだ。


 いや転入生の紹介中にこんなことを言い出すのは不自然か? そもそも神崎は俺の思惑に乗ってくれるのか? あと火事でもないのに非常ベルを押したら後々面倒なことにならないか? 様々な思考が俺の脳内で錯綜する。


 ええい、迷ってる暇はない! とにかく押すぞ非常ベル! 俺が意を決して手を挙げようとした、その時。



「……!?」



 まるでリモコンの一時停止ボタンを押されたかのように、俺の身体が動かなくなった。いくら気張っても全く動かない。まさかこれは……神崎の【釘付け】か!


 俺を見て不敵に微笑む神崎。やられた、先手を打たれた。【釘付け】は神崎が選んだ対象に強く意識を向けた者の行動を封じる能力。対象は当然、神崎自身だろう。このスキルには以前も苦しめられた。


 だが攻略法は既に分かっている。それは別のものを強く思い浮かべて意識を上書きすることだ。前回は春香と真冬の裸を思い出すことで【釘付け】の解除に成功したので今回もそれでいく。二人の裸よ、再び俺に力を貸してくれえええええ!!



「しかしおっぱいデケーなー。何カップだあれ?」



 おい黙れ圭介!! 神崎から意識を逸らせなくなるだろうが!! いやでも俺が下着姿を見た時はそこまで胸はなかったから、あれはかなり盛って――うおおおおい!! 余計に神崎のことを考えてどうする!! 今は春香と真冬の裸に集中しろ!!



「今日からこのクラスのお世話になります、神崎美奈です。よろしくお願いします」



 神崎が自己紹介をすると、生徒達のザワめきが一層大きくなった。



「えっ!? 神崎美奈って、あのアイドルの!?」

「似てるなとは思ってたけど、本物!?」

「転入生が現役アイドルとかスゲー!!」



 以前対峙した時にも触れたが、神崎はアイドルグループ『アステロイド』のメンバーである。先日リリースした曲が大ヒットして最近はメディアの露出も増えてきたので、知っている生徒も少なくないだろう。



「おい聞いたか秋人!? あの子アイドルなんだってよ――ん? 秋人お前、なんでそんな変なポーズで固まってんだ?」



 こちとら固まりたくて固まってるんじゃねーよ!! ちくしょう、どうしても神崎のことを意識してしまう……!!



「神崎さんの席はあそこね」

「はい」



 結局【釘付け】を解除できないまま紹介が終わり、神崎が教壇を下りてこちらに近づいてくる。まずい、この状態でナイフでも刺してきたら避けられない。スキルの発動はできるから対処は簡単だが、こんな所でスキルを使ったら面倒なことになる。とにかく身体の自由を取り戻さなければ。もっとだ、もっと春香と真冬の裸をイメージしろ!!



「放課後、屋上に来て」



 神崎はそう呟きながら俺の横を通り過ぎる。直後、身体が動くようになった。意識の上書きに成功したのか、神崎が自ら【釘付け】を解除したのかは分からない。とりあえず現時点では神崎も事を荒立てる気はないようだ。俺もこの場での戦闘は避けたいし、今は見逃してやるとしよう。


 ホームルームが終わると同時に、生徒達が蟻のように神崎の周りに群がり始めた。噂を聞きつけたのか、他のクラスの生徒達も続々と入ってくる。その様子を圭介と俺は遠くから眺めていた。



「ははっ、早くもすげー人気だな。転入生の先輩としてどう思うよ?」

「……ほっとけ」



 俺の時でさえわりと多くの生徒が話しかけてきてくれたのだから、現役アイドルとあってはこうなるのは必然だろう。


 それはさておき、気になるのは春香から何の連絡もないことだ。B組はすぐ隣りの教室なので痣の反応圏内だろうし、神崎の登場によって春香の痣が反応したはずだ。


 まったく春香の奴、あれほど釘を刺したというのに。ホームルーム中で連絡しづらかったのは分かるが……。



『春香、異変を感じたらすぐに知らせろって言っただろ』



 俺はこの文面をLINEで春香に送信した。直接会いに行こうかとも思ったが、教室の出入口が神崎を見に来た大勢の生徒で塞がれていて廊下に出るのも苦労しそうだったので断念した。



『異変? 何のこと?』



 数秒後、春香から返信が来た。それを見て俺は首を傾げる。



『ホームルーム中、何もなかったか?』

『うん』

『本当に?』

『しつこいわね。何か起きてたらすぐ連絡してたわよ』



 この返答を見るに、春香の痣は反応しなかったと思われる。一体どういうことだ。まさか春香と神崎は既にどこかで会っている? しかし春香からそんな話は……。



 ――芸名は忘れたわ。転生杯の参加者でありながらアイドルになるなんて、本当どうかしてるわね。



 ふと、以前の春香の台詞が脳裏を過ぎった。そうだ、春香はかつての仲間の一人が今はアイドルをやってる的なことを言っていた。やはりあれは神崎のことだったのか? それなら春香の痣が反応しなかったのも辻褄が合う。




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