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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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勉強の成果

「……上等だ。遊び相手になってやるよ」

「ハッ、たった一人で何ができる!! 潔く地獄に堕ちろ!!」



 巨大氷人形の右腕が迫ってくる。俺は【怪力】により強化された拳で反撃した。



「……っ!!」



 威力を殺しきれなかったため、俺の身体が吹き飛ばされる。その代わり奴の右手を粉々にできた――が、瞬く間に修復されてしまった。そういや再生能力も備わっていたな。



『秋人、大丈夫!?』



 インカムから真冬の声が響く。今の一撃は効いたが、致命傷というほどではない。



「……ああ。けど、やっぱりパワーじゃ敵わないな」



 端から見れば絶対絶命のピンチだろう。しかし俺は至って冷静だった。



『待ってて秋人、今作戦を――』

「いや、俺に考えがある」

『……!?』



 これはハッタリなどではない。〝あのスキル〟なら奴に対抗できるはずだ。



「終わりだ月坂秋人!! あの世で貴史に詫びるがいい!!」



 立ち上がろうとした俺を潰そうと、巨大氷人形が両手を振り下ろす。その衝撃でグラウンドの地盤が崩壊した。



「僕の勝ちだ!! ハハハハハ――ん?」



 雪風が高笑いを止める。俺の姿がどこにも見当たらないからだろう。



「どこに消えた……?」

「お前の目は節穴か?」



 俺がいたのは巨大氷人形の顔の前――つまり空中だった。【重力】を発動して俺自身にかかる重力を操作しているのだ。



「浮いているだと!? 君にそのようなスキルはなかったはず……!!」

「甘く見られたもんだな。お前と闘った時から、俺が何も変わってないとでも思っていたのか?」



 この【重力】はつい最近手に入れたスキル、雪風が知らないのは当然だ。そのまま俺は横方向に重力をかけて移動し、右手を奴の肩に触れさせた。



「くっ……離れろ!!」



 巨大氷人形が俺を振り払おうとしてきたので、今度は下方向に重力をかけて回避し、崩壊した地面の上に着地した。



「フン。新たなスキルを使えたところで、結局は僕の攻撃を避けるので精一杯。君に僕は倒せない!」

「……それはどうかな」



 既に布石は打ってある。この時点で勝負はついた。




  ☆




 これは俺が中間試験の再テストに向けて必死に勉強していた時のこと。



「んー……」

「どうしました秋人さん?」



 ある問題で詰まっていたところ、俺の教育係を務める千夏が声を掛けてきた。



「ちょっとここが分からなくてさ。『体重60kgのA氏が月に行った場合、A氏にかかる重力の大きさを求めよ(小数点以下切り上げ)』ってやつ」

「重力の問題ですね。月の重力が地球の6分の1というのは知ってますか?」

「そりゃまあ。そうか、単純に60÷6=10で答えは10kgだな!」

「あはは……」



 苦笑いの千夏。どうやら違うらしい。



「重力の大きさを求める公式は分かりますか?」

「公式なんてあるのか?」

「はい。W=mgです」



 なるほど全然わからん。



「えっと、日本語に直すと重力=質量×重力加速度です。地球における重力加速度は9.8m/s^2で、これは1kgあたりにかかる重力の値です。つまり60kgの人にかかる重力は60×9.8=588Nとなります。あ、Nというのは重力の単位です」

「……うん」

「す、すみません。ちょっと説明が早かったですね」



 その後も千夏が熱心に教えてくれたおかげで、なんとか理解することができた。要するに重力は質量に比例するわけか。誰だよ60÷6=10kgとか言ってた馬鹿は。



「それじゃ地球上で588Nってことは、月の重力は地球の6分の1だから、答えは588÷6=98Nか」

「はい。ちなみに月の重力加速度は1.62m/s^2なので、60×1.62=97.2N≒98Nでも正解です。これなら計算式は一つで済みますね」

「なるほどなー。ありがとう千夏、千夏が教育係を引き受けてくれて本当に良かった」

「い、いえ! これくらいお安い御用です!」




  ☆




 ふと、千夏とのワンシーンが脳裏を過ぎった。あれからそんなに時間は経ってないはずなのに、今となっては遠い思い出のように感じてしまう。



「知ってるか? 重力ってのは質量に比例するんだよ」



 そう言って俺は指を鳴らす。次の瞬間、地震で倒壊するビルのように、巨大氷人形の全身が崩れ始めた。



「な、何だこれは!? 一体何をした!?」



 雪風の動揺の声が響く。巨大氷人形は必死に藻掻いているが、崩壊が止まることはない。



「大したことはしていない。ただお前にかかる重力を増加させただけだ」



 俺の【重力】は自身以外の物体の重力を操作する場合、いきなり10倍にしたり10分の1にしたりはできず、その範囲は俺の接触時間により変動する。つまり俺の触れた時間が長いほど、より大きく重力を変化させることができる。


 先程俺は右手を巨大氷人形の肩に触れさせた。接触時間が短かったため、変動範囲はせいぜい二倍が限界。だが巨大氷人形は見るからに馬鹿でかい質量なので、元々相当な重力がかかっているはず。それを二倍にしたらどうなるか――自身の重力に耐えられず、身体を保てなくなるというわけだ。


 いくら再生しようと俺が【重力】を発動している限り、巨大氷人形にかかる重力は変わらない。むしろ再生したところで崩壊が長引くだけなので悪足掻きにしかならない。




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