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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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遊園地

「実はこの遊園地に、転生杯の参加者が――」

「参加者が現れたのか!?」

「現れたとか、現れていないとか」

「……ん、んん?」



 真冬にしては情報があやふやだな。



「とにかく、この遊園地の中に参加者がいるかもしれないってことだな?」

「そういうこと」

「もしそれが本当なら放っておくのはマズいな。下手したら大勢の一般人が巻き込まれるし、その前になんとかしないと……。てか、そういう大事なことはもっと早く言ってくれよ。勿体ぶる必要なかっただろ」

「……確かに」

「確かにって……」



 今日の真冬、なんか変だな。どうも言ってることに整合性がないというか、いつもの真冬らしくない。



「真冬、具合でも悪いのか?」

「とっても元気。とりあえず入手した情報をもとに、その参加者が現れそうな場所を回ってみる。ただし警戒心剥き出しの顔してたら私達も参加者だと相手に気付かれて先手を打たれるかもしれないし、私達は普通に遊んでるフリをした方がいい」

「俺が言うのもなんだけど、そこまで用心しなくても。そもそも顔が見える距離まで接近したら互いの痣が反応するから、どのみち気付かれるんじゃ――」

「いいから言う通りにして。分かった?」

「お、おう……」





 真冬に押し切られるまま最初に訪れたのは、お化け屋敷だった。



「私の調査によれば、ここに例の参加者が現れる確率は83%」

「めっちゃ高いな。なんでまだこんな所に?」

「きっとお化けに扮してここに入ってきた参加者を襲う算段なんだと思う。真っ暗かつ狭い場所なら奇襲も成功しやすそうだし」

「入ってくるかも分からない参加者を待つって、気が遠くなりそうな話だな……」

「とにかく入ってみよ」



 俺と真冬は足を踏み入れ、暗闇の中を進んでいく。まあ、よくあるお化け屋敷だな。本物の幽霊が出てきそうな雰囲気はあるが、数々の死線を越えてきた俺にとっては人間の方がよっぽど怖い。


 一方の真冬はというと、入った瞬間から俺の右腕をとてつもない力で握りしめていた。顔が青ざめているのが暗闇の中でも分かる。



「……真冬」

「何?」

「もしかして、こういうの苦手なのか?」

「まさか。お化け屋敷なんて所詮は人間の創作物。この私が怖れると思う?」



 本人はそう言ってるが、身体の震えがハッキリと伝わってくる。そんな矢先、天井の穴から逆さ吊りのお化けが飛び出してきた。



「きゃあ!!」

「ひょっ!?」



 真冬が俺の右腕に抱きついてきたので、思わず変な声が出た。必然的に二つの柔らかいモノが押し当てられる。うおおおおおお化け屋敷最高!!



「……ハッ!? ご、ごめん!!」



 無意識にやってしまったらしく、慌てて離れる真冬。俺としてはむしろお礼を言いたいくらいだ。それも束の間、真冬が後退した先は墓地エリアになっており、地面の穴から何体ものゾンビが這い出てきた。



「いやあーーー!!」

「ひょーーーっ!?」



 今度は真冬が正面から抱きついてきたので、先程よりも柔らかいモノの感触がダイレクトに伝わってきた。うおおおおおお化け屋敷万歳!!



「ハア……ゼエ……」



 お化け屋敷を出る頃には、真冬はすっかり満身創痍になっていた。フルマラソンでもしてきたのかと思うくらい息を切らしている。



「だ、大丈夫か真冬?」

「全然、平気。ただ、何事もなくて、安堵、してるだけ」



 とてもそうは見えないけども。しかし俺的には素晴らしい体験をさせてもらったし、機会があれば是非また二人で入りたいものだ。





 次に俺達が訪れたのは、ジェットコースター。



「私の調査によれば、ここに例の参加者が現れる確率は88%」

「これまた高いな……」

「ジェットコースターは発進してしまえば逃げ場がなくなるから、例の参加者はそこを狙って仕掛けてくると思われる。だから走行中は十分に注意して」

「走行中に仕掛けるって、そいつ自身もかなり危険だよな……」



 行列に並ぶこと数十分、俺と真冬は車両に搭乗した。重低音と共にゆっくりと最上部まで運ばれていく。この緊張感、なんだか懐かしい。


 お化け屋敷には恐れをなしていた真冬だが、今は実に落ち着いた表情である。ジェットコースターは大丈夫そうだな。やがて車両が最上部に到達し、勢いよく発進した。



「おおおっ!?」



 圧倒的な爽快感に思わず声が出る。逆さになったり一回転したりとジェットコースターのスリルを存分に体験し、気付けばスタート地点に戻ってきていた。三分ほどの乗車時間が一瞬に感じた。



「いやー、楽しかった。けどまあ、スカイカーが墜落した時のスリルに比べたら序の口だよな」



 隣りの真冬に目をやると、発進前と全く表情が変わっていなかった。凄いな、欠片も動じてない。お化け屋敷の時とは別人のようだ。



「どうだった真冬? もしかして物足りなかったか?」

「…………」

「真冬? おーい」



 真冬の目の前で手を振ってみたが、返事がないどころか瞬き一つしていない。間もなく真冬の頭から魂のようなものが抜け出ていくのが見えた。



「えっ、気絶してる!? しっかりしろ真冬!! 真冬ー!!」




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