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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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リフレッシュ

 幾ばくか思案した後、夜神はこう切り出した。



『何があったのか知らないが、そういう時はデートにでも誘って外に連れ出してやったらいい』

「デート!?」

『混迷を極める転生杯の只中だからこそ、時にはリフレッシュも必要だ。それに真冬のような美少女からデートに誘われて嬉しくない男などいないだろう』

「そ、そんなの絶対無理!!」



 異性をデートに誘うなど、真冬には一度も経験のない行為。とはいえ以前千夏が秋人とデートしていたので、自分も遅れを取りたくないという意識は少なからずあった。



『だろうな。だったらストレートに誘うのではなく、何でもいいから口実を作って自然とデートに持ち込んだらいい。それくらいならできるんじゃないか?』

「口実……」



 頭を悩ませる真冬。その優秀な頭脳で秋人達をサポートしてきた真冬だが、こういうことを考えるのは苦手であった。



「分かった、考えてみる。でもいいの? 秋人のこと嫌いなんじゃ――」

『ああ嫌いだ!! 真冬を誑かしたあの男のことは大っっっ嫌いだ!! 真冬とデートしている場面を想像するだけで身の毛がよだつ!!』



 真冬が耳を塞ぐほどの大声がスピーカーから響く。



『だが、真冬の落ち込んだ顔を見るのはもっと嫌なんだ。業腹ではあるが、今回ばかりはあの男に花を持たせてやる』

「……そう」



 何だかんだ言って、夜神は思いやりのある人間だ。これで自分への歪んだ愛情さえなければ、そう思わずにはいられない真冬であった。



『それか、一緒に風呂でも入ってやるかだな。男なんて可愛い女の裸を見ればすぐ元気になる単純な生き物だろう』

「なっ……!?」

『なんてな、冗談だ。まあ真冬がそんなことするはず――』

「そ、それはもう前にやったから、できればその手は使いたくない……」



 ちなみに以前、千夏の一件での罪滅ぼしのため毎日秋人と風呂に入ると宣言した真冬であったが、結局次の日以降は続かなかった。理由は一つ、恥ずかしさには勝てなかったからだ。



『は!? ちょっと待て、それはつまり既にあの男と風呂に入ったということか!? 私と住んでいた時はあんなにガードが堅かったのに、一体どういうことだ真冬!? ちゃんと説明を――』



 話がこじれそうだったので、真冬は一方的に通話と画面を切った。しかし秋人を外に連れ出してリフレッシュしてもらうというのは悪くない案だと素直に思った。問題は口実をどうするか。それから小一時間、真冬はその方法を考えていた。




  ☆




 夢の中で大地との対話を終えて目覚めた俺は、ゆっくりと身体を起こし、スマホを手に取った。まだ正午前か。思ったほど時間は経っていないが、疲労はほぼ消えていた。流石は16歳の身体、回復が早い。



「秋人、起きてる?」



 その時、ドアの向こうで真冬の声がした。俺が返事をすると、コップを持った真冬が心配そうな顔で部屋に入ってきた。



「顔色悪いけど、大丈夫?」

「ああ。ちょっと夢の中で嫌な奴と会っただけだ」

「……そう。はい、お水。致死性の毒が入ってるから気を付けて」

「はいはい。サンキュな」



 真冬の冗談を流しつつコップを受け取り、それを飲み干した。案の定ただの水だ。いつもなら「そんなもん飲ませようとすんな!」とかツッコんだのだろうが、今の俺にとてもそんな気力はなかった。しかしいつまでも落ち込んでるわけにはいかないし、早く立ち直らないと……。



「身体の調子はどう?」

「少し寝て疲れも取れたし、特に問題なさそうだ」

「それはよかった。だったら、その……」

「……?」



 何故かモジモジする真冬を見て、俺は首を傾げる。程なくして真冬は口を開いた。



「ちょっと、付き合ってほしいんだけど、いい?」

「……ん!?」





 そして現在、俺と真冬は肩を並べて駅までの道を歩いていた。付き合ってほしいと言われた時はドキッとしたが、同行してほしいって意味か。そりゃそうだよな。


 思えば真冬と二人きりで出かけるのは初めてのことだ。もう七月上旬だが、幸い今日はそれほど暑くはなく、ちょうどいい気候である。



「それにしても、いつもアジトに閉じこもってる真冬が自分から外に出るなんて珍しいな」

「人を引き籠もりみたいに言わないで。確かに外はあまり好きじゃないけどずっと室内にいるとそれはそれで気が滅入るからたまに気分転換も兼ねて買い物に出かけたりしてる。日中で人の多い所なら転生杯の参加者と遭遇する可能性は低いしデパートもアジトからそう遠くないし」



 なんかめっちゃ早口でまくし立てられた。



「す、すまんすまん。で、これからどこに行くんだ?」



 真冬から目的地を聞かないまま出てきたので、どこに何をしに行くのか俺はまだ知らない。真冬のことだから何か考えがあるのだろうが……。



「それは……着いてからのお楽しみ」

「勿体ぶるなあ」



 電車とバスを乗り継ぎ、アジトを出て約一時間。俺と真冬がやって来たのは、なんと都内の有名な遊園地だった。これは予想してなかった。平日の真っ昼間だというのに凄い人だかりだ。



「真冬、どうして遊園地に?」



 ただ単に遊園地で遊びたいから? いや真冬に限ってそれはないだろう。真冬は目を泳がせた後、こう言った。




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