表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

243/283

明かされる正体

「確かに秋人くん、なんか顔色悪いもんね。了解したにゃ!」



 これで一安心だ。こういう時は同盟を組んでいて良かったと思う。まあ朝野なら同盟関係なく引き受けてくれそうではあるが。



「あ、そういや朝野は今日テストがあるんだっけ」

「そう、再々々テスト! 絶対に合格して退学を回避してみせるにゃ!」

「悪いな、テスト当日にこんなお願いをして」

「全然大丈夫だよ! 春香ちゃんのおかげでテスト対策はバッチリだし、だいぶ心にも余裕があるにゃ! あっ、噂をすれば春香ちゃん! おはよーにゃ!」

「おはよー……って朝野!? なんでアンタがここにいんのよ!?」



 身支度を終えて玄関に来た春香が、朝野の顔を見るなり声を上げる。俺は事情を春香に説明した。



「はあ!? こんなのがアタシのボディガード!?」

「こんなのって酷くないかにゃ!?」

「そもそもボディガードとかいる!? 何度も言ってるけど最近の秋人は過保護すぎ! 自分の身くらい自分で守れるわ!」

「だけど用心するに越したことはないだろ? 俺がいない間に学校で何かあったらと思うと気が気じゃなくて、心置きなく休めないんだ。朝野が一緒なら俺も安心だし、俺の為と思ってさ」

「うっ……そういう言われ方をされると……」



 悶々とした顔を見せた後、春香は頷いてくれた。



「任せて秋人くん! 親友の春香ちゃんはこの私がバッチリ守るにゃ!」

「ああ、頼んだ」

「って誰が親友よ誰が! せいぜい友達でしょ!」

「えっ!? やっと私のこと友達って認めてくれたの!? 嬉しいにゃー!」

「あっ……!! い、今のナシ!!」



 仲良く言い合いながら、春香と朝野はアジトを出た。二人の背中を見送った後、俺は自分の部屋のベッドに転がり込んだ。


 まだ昨日の疲れが完全に癒えてないし、今はいろいろ考えるのをやめて、とにかく身体と心を休めよう。程なくして俺は深い眠りについた。




  ☆




 紫色の空、赤色の地。気が付くと、俺はその空間の中に立っていた。ここには見覚えがある。俺の深層心理の空間ってやつだ。



「よう、秋人」



 目の前で陽炎が揺らめき、その中から一人の人物が現れた。この空間に住み着いている謎の男、大地だ。前回同様、俺が眠っている間に俺の意識を呼び寄せたのだろう。もう今更驚きはしない。



「何の用だよ。悪いが今はお前の相手をしてやれる気分じゃない」

『薄情な奴だな。お前の心からとてつもない〝揺らぎ〟が伝わってきたから、心配して声を掛けてやってんだぞ』

「揺らぎ……?」

『行き場を失ったお前の憎しみ、悲しみ、怒り……。どうやら復讐の失敗が相当効いてるみたいだな』

「見てたのか?」

『前にも言ったろ。ここじゃ外の世界は見えないし音も聞こえてこない、入ってくるのはお前の心の声だけ、ってな。ただ、その声からお前の身に何が起きたのかは大体分かるんだよ』



 相変わらず俺の心はこいつに筒抜けなのか。プライバシーの侵害にも程がある。



「お前に心配される謂われはない。俺を陥れた真犯人は必ずどこかにいる。そいつを見つけ出して復讐を遂げる、それだけだ」

『へえ、思ったより元気そうで安心したよ。まあ、せいぜい頑張りな。僕も応援してるからさ』



 俺は未だに大地のことをほとんど何も知らない。せっかくこうして呼び寄せられたのだから、こいつの正体を暴く良い機会だ。



「そろそろ教えろよ。お前は一体何者だ?」

『くくっ。随分ストレートに聞くんだな』

「俺の思考が読めるのなら、駆け引きは無意味だろ」

『別に心の声が聞こえるからって、お前の思考を完璧に読めるわけじゃない。心と思考は別物だ。しっかし、お前の心の声は毎日エロいことばかりでウンザリだよ。こっちは生殺しもいいとこだ』

「う、うるさい!! 話を逸らそうとするな!!」



 そりゃ可愛い女の子達と同居してたら必然的にそうなる――って、俺が余計なことを考えてどうする。



「いいから答えろ。正体不明の奴に住み着かれてる身にもなってみろよ」

『そうだな。いつまでも勿体ぶるのは性に合わないし、教えてやるよ』



 緊張感か漂う。ついに明らかになる、大地の正体が……!!



『この僕――紅月大地は、お前の前世なのさ』

「……は?」



 予想だにしない発言に、俺は唖然としてしまった。確かに外見は俺と瓜二つだが、こいつが俺の前世だと……!?



「つまり俺は、お前の生まれ変わりってことか……?」

『そういうことになるな。前に夢で見せた通り、僕は第七次転生杯の参加者だった。その転生杯で最後まで生き残った四人の内の一人が僕だ』



 こいつが第七次転生杯の参加者だったのは知っていたが、最後まで生き残ったという話は初耳だ。



「それなら、お前は転生権を手に入れたんだな?」

『ああ。その転生権によって、僕は再び現世に生を受けた。仮転生などではなく正真正銘の転生、赤ん坊からのスタートだ。そして僕は月坂という両親の間に生まれ、秋人と名付けられた。そう、つまりお前だ』

「……!!」



 なんか頭が痛くなってきた。ひとまず時系列を整理すると、大地が死ぬ→大地が第七次転生杯の参加者として仮転生→大地が転生権を手に入れ俺(秋人)として転生→俺が死ぬ→俺が第八次転生杯の参加者として仮転生(今ここ)ということになるのか。




ブックマーク・評価をいただけると原油価格の高騰も乗りきれそうです。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「クズ外道の俺は、洗脳スキルで美少女を脱がすことにした。」コミカライズ版、ガンマぷらすで連載開始!
洗脳コミカライズ
画像クリックで読めます!(性的表現が強い作品となっておりますので閲覧にはご注意ください)

書籍第1巻は8/10発売です!よろしくお願いします!
168261183.jpg?cmsp_timestamp=20220725120022:small
書籍紹介ページはこちらの画像をクリック!

コミカライズ版も連載中です!
冤罪コミカライズ
画像をクリックすると読めます!

書籍1~2巻発売中の「HP9999999999の最強なる覇王様」もよろしくお願いします!
DC7UV0gVoAA5qfI.jpg:small
書籍紹介ページはこちらの画像をクリック!
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ