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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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痣の利用

「君に恨みはないけど、お互い転生杯の参加者である以上、僕は君を倒さなければならない。それが転生杯というものだからな。悪く思わないでほしい」



 細道がそう言うと、その女子は小さく笑みを浮かべた。



「それはこちらの台詞。悪く思わないで」

「何……?」



 そう。怯えた顔も、身体の震えも、その女子の演技。次の瞬間、細道の背後に新たな人物が出現し、細道の首に左腕を回して強く締めつけた。



「がっ……!! 別の……参加者……!?」

「そうだ」



 全てはその二人、秋人と真冬の計画通りであった。遡ること数十分前――




  ☆




 時刻は22時40分。俺と真冬は細道の住むマンション近くの路地裏で待機していた。夜遅くに黙って二人で外出するのは明らかに不自然なので、作戦のことを春香に伝えるべきか迷っていたが、春香は21時前には寝てしまった。


 普段はこんなに早くないのだが、ここ数日アイドル部の活動と朝野の勉強係が重なったので、きっと疲れが溜まっていたのだろう。おかげで春香に勘付かれることなくアジトを出ることができた。この作戦が終わったら、ちゃんと春香に報告しよう。



「真冬、心の準備はいいか?」

「……ん」



 真冬の作戦はこうだ。まず真冬が細道に近づき、敢えて互いの痣を反応させる。そして細道が真冬の姿を捉えたと判断したら、真冬は逃げるフリをして細道をこの場所まで誘導する。つまり真冬が囮になるというものだ。


 例えば参加者Aと参加者Bが近接し、両者の痣が反応したとする。当然ながらAもBも互いの存在に気付くだろう。この間に、今度は参加者Aと参加者Cが近接したとする。この時参加者Cの痣は反応するが、参加者Aの痣は参加者Bの痣と反応中であるため、参加者Cの存在に気付くことができない。真冬はこれを利用しようというのだ。


 この例に当てはめるなら、参加者Aが細道、Bが真冬、Cが俺。細道と真冬の痣が反応中であれば、細道が俺と近接しても俺の存在に気付くことはない。俺は【潜伏】で地中に潜り、細道がこの場所に来るのを待つことになる。


 真冬らしい知略だと思うが、正直俺は反対だ。もし誘導に失敗したら真冬の身が危険に晒されることになる。俺は地中に潜っているため、救援が遅れることも十分に有り得る。


 そもそも先程の例も正確ではない。同時に複数の参加者と近接した場合、痣の反応は通常より強くなるからだ。これは雪風兄弟の時に実証済みである。よって正確には参加者Aと参加者Bの痣の反応中に参加者Aと参加者Cが近接した場合、参加者Aの痣の反応は一段階強くなるのだ。


 ただし強くなると言っても多少の違和感を覚える程度なので、普通の奴は「なんか反応が強くなったな」くらいにしか思わないだろうが、賢い奴なら必ず警戒する。いやそれ以前に、細道が過去に同じような状況を経験していたら間違いなく気付かれる。真冬の意志を尊重するとは言ったが、やはり不安は拭えない。



「真冬。もしやめたくなったら今の内に……」

「大丈夫、そこまで私は臆病じゃない。私を信じて」

「……分かった」



 そうだ、俺は真冬と二人で細道への復讐を果たすと決めたんだ。今更不安になってどうする。



「それに何かあった時は防犯ブザーを鳴らすから安心して」

「……はは」



 真冬がパンダの形をした可愛らしい防犯ブザーをポケットから出したので、思わず俺は笑ってしまった。安心とまではいかないが、鳴らしてくれたら異変にはすぐに気付けるから一応効果はあるだろう。



「想定してなかったけど、もし真冬が誘導する前に細道に逃げられたら作戦はパーになるな。痣の反応は一度きりだから二度と同じ作戦は使えない……」

「その可能性は否定できないけど、少なくとも私を見て逃げることはないと思う。私って全然強そうに見えないだろうし」

「そうだな」

「……即答されるとそれはそれでモヤッとする。事実ではあるけど」

「ははっ、すまん。でも強そうに見えない方が囮としてはいいんじゃないか?」

「……ん」



 自分で言っといてなんだが、細道が逃げることはないだろう。その程度の奴が、あの九年前の事件を起こすとは思えない。



「……来た」



 手持ちのノートパソコンを通じてファミレスの従業員用出入口を見張っていた真冬が呟いた。間違いない、細道だ。真冬が上空に飛ばしているドローンの映像も送られてくるため、細道の現在地は常に把握できる。想定通り一人で帰り道を歩いている。


 正確な時間は不明だが、痣の反応時間はだいたい15秒後前後。真冬と細道の痣の反応時間が過ぎた後に俺と細道が近接すれば、再度痣が反応して確実に俺の存在に気付かれてしまう。つまりこれは時間との勝負でもある。



「秋人、手を貸して」

「え? ああ……」



 言われるまま右手を差し出すと、真冬は目を閉じて強く握りしめてきた。ニーベルングのビルに突入する直前も、真冬は俺の手を握りしめていた。



「……やっぱり不安か?」

「全く不安がないと言ったら嘘になるけど、大丈夫。これは……自分へのおまじないみたいなものだから」




おかげさまで連載開始2周年です!今後も更新頑張ります!

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