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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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スキルの推理

「ち、違っ!! この場合の好きというのは人間的にというか、言葉の綾というか!! 思い上がらないで!!」

「すみません……」



 だが己の復讐に手心を加える気は更々ない。必ず42番目の参加者である細道をこの手で葬り、復讐を果たしてみせる。




  ☆




 一方その頃、春香は朝野の再々々テスト対策の為、食堂のテラス席で朝野に勉強を教えていた。今回の朝野は退学の危機が迫っているだけあって、秋人達と勉強した時のように横道に逸れたりせず、とても真面目に取り組んでいた。



「今日はこのくらいにしとこうかしらね」

「本当にありがと春香ちゃん、すっごく助かったにゃ! 何かお礼をしないとね!」

「気が早いわよ。テストまであと三日あるのに」

「あはは、そうだね」

「……お礼、か」



 すると春香は何かを思いついた顔をした。



「それじゃ一つ、アンタにお願いしていい?」

「なになに? 何でもしちゃうよ!」



 春香がお願いの内容を伝えると、朝野は衝撃的な顔をした。



「えっ!? なんでそんなのが欲しいの!? 冗談だよね!?」

「……冗談じゃないわよ」



 不敵な笑みを浮かべながら、朝野にじりじり迫る春香。



「春香ちゃん? なんだか顔が怖いよ? 春香ちゃん!? 春香ちゃーーーん!!」




  ☆




 42番目の参加者の正体を掴んでから三日が経ち、ついに俺の復讐の決行日となった。今日も春香は朝野に勉強を教えるため学校に残り、俺は一足先にアジトに帰宅した。明日が再々々テストということでラストスパートをかけるらしい。アイドル部の活動も大変だろうに、本当によくやってると思う。


 だが春香がいないのは好都合だ。これなら春香に知られる怖れもなく真冬と二人で話を進められる。仲間外れにしているようで少し心が痛むが、これも春香の為だ。



「細道について、どれくらい分かった?」



 作戦会議室にて、俺は真冬に尋ねる。細道が本当に42番目の参加者かどうか、細道がどのようなスキルを所持しているか、その他にめぼしい情報はないか。この数日間の真冬の働きに懸かっている。



「細道が住んでるマンション周辺の監視カメラをハッキングしたら、夜道で腕まくりをする細道が映ってた。その時に右腕が露出して〝42〟の痣が見えたから、細道が42番目の参加者であることは間違いない」



 モニターに細道の姿が映し出される。確かに右腕にはハッキリと〝42〟の痣があった。最近は夜も暑くなってきたし、つい腕まくりしてしまうのも分かる。周囲に人気もなさそうなので油断したのだろう。まさか路上の監視カメラを通して見られてるなんて普通は思わないだろうし無理もない。ともかくこれで細道が俺の復讐の相手だと確定した。



「細道のスキルは?」

「それが……。いろいろと調べてみたんだけど、細道のスキルに関する情報は得られなかった。私が見た限りでは細道がスキルを使用した気配もなくて……。ごめん」

「ああいや、謝らなくていいって」



 そうトントン拍子にはいかないか。どんな能力かにもよるが、日常生活の中でスキルを使うことなんて滅多にないだろうしな。この数日の間に他の参加者が細道の前に現れてそいつと細道が闘う、なんて展開があったら細道のスキルも判明しただろうが、それは都合が良すぎるというものだ。



「ただ、どんなスキルか推理することはできる」

「えっ、本当か?」



 ここまで細道のスキルに関して手掛かりと言えるものは何も出てないと思うが、果たして推理などできるのだろうか。



「私のスキルで秋人の記憶を覗かせてもらった時から違和感はあった。転生杯が始まったのは約五年前。なのに殺人事件が起きたのは約九年前。これでは時系列が合わない」

「……ああ」



 やはり真冬も気付いていたか。転生杯と殺人事件が無関係だとするなら、現場に残されていた〝42〟の説明がつかなくなるし、転生杯の参加者でもなければ密室で三人の人間を殺害するなど不可能だろう。やはり転生杯参加者の犯行としか思えない。



「だけど、この矛盾を生じさせない方法が一つだけある」

「……スキルか」

「ん。細道は何らかのスキルを使って九年前にタイムスリップし、殺人事件を起こした。それなら時系列も関係なくなる」



 そんな馬鹿なと言いたいところだが、スキルが何でもありってことは散々思い知らされてきたし、タイムスリップのスキルがあったとしても不思議ではない。



「そして現場の状況から、細道は別の場所で三人の人間を殺害した後、その三人を秋人の自宅に転送させたと思われる。当然それもスキルを使って」

「つまり細道はタイムスリップのスキルと転送のスキル、二つのスキルを所持してるってことか?」



 支配人から参加者に与えられるスキルは一人につき一つだが、他者にスキルを付与する方法も発見されたことだし、有り得ない話ではない。



「その可能性もなくはないけど、私は一つのスキルだと考えてる。タイムスリップにしろ転送にしろ、どちらも〝移動〟のプロセスを踏んでいて、タイムスリップは〝時間〟を、転送は〝空間〟を移動する。このことから細道のスキルは【時空移動】とか【時空跳躍】あるいはシンプルに【移動】【跳躍】といったところだと推理する」




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