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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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再現VTR

「昔からって、夜神とはそんなに長い付き合いなのか?」

「ああ。仮転生した時期が近いということもあって、あいつとは幾度となく拳を交えた。結局、決着はつかなかったがな」



 そうか。昼山の痣は5、夜神は7。二人とも一桁台の参加者であり、転生杯初期から生き残っている猛者だった。



「夜神から一緒にチームを組まないかと誘われた時は驚いたものだ。それまで誰とも組む気はなかったのだが、あまりにしつこく頼み込まれたものだから、最終的には俺の方が折れてしまった。あいつの強情さには恐れ入った」



 真冬への熱烈な求愛もそうだが、夜神は気に入った相手にはとことん入れ込むタイプなのだろう。



「ともかく俺の一番の目的は、その不穏な気配を突き止めることだ。と言っても、まだ何の手掛かりもないがな。お前も何か異変を察したら教えてくれ」

「……ああ」



 同盟を結んだ以上、それくらいの協力はしてやろう。しかし不穏な気配、か……。今のところ特にそういうのは感じないが、俺が気付いていないだけで、身近に潜んでいる可能性も……。



「話は変わるが、お前がこの転生杯で闘う理由は何だ?」

「……唐突だな。そんなことを知ってどうする?」

「同盟を結んだとはいえ、いずれお前とは決着をつける時が来るだろう。お前を葬る者として、人となりを知っておくのも礼儀の一つだと思ったまでだ」



 もう俺に勝った気でいるのか。大した自信だ。



「やはり転生権が目当てか?」

「それもあるが……。俺には復讐したい奴がいる。俺が転生杯に参加したのは、そいつをこの手で殺す為だ」



 俺が復讐を誓った人間は二人。その内の一人、黒田は既に殺した。残るは俺に殺人の濡れ衣を着せた真犯人。二度目の人生を送る中でだいぶ角が取れたとはいえ、決して復讐心が消えたわけではない。



「復讐、か……。意外と重いものを背負っているのだな」

「お前はどうなんだ?」

「……俺か?」

「転生杯の参加者に選ばれるのは、強い憎しみや悲しみを抱いて死んだ人間だ。お前にもそういうのがあるはずだろ」



 昼山はかつての自分を思い起こすように、静かに目を閉じる。



「憎しみや悲しみはないが、悔やんでいることならある。大切な仲間達を守れなかったこと。そして死に方を選べなかったことだ」

「死に方?」

「ああ。強者との激闘の果てに死ぬのが俺の理想とする最期だったが、生前はそうならなかったからな」



 現代の日本で激闘の果てに死ぬってどんな状況だよ。それとも戦国時代の人間かこいつ? そんな大昔から転生杯の参加者が選出されるとは思えないが。



「この転生杯は、俺の願望を叶えるのに相応しい舞台だ。俺が転生杯で闘う理由は、理想的な最期を遂げるため。そう言っても過言ではない」

「いや、それだと転生杯の最中に死ぬことになるから転生権が手に入らないぞ。いいのかそれで」

「俺はそれでもいいと思っている」



 転生杯に参加しておきながら転生権が欲しくないなんて、変わった奴だ。



「もっとも、そう簡単にくたばるつもりはないがな。別に俺も死にたいわけではない。仲間の為にも、生き残ることに全力を尽くすつもりだ。だが俺を倒す者が現れるとしたら、それはお前なのかもしれないな」

「何だそれ。さっきは俺を葬るとか言ってたくせに」

「ふっ。そうだな……」



 俺は持ち駒の金を盤上に置いた。



「はい詰み。俺の勝ちだ」

「……なんだと?」



 盤上を見つめる昼山。やがて昼山は腕を組み、小さく笑みを浮かべた。



「なるほど。将棋の鍛錬を積んでいたのはお前も同じ、というわけか。俺としたことが迂闊だったな……」



 いや将棋なんてこの部室以外では一秒も触れてないぞ、と言おうとしたけど気の毒なのでやめておいた。しかしちゃんと将棋のルールを遵守していたあたり、こいつも成長したと言えなくもない。



「だが本当の勝負はこれからだ。二局目を始めよう」

「まだやんのか!? 勘弁してくれよ……」

「ふっ。この俺に敗れるのが、そんなに怖ろしいか?」

「そういうんじゃなくて、別にそこまで将棋が好きってわけでもないし……」



 その時、二人の警備員が部室に駆け込んできた。



「いたぞ、やっぱりここか!」

「何回侵入すれば気が済むんだお前!」



 また昼山を捕まえに来たようだ。ナイスタイミングのフラグ回収である。



「馬鹿な、こいつらの目は完全に欺いたはず。まさか転生杯の参加者が裏で糸を引いているのか……!?」



 絶対に違うだろ。



「さあ観念しろ!」

「くっ、離せ! 何度言えば分かる、俺はただ学校の視察も兼ねて知人の女子生徒の様子を探りに来ているだけだ!」

「やっぱりストーカーか! いいから来い!」



 昼山は警備員に連行されたのであった。なんかこの前の再現VTRを見ているようだ。



「お待たせ秋人!」



 それから数十分後、春香が部室に顔を出した。今日はいつもより早くアイドル部の活動が終了したようだ。変な男と二人きりで過ごした直後だからか、なんだか春香がいつも以上に可愛く見える。



「お疲れ様。そんじゃ帰るか」




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