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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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ゲーム終了

「馬鹿な、確かに私が拾ったのは銀のコインだったはず。この私が見間違いを……!? だが互いに拾ったのが銅のコインならポイント差は変わらない。どのみち私の勝ち――」



 俺が先程拾ったコインを見せると、夜神は大きく目を見開いた。そう、俺の手にあったのは銀のコインだった。



「どういうことだ!? 何故お前が銀のコインを……まさかスキルか!?」

「正解」



 タイムアップ直前、俺は【入替】を発動して銅のコインと銀のコインを入れ替えた。よって俺は銀のコインを、夜神は銅のコインを拾うことになったわけだ。



「まだそのようなスキルを隠し持っていたとは……!! まさかここまでの展開を全て予測していたというのか!?」

「いや、さすがにそんな切れ者じゃない」



 これは本当に瀬戸際で思いついた手だった。ここまで一度も【入替】を使ってなかったのも功を奏した。俺にこんなスキルがあると知られていたら、最後の一手も通用しなかっただろう。そういった意味では俺の作戦勝ちと言えなくもない。



「お前が銅のコインを俺に譲ったりしなければ、お前の勝ちだった。敗因はお前の慢心だ」

「……くっ」



 それぞれのコインが消滅し、ポイントに変換される。最終結果は俺が2565pt、夜神が2550pt。ゲームは俺の勝利だ。


 間もなく視界が光に包まれ、気付けば俺達は元の部屋にいた。ゲームが終了したことで仮想空間から戻ってきたらしい。



「夜神さん……」



 夕季が心配そうに声をかける。俯いて沈黙する夜神。どうやら相当ショックを受けているようだ。無理もない、途中まで圧勝していたのに、あんな形で負けるとは思ってなかっただろう――



「……ふっ。あっはっはっはっはっは!!」



 と思いきや豪快に笑いだした。何だ急に。



「いやあ、まさか最後の最後で出し抜かれるとはな! やるじゃないか月坂秋人! 私の負けだ! あっはっはっはっは!!」

「……約束通り、春香は返してもらうぞ。春香はどこだ?」

「ああ、そうだったな」



 夜神は親指を右の方に向けた。



「この隣りの部屋だ」

「……は!?」



 そんな近くにいるのかよ。だが驚いてる場合じゃない、こうしている間にも春香が苦しんでいる。俺はすぐさま部屋を飛び出した。一体何をされているのか。暴行か、拷問か。あるいはもっと残酷な……。



「春香!!」



 俺はその部屋に突入した。俺の目に飛び込んできたのは――



「わっ、これ美味しいわね! あっ、これも美味し!」



 ケーキ、プリン、クレープなど、大きなテーブルに並んだ様々なスイーツを幸せそうに食べる春香の姿であった。



「……え?」



 あまりに予想外の光景に、俺は唖然としてしまう。暴行は? 拷問は……?



「にゃっはっは! 良い食べっぷりだね春香ちゃん! 私も負けてられないにゃ!」



 おまけに朝野も一緒にスイーツを頬張っている。なんで朝野がここに? すると俺の存在に気付いた春香が驚きの顔を見せた。



「えっ……秋人!? 秋人も来てたの!? なんで!?」

「なんでって!! 春香が誘拐されたって聞いたから助けに来たんだぞ!!」

「何の話? アタシはこの城に招待されただけよ? まあ誘拐されたって言えばそうかもしれないけど」

「はあ……?」



 駄目だ、全く話が噛み合わない。頭がどうにかなりそうだ。一体何がどうなっているのやら……。



「どうやら楽しんでもらっているようだな」



 夜神も部屋に入ってきた。俺はすぐさま夜神に詰め寄る。



「おい、どういうことだこれは!?」

「見れば分かるだろう、スイーツバイキングを振る舞っているんだ。丁重にもてなしていると言ったはずだが?」

「あれ言葉通りの意味かよ!! 紛らわしい言い方すんな!!」

「勝手に言葉の裏を読んだお前が悪い。まさか暴行や拷問をされているとでも思っていたのか?」



 したり顔の夜神。こいつ、わざと俺に勘違いさせやがったな。本当の意味で出し抜かれたのは俺の方だったようだ。



「あっ、秋人くんにゃ! 秋人くんも一緒に食べよー!」



 俺に気付いた朝野がブンブン手を振ってくる。



「悪いけど今はそんな気分じゃない。てか、なんで朝野がここにいるんだ」

「え? だってここ、アタシのアジトだし」

「……は?」



 この城が朝野のアジト? 朝野と昼山は『ムーンライト』とかいうチームのメンバーだったはず。ということは――



「改めて自己紹介をしておこう。私の名は夜神恋歌。チーム『ムーンライト』のリーダーだ」

「……!!」



 こいつが朝野達のリーダーだったとは。どうりで強いわけだ。



「ていうか秋人、すごい怪我じゃない! どうしたの!?」

「え? ああ……」



春香を助けることで頭がいっぱいだったからすっかり忘れてた。どうやらゲームでの身体の状態は現実にも引き継がれるようだ。



「今治してあげるわね!」

「お、おい。こいつらに手の内を明かすのは極力避けた方が……」

「細かいこと気にしないの。ていうかもう朝野にはアタシのスキルとっくに見られちゃってるし」



 春香がシュークリームを食べながら俺の身体に【逆行】を発動する。治してくれるのは嬉しいんだけど、片手間感が半端ない。




ブックマーク・評価をいただけると色違いのミュウと出会えそうです。よろしくお願いします。

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