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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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秋人vs夜神

 頭上のポイントに目をやると、60から95に増えていた。ポイントはモンスターを倒すことでも獲得できると説明にあった。つまり今のカエルは35pt、銀一枚よりちょっと多いくらいか。正直もっと欲しかったが、ポイント量はモンスターの強さによって異なるらしいし、一撃で倒せる程度ならこんなものだろう。

 

 とはいえポイント効率的にはモンスターを倒す方が良さそうだが、モンスターはいつどこに出現するか分からないし、やはりコイン探しに集中するのが無難か……。



「!」



 その時、何者かの気配を察知した。十中八九、夜神だ。俺は咄嗟に近くの岩陰に隠れて様子を窺う。


 少し離れた所に人の姿を発見。案の定それは夜神だった。さて、あいつは今何ptだろうか。俺は目を凝らして夜神の頭上に注目する。



「なっ……!?」



 思わず小さく声が出た。なんと夜神は1080pt。開始二十三分にして早くも四桁を超えていたのである。おいおい嘘だろ、俺なんかまだ二桁だぞ。



「そんな所に隠れていないで、出てきたらどうだ?」



 夜神の声が響く。どうやらあちらも俺の存在には気付いているようだ。俺は観念して岩陰から姿を見せた。



「フン、まだ95ptか。だいぶ苦戦しているようだな」



 鼻で笑いやがったなこいつ。なんという屈辱。



「いやお前のポイントが多すぎるんだよ! 夕季って奴と共謀してイカサマしてるんじゃないだろうな!?」



 ここは夕季のスキルによって創られた空間。その夕季ならコインの位置を全て把握していても不思議ではない。それを何らかの手段で夜神に伝えている可能性はある。



「とんだ言い掛かりだな。そんなことはできないし、するつもりもない。それで勝ったところで何の意味もないからな」

「…………」



 俺は夜神への疑念を頭から消した。こいつは勝負事に関しては正々堂々やらないと気が済まないタイプだ。それは今の言葉から伝わってきた。



「しかしまあ、私は気配の察知力には多少の自信があってな。そのおかげでコインの位置は大体分かるんだ」

「気配? 人や動物ならともかく、コインに気配なんてあるのかよ」

「万物には神が宿るとよく言うだろう。その神を察知しているとでも言うべきか。それをイカサマだと言うのなら好きにしてくれ」



 なんか胡散臭いな。もしやスキルを使っているのではないか。ならば直接確かめてやろうと、俺は【氷結】を発動し無数の氷塊を生成した。



「ほう。この私に闘いを挑む気か?」

「ああ。別に闘ったら駄目なんてルールはないだろ?」



 夜神に手傷を負わせることができればゲームを有利に運べる。いや、いっそこの場で命を奪うという手もある。そうすればゲームに無条件で勝利できるし、転生杯の参加者を一人減らせるし、まさに一石二鳥だ。夜神は命のやり取りまでするつもりはないとか言っていたが、知ったことではない。


 俺は氷塊を一斉に放つ。夜神は避けようともせず、俺の攻撃を一身に受けた。その衝撃で土煙が舞い上がる。普通ならタダでは済まないはずだが――



「……!?」



 土煙が晴れて夜神の姿が再び露わになると、俺は目を疑った。なんと夜神は無傷だったのである。



「ここで私の命を奪えば一石二鳥、とでも思ったか? 私も甘く見られたものだな」



 確かに俺の氷塊は直撃していたはず。向井のような無効系のスキルか……!?



「……おや。あんな所にコインが落ちているな」



 先程の攻撃など意にも介していない様子で、夜神が口にする。夜神の視線の先に目をやると、光る物体が落ちていた。あれは……銀のコイン!


 しかし俺が発見した時には、夜神は目にも留まらぬスピードで走り出していた。この距離では横取りもできそうにない。ならば……!!



「これで更に30pt……ん?」



 夜神がコインを拾っている隙に、俺は一気に夜神との距離を詰めた。この瞬間、夜神は完全に無防備だ。俺は【怪力】で強化した拳を、夜神の腹に叩き込んだ。


 しかし逆に俺が驚かされてしまった。俺の渾身の一撃は、夜神の身体を数メートル後退させたに過ぎなかったのだ。確かに手応えはあったが、まるで巨大な山を殴ったような感覚だった。



「まったく。乙女の腹を狙うとは、紳士の風上にも置けない奴だな。だが威力はなかなかのものだった。さすがに少し痛かったぞ」



 これまで数々の難敵を葬ってきた拳だぞ、少し痛かったで済むものか。しかしこの口振りだと、どうやらスキルや攻撃を完全に無力化しているわけではないようだ。となると身体能力を強化するスキルか……?



「闘いを挑んでもらって悪いが、こう見えて私は平和主義者でな。私にお前と闘う気はない。せいぜい頑張ってポイントを増やすことだ」



 そう言って夜神は走り去り、あっという間に視界から消えてしまった。あの足の速さも尋常ではない。とても追いつける気がしないし、追いかけたところで時間を徒に消費するだけだ。仕方なく俺はコイン探しを再開することにした。





 ゲーム開始から四十分が経過。時折出現するモンスターを倒しつつコインを探し回り、なんとか435ptまで伸ばすことができた。巨大カマキリを倒して200ptをゲットしたのが大きかった。




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