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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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空間認識能力

 春香や朝野から俺にはデリカシーがないと指摘されたことはあったが、今回ばかりは否定できない。そもそも結婚してたことすら知らなかった。



「大丈夫だよ、全然気にしてないから。むしろ話のネタにしてくれた方が嬉しいな。何か聞きたいことがあるなら遠慮しなくていいよ」



 高宮さん改め堀北さんは、笑顔でそう言ってくれた。



「えっと、それじゃあ……。なんで離婚したんですか?」



 堀北さんがそう言うならと、俺はストレートに聞いてみた。



「なんというか、夫婦というより仲の良い友達って感じだったんだよね。なあなあで婚姻関係を続けるのも良くないと思って、お互いに納得して離婚したんだ。円満離婚ってやつかな。今では普通の友達として仲良くしてるよ」



 穏やかな口調で堀北さんが話す。どうやら本当に気にしてなさそうだ。



「その、つかぬ事をお伺いしますけど……。相手は女の人ですか?」

「ははっ、おかしなこと聞くね。当たり前じゃないか」

「で、ですよね」



 なんだか妙に安心した。俺は高宮さんに(アレな意味で)狙われてるんじゃないかと思っていたが、どうやらソッチの人ではなかったらしい。自意識過剰だったか……。



「でも離婚の決め手になったのは、僕が運命の人に出会ってしまったから、かな……」



 高宮さんから熱烈な眼差しを向けられ、俺の背筋に悪寒が走る。



「ああ秋人くん、どうして君は未成年なんだ! 君が大人だったら僕は今すぐこの想いを伝えるというのに! 君が成人する日を僕は指折り数えて待っているよ……!!」



 別のジムを検討した方がいいかもしれないと俺は思い始めたのだった。





 月曜日。いつものように春香と登校し、俺は自分の席でぼんやり窓の外を眺めながら朝のホームルームが始まるのを待っていた。


 そんな時、真冬からLINEがきた。内容はおそらく……。



『以下の立体に使われているブロックの数を答えよ』



 この文章の後に、複雑な立体が描かれた画像が送られてきた。やはり今回もこういう系か。真冬からクイズが送られてくるのはもう慣れたが、ここ最近はこういった空間認識能力を試す問題が多い。理由は俺のスキルにある。


 俺が雪風弟ほど【入替】を使いこなせていないのは、俺に空間認識能力が欠けているのが一番の理由ではないかと真冬は分析していた。確かに【入替】は物体の位置を正確に認識していなければ発動しないので、そういう能力は必要だろう。逆に言えばその能力を向上させれば今よりは使いこなせるようになるはずだ。


 こういうクイズは子供の頃にやったことがある人も多いだろうが、はっきり言って超苦手だ。この展開図を組み立てたらどんな形になるでしょうとか、この立体を右から見た図はどれでしょうとか、もう考えるだけで嫌だった。俺が生前に車の免許を取らなかったのは、運転にも空間認識能力が必要だと聞いて躊躇したというのも理由の一つだった。


 この画像の立体は一視点から見たものに過ぎないため、見えていない部分を想像してブロックを数えなければならない。即ち想像力も鍛えられるため【息吹】にも効果があるかもしれない、そう真冬は言っていた。


 つまりこういうクイズを容易く答えられるようになれば【入替】【息吹】を自在に使いこなせるようになってまさに一石二鳥――なのだが、まあ現実はそう上手くいかない。今回も俺は頭から煙を出していた。


 駄目だ、全然わからん。こんなザマでは自在に使いこなすなんて夢のまた夢だ。せめてもう少し難易度を下げてくれたら……。いや甘えるな。二つのスキルを完全に自分のものにする為にも、この程度の試練は乗り越えられなくてどうする……!!



「よう秋人、朝っぱらからシケた面してどーした?」



 そこに圭介が相変わらずの間抜け面で俺に話しかけてきた。



「おっ、これアレか? ブロックの数を答えろってやつだよな? 俺も昔よくやったわ」

「ああそうだよ。考えてる最中だから邪魔すんな」

「とか言ってっけど、秋人のことだからどうせお手上げ状態なんだろ?」



図星なので何も言い返せない。しかし圭介に馬鹿にされるのはなんだか癪だ。



「うるさいな。そういうお前には分かるのかよ」

「ああ。37個だろ?」

「……は?」



 俺は唖然としてしまった。こいつ、一目見ただけで……!?



「あっすまん、答えちゃマズかったよな。そろそろホームルーム始まるから戻るわ」



 そそくさと自分の席に戻っていく圭介。いやいや、さすがにあんな一瞬で分かるはずがない。当てずっぽうに決まっている。そう思いながらも真冬に「37個」と送ってみたところ――なんと「正解」と返ってきた。


 マジかよあいつ。中間テストで全教科狙って41点を取ったり、実は圭介ってかなり凄い奴なのでは……。


 しかし真冬も驚いてるだろうな、この手のクイズで俺が正解したことは今まで一度もなかったのだから。だけどこれは俺の力じゃないし、後でちゃんと説明しないと。そう思った矢先、真冬からLINEがきた。



『人に頼らず、ちゃんと自分の力で解くこと』



 何故バレた!?




自転車直りました。修理代が痛かった……。

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