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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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新たな決意

「ちょっと、どうして最後まで映ってないのよ!」

「自動飛行だと言ったはず。都合良く見たいものが見られるわけじゃない。普段なら手動飛行に切り替えることもできたんだけど」

「それより気になるのは、千夏のスキルだな……」



 千夏には俺のスキル因子が入ったスプレー缶を渡していたと真冬が言っていた。ならば千夏が【氷結】を使えたのは俺のスキル因子を取り込んだからだと一瞬考えたが、それだと向井のスキルまで使えたことが説明できない。ということは、それらは千夏のスキルの力だという線が濃厚だろう。



「私の推測だけど、他人のスキルを自分のものとして使用できること……それが千夏のスキルだと思う。いわゆるコピー系の能力ってやつ」

「それが本当なら、かなり強力なスキルね。秋人のスキルのほぼ上位互換じゃない」

「むう……」



 上位互換という言い方には引っ掛かるが、奪うという過程が必要ない分【略奪】より遙かに使い勝手がいいのは確かだ。千夏は100番目の参加者、つまりマルチプルの一人。それくらいのスキルを与えられても不思議ではないだろう。



「そうとも限らない。いくらマルチプルでも他人のスキルを無条件に使えるわけではないと思う。おそらく何らかの制約があるはず」

「制約って何よ?」

「……そこまでは分からない。この映像だけじゃ情報が少なすぎる」



 なんにせよ千夏がそのスキルを使って向井を死に追いやったのは間違いないだろう。千夏が誰かを殺したなんて未だに信じられないが……。



「もしかして、ビルを崩壊させたのも千夏なのか……?」

「……これを見て」



 真冬がモニター画面を切り替え、二つの空港の映像を映し出した。



「これは羽田空港の駐機場の映像。左が一週間前。右が昨日。何か気付かない?」

「間違い探しか? んーと……」

「あっ、分かった。右の方が飛行機が一機少ないわね」

「正解」



 くっ、春香に横取りされてしまった。やっぱりこういうのは子供の方が得意だな。空港から飛行機が消えるなんて普通は大事件だが、いつものように支配人が色々と改竄を行ったのだろう。



「千夏のスキルがコピー系という前提で推測するなら、千夏は秋人の【操縦】を使って羽田空港の飛行機を操り、ビルに突撃させたんだと思う。向井はそれに巻き込まれて死んだ……」

「嘘だろ!? 千夏がそんな怖ろしいこと……!!」



 確かにそれならビルの崩壊にも説明がつく。しかし俺には千夏がそこまでするとはとても思えなかった。



「秋人も見たでしょ、千夏ちゃんのあの冷たい目を。受け入れたくはないけど、今の千夏ちゃんは生前の千夏ちゃんとは別人と考えるべきよ」

「……っ!!」



 俺は唇を噛みしめる。もう俺達と一緒にいた頃の、思いやりがあって優しかった千夏は戻ってこないというのか。



「それでも……それでも千夏は……!!」

「アタシ達の仲間、でしょ?」

「……!」



 春香が俺にウインクをした。



「千夏ちゃんがどう変わろうと、アタシ達のやることは変わらないわ。千夏ちゃんは絶対に連れ戻す! むしろ今の話を聞いて俄然やる気が出てきたわ! そんな強力なスキルを持った千夏ちゃんがチームに加わったら、戦力大幅アップ間違いなしよ!」



 相変わらず春香はポジティブの塊だな。だが千夏を連れ戻したいという気持ちは俺も同じだ。



「そうだな、春香の言う通りだ。俺、春香、真冬、そして千夏。この誰か一人でも欠けたら駄目だ。俺達はこの四人で転生杯を最後まで勝ち抜く。その為にも千夏には早く戻ってきてもらわないとな」

「そうそう、その意気よ秋人。やっといつもの調子が戻ってきたじゃない。やっぱり真冬の裸が効いたみたいね」

「は!? いやそういうわけじゃ……」



 真冬がジト目で俺を睨んでくる。正直に言うと、ほとんど真冬の裸のおかげです。



「秋人は戦力の要だし、コンディションは重要よね。そうだ真冬、秋人に元気を維持してもらう為にも、しばらくお風呂以外でも裸で過ごすってのはどう?」

「なっ!? 何をワケの分からないことを……!!」

「ね、秋人もその方がいいでしょ?」

「是非お願いします!!」



 あ、つい心の声が。真冬は顔を真っ赤にして身体を震わせる。



「このっ……変態!!」

「いたっ!!」



 真冬のビンタが俺の頬に炸裂。当然、春香の案は却下されたのであった。




  ☆




 翌朝。俺は春香と共に学校へ行くことにした。昨日は断念してしまったが、メンタルも回復したことだし、もう大丈夫だろう。途中で電信柱に頭をぶつけたり道路の溝に足を突っ込んだりすることもなく、俺は無事に陸奥高校に着いた。



「秋人じゃねーか! やっと来やがったな!」



 春香と廊下で別れて二年A組の教室に入ると、圭介の陽気な声に出迎えられた。



「最近ずっと休んでたから心配してたんだぞ! 何があったんだよ? 秋人のことだし体調を崩したってわけじゃあるめえ?」

「……熱を出して寝込んでたんだよ。俺だって体調くらい崩すわ」

「ほんとかー? どうせアレだろ、好きな女子に逃げられたショックで塞ぎ込んでたとかそういう感じだろ? まあ元気だせよ、高校生活はまだまだこれからだ!」

「勝手に妄想して勝手に励ますな!」




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