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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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珊瑚礁

「どうしてそんなこと……!! 生前の貴方と何か関係があるのですか!?」

「いや全く。残念ながら私に生前の記憶はほとんど残ってなくてね。どういう人間だったのか、どういう最期を迎えたのか、まるで覚えていないんだ」



 マルチプルには強力なスキルが与えられる代わりに、生前の記憶が曖昧になったり、性格が一変したり、感情が暴走したりなど、何らかの弊害が生じる。それは向井も例外ではなかった。



「知っているか? 沖縄の珊瑚礁は、長らく台風が来ないと海水がかき混ぜられずに白化して死んでしまう。今の日本人はその珊瑚礁と同じだ。平和に慣れきったせいで、すっかり白化してしまった。だから私が台風を起こしてやろうというわけだ。そうすればこの腐った現代社会も少しはマシになるだろう」

「貴方の言っていることは何一つ理解できません。貴方は間違っています!」

「そうかもな。別に自分が正しいとも思っていない。極論を言うと、私が楽しければそれでいいんだ」

「楽しければ……それだけの為に……!?」



 それから向井は頭に手を当て、首を横に振った。



「ああ、つい話し込んでしまった。私の悪い癖だな。これから消え去るお前にこんな話をしたところで何の意味もないというのに」



 向井の傍らに一本の剣が出現する。当然その剣先は、千夏に向けられている。



「お前もまあまあ私を楽しませてくれた。その礼として、一瞬で楽にしてやろう」

「……!!」



 ここまでか――千夏が自らの死を覚悟した、その時。千夏の脳裏に〝あるビジョン〟が浮かんだ。それは向井の放った剣が、自分の胸部に突き刺さるビジョンだった。



「これは……!?」



 直後、向井の剣が放たれる。先程見えたビジョンが本当なら――千夏は反射的に身を屈める。その剣は千夏の頭上を通過した。ちょうど立っていた時の胸部の位置だ。



「何……?」



 向井は目を丸くした。剣の投射速度は時速300kmを超えており、プロテニスプレイヤーのサーブよりも遙かに速い。常人の動体視力で回避するのはまず不可能である。どうせ偶然だろうと向井は考えた。


 向井が新たな剣を出現させる。すると今度は左足に突き刺さるビジョンが見えた。向井が剣を放つのとほぼ同時に千夏が右に跳ぶと、その剣は外れてコンクリートに突き刺さった。やはり跳ぶ前の左足の位置だ。


 ならば次は敢えて少しずらそうと、向井は千夏のすぐ右横を狙って剣を放つ。剣が外れるビジョンが見えた千夏は、その場から動かずに剣をやり過ごした。


 向井は眉をひそめる。一度だけならともかく二度三度と続いては、さすがに偶然では片付けられない。だが一番驚いているのは千夏自身であった。間違いなく今の千夏には少し先の未来が見えている。



「……なるほど、それも月坂秋人のスキルの一つか。ここにきて新たなスキルが発現するとは、まったく悪運が強い」



 向井はそう結論付けたが、それは違う。そもそも秋人は未来を視るスキルなど持ち合わせていない。一方の千夏には、一つだけ心当たりがあった。



――ちょっとしたおまじない、かな。気休めにしかならないだろうけど。



 千夏は電車でのエミリアの言葉を思い出す。まさかこれが、エミリアの言っていた〝おまじない〟だというのか。確かにエミリアには未来を視る力がある。あくまでそれは占い師としての力だと思っていたが、占い師というだけでは千夏にもその力が宿ったことに説明がつかない。


 こんなことができるのは、転生杯の参加者をおいて他にいない。だがそれはない、もしそうなら秋人と千夏がエミリアに占ってもらった際に秋人の痣が反応しているはずだ。しかしその時の秋人にそんな様子はなかった。つまりエミリアは転生杯の参加者ではない。ならばエミリアは一体何者なのか。



「一般人の分際で、ここまでしぶといとはな。なんだか楽しさを通り越して苛立ちすら覚えてきたよ……」



 向井の言葉で千夏は我に返った。今はエミリアの正体について考える時ではない。目の前の闘いに集中しなくては。向井が長々と喋ってくれたおかげでだいぶ体力も回復した。この未来を視る力があれば、向井の攻撃を回避できる。


 今の千夏にできることは、時間を稼ぐこと。その間に秋人達が助けに来てくれるかもしれない。自分で蒔いた種なのにそんな期待を抱くのは身勝手かもしれないが、千夏はそれを信じるしかなかった。




  ☆




 ――ニーベルングビル四階・子供部屋――



 依然として真冬と広瀬のハッキング対決は続いていた。真冬はセキュリティプログラムを破壊すべく、あの手この手でコンピュータウイルスを送り込むが、やはり広瀬によって全て除去されていく。ミュータント型ウイルス(突然変異型コンピュータウイルス)さえも、広瀬はそれに対応したアンチウイルスを素早く作成し、難なく処理していた。


 そもそも真冬の手持ちがノートパソコン一台なのに対し、広瀬はビル内の全てのコンピュータを使用できる。つまりスペック的にも真冬の方が圧倒的に不利であった。




ブックマーク・評価をいただけると寒暖差による体調不良も乗り越えられそうです。よろしくお願いします。

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