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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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子供の正体

 それから俺達は子供の正体について様々な考察を重ねたが、やはりハッキリとした答えは出なかった。スキルという不確定要素が存在する以上、可能性はいくらでも考えられるからだ。



「あ、あの……」



 そんな中、千夏が自信なさげに手を挙げた。



「なに、千夏ちゃん?」

「参加者との間に生まれた子供、という可能性はないでしょうか? 親の能力が子供に遺伝した結果、子供も能力が使えるようになった、とか……」

「「「…………」」」



 俺、春香、真冬は無言で千夏を見つめる。



「そ、そんなわけないですよね!! ごめんなさい変なこと言って!!」

「いや、その発想はなかったなと……」

「一般人ならではの視点って感じね」

「ん。ある意味天才」

「えっと……ありがとうございます……?」



 とはいえ千夏の説は少々無理があるだろう。何故なら――



「でも残念ながらその可能性はないわね。仮に参加者の子供がいたとしても、転生杯が始まったのは約五年前だから、子供の年齢は最高で五歳のはずよ。でも映像の子供は見たところ十歳前後だし」

「あっ……そうですよね……」



 春香が代わりに答えてくれた。まずスキルが遺伝するかどうかも疑わしいところだ。



「そもそもこの仮転生体で子供って産めるのかしら。どう思う真冬?」

「……参加者の子供の存在は今のところ確認してないけど、一応生理はきてるから、生殖機能はあると思う」

「あー、生理ね。16歳の身体になって初めて体験した時はビックリしたわ。思春期の女子も色々と大変よね。あれどうにかならないかしら」

「対処法としては、睡眠を十分に摂ったり、市販の鎮痛薬を処方したり……」

「お、お二人とも。男性がいる前でそういう話は……」



 まったくだよ。どんな顔して聞いてればいいんだ。



「真冬、この子供について他にも何か手掛かりになりそうな映像はないの?」

「周辺の監視カメラもくまなく調べたんだけど、ほとんどの映像が消されていて、残ってたのはこれだけだった」

「えっ……監視カメラの映像を消すってそんな簡単なことじゃないよな? 真冬みたいにハッキングとかできる参加者が他にもいるってことか?」

「そうみたい。と言っても技術は私の方が上だけど。私だったら怪しまれないようにダミー映像とすり替えるくらいのことはしてた」



 なんか真冬から対抗心のようなものを感じる。



「推測だけど、この子供の背後にいる参加者は一人じゃない。おそらく複数の参加者が結託して、子供を使って他の参加者を襲わせてる。この炎丸という人以外にも犠牲になった参加者はいるかもしれない」

「……なるほどな」



 子供を利用するなんて最低な奴等だな。今すぐ懲らしめてやりたいところだが、そいつらの正体が分からない以上は手の打ちようがない。



「真冬。この映像、もう一回最初から見せてくれる? もしかしたら何か発見があるかもしれないわ」

「……ん」



 映像が始めから再生される。やはり二回見てもこれといった発見は――



「あっ……」



 その時、千夏が小さく声を上げた。



「どうしたの千夏ちゃん? 何か気付いた?」

「いえ、この子が炎丸さんに歩み寄る時、何か手に持っているように見えたので……」

「ほんと? 真冬、映像拡大できる?」

「……ん」



 真冬が映像を巻き戻して一時停止し、拡大する。確かに子供の右手に何かが握られている。細くて透明な物体だ。



「これ……注射器か?」

「そうみたいね……」



 倒れた炎丸の傍で何をしてるのかと思ったら、血を採取しているのか? 何の為にそんなこと……。



「なんか分からないことだらけだけど、この子供に直接会って確かめるのが一番手っ取り早そうね。というわけで頼んだわよ秋人!」

「……やっぱそうなるか」



 だが俺も春香に賛成だ。この子供が何者かに操られてるのだとしたら、一刻も早く保護してあげなければ。体調が悪いなんて言ってる場合じゃない。



「よし分かった。早速今晩、この路上に行ってみる。また同じ場所に現れるとは限らないけど、他に目星もないしな」

「そうこなくっちゃ!」

「……私はあまりオススメしない」



 意外にも真冬は消極的だった。



「どうしてだ真冬?」

「敵がこの映像だけ消去せずに敢えて残したのは、他の参加者を誘き出す狙いがあるのかもしれない。つまり罠である可能性が高い」

「考えすぎじゃないか? ま、たとえ罠だったしても俺は行くよ」

「だけど転生杯の参加者でもない相手と闘ったところでメリットは薄いし、無理にリスクを冒す必要は……」

「心配すんなって。相手は子供だ、油断さえしなければ負けないだろ」



 それにメリットとかリスクとか、そんなことは関係ない。普通の子供がいいように利用されているのを見過ごせないだけだ。



「……分かった、そこまで言うなら止めない。せめてできる限りのサポートはさせて」

「ああ。頼りにしてるぞ真冬」

「はいはーい! アタシからも大事な話がありまーす!」



 春香が元気よく手を挙げた。



「何だよ。どうせ大した話じゃないだろ?」

「失礼ね。ほら、アタシ達ってチーム名がまだないでしょ? 今からそれを決めようと思うんだけど!」



 やっぱりかよ。朝野が『ムーンライト』という名前のチームに入ってるのを知って触発されたんだろう。




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