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【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】  作者: ダイヤモンド


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三位一体

 春香の右手が巨大氷人形に触れると同時に【逆行】が発動。巨大氷人形の時間が巻き戻されていく。さあ、どうなる……!?


 結果、巨大氷人形は朝野の必殺技を喰らった直後、つまり雪風の姿が露わになった時点まで巻き戻された。



「よくやった春香!!」



 思わず俺は叫んだ。そしてこれが、最後の作戦。スキル――【入替】!!


 俺と春香の位置が入れ替わり、俺は瞬時に巨大氷人形の心臓部に到達した。目の前には姿が露わになった雪風。



「終わりだ、雪風!!」


 俺は【怪力】を発動し、渾身の拳を雪風に炸裂させた。



「がはあっ……!!」



 雪風の身体は吹き飛び、地面に叩きつけられた。俺も自由落下して地面を転がる。雪風との一体化が解かれたことで巨大氷人形はその存在を維持できなくなったらしく、再生することなく崩れ落ちていった。



「はあっ……はあっ……」



 俺は痛みを堪えながら立ち上がり、雪風のもとに歩み寄る。まだ死んではいないようだが、気を失っている。俺は屈み込み、雪風の右腕に触れた。


 スキル――【略奪】。


 俺の脳裏に〝氷結〟の二文字が浮かぶ。それに伴い、学校を取り囲んでいた氷の牢獄も消滅していった。



「氷が消えていく……!!」

「それじゃあ……私達……!!」

「自由だ……自由だ!!」



 雄叫びを上げる者、泣き崩れる者。生徒達の反応は様々、七日間にも及ぶ牢獄生活からようやく解放された瞬間であった。



「秋人くーん!!」

「うおっ!?」



 朝野が俺の身体に思いっきり抱きついてきた。



「勝ったよ!! 私達、勝ったんだよ!!」

「あ、ああ」



 これは俺一人の勝利じゃない。春香、朝野と三人で掴んだ勝利だ。しかし雪風に勝った喜びより女子に抱きつかれた喜びの方が大きくて困る。


 だが、これで全てが終わったわけではない。俺は春香と目を合わせ、頷いた。そう、春香の復讐が残っている。幸い雪風はまだ息がある。春香が雪風を葬った時に初めて、全てが終わったと言えるだろう。


 程なくして氷の牢獄の外で待機していたと思われる自衛隊や救急隊員の人達が学校の敷地に突入し、生徒達が保護されていく。



「あっ! あっちで食べ物配ってる! 私にもちょうだいにゃー!!」



 どこかに走り去っていく朝野。さて、このままだと俺達も保護されてしまいそうだな。そこで俺は手に入れたばかりの【氷結】を発動し、俺、春香、雪風の三人を囲むように小さな氷のドームを生成した。うん、やはり便利なスキルだ。


 この目的は二つ。一つ目は誰の邪魔も入らないようにするため。二つ目は周囲の目から隔絶するため。これから行われることは、とても一般人にお見せできるものではないからだ。



「どうする春香? とりあえず雪風が目覚めるのを待つか? 春香も色々と聞き出したいことがあるだろうしな」

「…………」

「春香?」

「え、ええ。そうね」



 なんだか春香の様子がおかしい。まさか今になって怖じ気づいたとか――いや、春香に限ってそれはないだろう。



「うっ……」



 やがて意識が戻ったらしく、雪風の目がうっすらと開いた。あと数分待って起きなかったら頬を引っぱたいてやろうかと思っていたところだ。



「よう、雪風。気分はどうだ?」

「月坂……秋人……」



 自分の身に起こったことを思い出すように、雪風は静かに俯く。



「……そうか。僕は負けたのか」



 乾いた笑みを浮かべる雪風。どうやら自分の置かれた状況を理解したらしい。もうすぐ自分がこの世から消え去ることも。



「僕の復讐劇はこれからだったというのに……。こんなところで死ぬなんて、本当に無念でならないよ」



 既に覚悟はできているらしく、抵抗したり命乞いをしたりする様子もなかった。



「どうやらスキルも君に奪われてしまったようだね。だったらもう僕に用はないだろう。早く僕を貴史のもとに送ってくれ」

「そうしたいのは山々だが、春香がお前に用があってな」

「……彼女が、僕に?」



 雪風が春香の方に目をやる。



「そうだ。春香、あとは任せ――」

「違う」



 俺が言い終わる前に、春香が口にした。



「……春香?」

「違う……乙木先生を殺したのはこいつじゃない……!!」

「……は?」



 俺は耳を疑った。雪風は春香の復讐の相手じゃないというのか……?



「顔を見た時から違和感はあったけど……声を聞いて確信したわ」

「いやでも、当時その犯人は仮面をつけてたんだよな? だったらその時と声が違って聞こえても不思議じゃない。それに、そいつが氷系のスキルの使い手だったのは間違いないんだろ?」

「ええ。だけどアタシには分かるの。声だけじゃなくて、口調も雰囲気も何もかも、乙木先生を殺したアイツとは全然違う」



 春香がここまで断言するってことは、本当に違うのだろうか。思えば俺達は氷系のスキルというだけで雪風を犯人だと決めつけ、それ以外の要素は度外視していた。


 そもそもよく考えてみたら、第八次転生杯が始まったのは五年前、乙木先生が殺されたのは四年前だ。それに対し雪風は〝60〟の痣、つまり60番目の参加者である。仮に雪風が犯人だったとしたら、僅か一年の間に60人もの参加者が出現した計算になってしまう。それはさすがにおかしい。



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