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第14話 補欠入学試験へ


 王都に来て数日。


 今日はラグナ魔法学園の《《補欠》》入学試験があるから、ラグナ魔法学園まで行かないと行けないんだよね。


《高級酒場エルドラン》


「いや〜! ファーストさん。ごめんね〜! こんな朝早くから店をオープンしてくれて。ありがとう」


「いえいえ。滅相もございません。全ての記憶を失った私達を拾って頂き、このような素晴らしいお店で働かせて頂いているのですから。《《ライトオーナー》》様には感謝しかございません。皆、復唱を!」

「「「滅相もございません。全ての記憶を失った私達を拾って頂き、この様な素晴らしい場所で働かせて頂いているのですから。《《ライトオーナー》》様には感謝しかございません」」」


 元高級酒場エルドランの従業員の人達。


 異空眼の世界で暴れる危険なモンスター達に、四肢もがれて殺されかけてたのを助けてあげたんだけどね。


(ああぁ!! もう死ぬ!!)(誰か!誰か助けてえぇ!!)(俺は誰?ここは何処おぉ!!)


(ピギャアアアハハハ!!)


(あらあら? どうなってるかと見に来てみれば、絶体絶命のピンチじゃん。ファーストさんなんてウンコ漏らしてるし。『爆烈眼』)


(ピギィア?!……ぴごぎぁああ!!)


((ヒイィィ!! 化物が爆発したぁぁ!!)))

(……助けが来たのか? いや、第一俺は誰だ?)


(度忘眼鳥スリピスバードに記憶を全部喰われたんだね。それはそれは都合が良い……じゃなくて可哀想にね。助けに来たよ。僕の手足になる人達)


(((俺達を助けに? 救世主か?)))

(……いや、なんかこの子供。どこかで見た事があるような?……ごがぁ?!)


 ボガンと殴って気を飛ばしてっと。感の良い大人は嫌いだよ。


(さぁ、僕が君達の新しいライトオーナーだよ。これからは身を粉にしてお金を稼ぐんだ。僕の為にね)


 働いてる時に忘れた記憶を思い出されると面倒さいからね。


 僕が今、使えるありとあらゆる精神操作系の眼をファースト店長達にかけておかないとね。


『洗脳眼』『快復眼』『催眠眼』『汚染眼』『快楽眼』エトセトラ……


(((は、はい! ライトオーナー様! イィイー)))


(うんうん。これなら昔のオーナーの事は、キッパリ忘れて。僕のお賃金ちんぎんを稼いでくれる兵隊の完成だね)



 こうして僕は『近眼の魔法使い』が何処どこかに逃走した後に、ファースト店長の居住地、高級酒場エルドラン、ファースト店長と愉快な仲間達を手中に納めたんだ。


「カァ……アリア様。あの一夜の後、何があったんですカァ? なんで、あのスケベ店長が、ライト様に尻尾を振ってるんですカァ?」


「それはライト様が人望に厚く、素晴らしいご主人様だからですわ。はぁ〜! 朝食を取られるライト様も素敵です」


「……アリア様は、いつも、ライト様しか見ていませんもんね。カァ」


「はい。私の全てはライト様の物ですから。10年前からずっと一緒に居ますわ。それも片時も離れずにです」


「……相変わらず。愛が重いですね。カァ」


 うんうん。一緒のテーブルで朝食を取っているアリアもオディちゃんも楽しそうに朝食を取っているね。


 王都に来た時は色々と不安だったけど。活動拠点になるアジトもお店も手に入れて、幸先の良いスタートが切れたね。


「そういえば。ファースト店長。これからの高級酒場エルドランのお店の経営はランチとディナーしかやらないんだよね?」


「はい! その通りでございます。ライトオーナーの言い付け通り。王都内での情報収集の拠点として、訪れる貴族様や上級冒険者様への聴き込みを行いながら、世界各地の情報を仕入れていく予定です」


「おぉ、ちゃんと洗脳した時の事をインプットしてくれてるみたいで嬉しいよ」


「ありがとうございます〜! ライトオーナー」

「「「ありがとうございます〜! ライトオーナー」」」


 素直で良い反応だね。これなら、『近眼の魔法使い』がお店や部下を取り返しに来ても、もう手遅れだね。ファースト店長達は完全に僕の大切な戦力になったもの。


「カァ……ご満悦の所、郷愁きょうしゅくですガァ。ライト様。今日はラグナ魔法学園の《《補欠》》入学試験がありますので。遅れないようにして下さいカァ。アリア様もですよ」


「ライト様〜! いけませんわ。皆様が見ておられます……」


 あー、アリア、この妄想の世界に旅立っているね。


 この状態だと人の話なんて全然聞いてないんだよね。僕の専属メイドちゃん。


「補欠入学試験ねぇ……どうせ。その前にあった入学試験の時よりは人が少ないし。補欠の試験なら、僕とアリアは簡単に合格できそうだけど。念の為、今のステータスを確認しておこうかな」


『鑑定眼』


ライト・グラウディア 12歳

種族・人間

レベル1051

筋力810

魔力1000000000

知力999

体力4099

運 3999

スキル 漏らし隠蔽 調合

称号 漏らしの鉄人 蝙蝠館の主

固有能力『魔眼輪廻』

アリア・ミーティアス 

12歳

種族・人間

レベル802

筋力4001

魔力10000

知力423

体力5022

運 999

スキル 家事全般 メイドのお仕事 完璧ご奉仕 ティアス流免許皆伝 

称号 剣豪 専属メイド ご主人様絶対主義 ライト・クラウディアの花嫁

固有能力『万能剣』『光の勇者』『お世話係』『究極メイド』


 ……僕、赤ちゃんの頃から自分を鍛えてるんだけどさ。魔力、知力、運以外のステータス負けてんだけど。どうして?


 僕の専属メイドのアリアちゃん。なんでこんなに高ステータスなんだい? しかもスキルもりもりで固有能力なんで4つも持ってるの? 


「?……どうされましたか? 私のライト様」

「何が私のライト様だい。僕は僕自身の物だからね。アリア」

「違いますわ。ライト様。私の身も心も全てはライト様の物ですわ」

「うんうん。そうだね。流石、アリア〜! 今日のギャグのキレ味もピカイチだね」

「? 褒めて頂きありがとうございます。ライト様」


 うんうん。相変わらず。アリアとのすれ違いコントを朝から繰り広げちゃったよ……いや、そうじゃない。今はその事を考えている場合じゃないんだよ。


 なんだい? このアリアの理不尽な高ステータスはさ。僕、レベル4桁なのに。アリアは3桁だよ?


 それなのになんでこんなに高いの? これが主人公補正ってやつなのかな?


 ……結論。もっと強くなろう。アリアに強さで抜かされないように。ご主人様が専属メイドを守れないようと不味いからね。



 朝食を食べ終えた僕達は、異空眼の僕のアジトで休ませていた白兎馬スノーホワイトと馬車を呼び寄せて、ラグナ魔法学園へと向かったよ。


 道中はとくに問題もなくラグナ魔法学園へと到着したんだ。道中は問題なくね………




〖キュイイインン!!〗


 なんか僕達が普通に馬車で魔法学園に入ろうとした瞬間。仁王立ちして道を塞いだ馬鹿な子が現れたんだ。


「なんだ貴様等は?! 俺様の道をふさぎやがって! 俺様を今年度の入学試験で主席合格したダーク・スターライナーと知っての行いか?」


 また濃いキャラが出てきたね。《ゼロ・スフィア》の男主人公さんがさ。


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