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テイマー姉妹のもふもふ配信 ~もふもふをもふもふする最愛の妹がとってもかわいいので配信で自慢してみます~  作者: 龍翠


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配信三十一回目:かまくらとキツネの群れ

 白キツネを真似て、私も手で掘っていく。スコップぐらい買っておけばよかった。リアルと違って、手で掘っても冷えすぎることはないけど。ちょっとだけ冷たく感じる程度だ。

 私と白キツネがそんなことをしていたら、ウルフや猫又たちも集まってきて、みんなで掘り進めることになった。

 そして、数が数だからか、あっという間に中が空洞の雪のドームができあがった。


「完成! これ、かまくらでいいかな」


『いいのでは?』

『十分だと思う』

『まるで俺の頭のよう……』

『おいやめろ。俺にもダメージが来るだろうが』


「……?」


『分かっておられない』

『若いって、いいよね』


 本当に何言ってるんだろう。

 まあ、いいか。うん。いいや。とりあえず完成したのでれんちゃんを呼ぼう。


「れんちゃんやーい」

「はーい!」


 おお、すぐに反応があった。見ると、アリスとエドガーさんがオルちゃんとケルちゃんの下敷きになってる。何がどうなってそうなったんだあの二人。

 でも、どことなく幸せそうなのは何故だろう。


「変態さんかな……?」


『そのレッテルはさすがにかわいそうだからやめてやれ』

『もふもふの下敷きだからな。もふもふしてて幸せなんだろう』

『うんうん。うん……? 十分変態さんでは?』

『しゃらっぷ! 気付いちゃだめなやつ!』


 なるほどやはり変態さん。


「おねえちゃん!」


 おっと、いつの間にかれんちゃんが目の前に。いつの間にか白キツネはれんちゃんに抱かれていた。白キツネさん、ご満悦である。すりすりとれんちゃんに頭をこすりつけてる。本当に、すごくれんちゃんに懐いてるよね。かまくらも、れんちゃんが見たがってたから手伝ってくれたんだろうし。

 そう言えば、あの雪玉は白キツネのスキルなのかな。私はあの子のステータスを見れないから分からないけど、白キツネの種族名を考えると、その可能性は十分ある。


 ちなみに白キツネの種族名はスノウフォックス。思わずそのまんまかい、と突っ込んでしまった私は悪くないと思う。

 で、その白キツネだけど、れんちゃんに甘えるのに満足したのか、いやあれでも満足してないのか、今度はれんちゃんの首に器用に巻き付いていた。


「白キツネさんのマフラー!」

「よしれんちゃん動かないで。ちょっと写真撮りまくるから」

「え、あ、うん」


 れんちゃんが戸惑ってる間に激写激写! いやあ、いい絵だね! もこもこれんちゃんに白キツネさんのマフラー、まさにこれは!


「ふわもこれんちゃん!」


『お前はいきなり何を言ってるんだ』

『まあ言いたいことは何となく分かるけど』

『だがあえて言おう。落ち着け』


「だが! 断る!」


 次いつ見られるか分からないからね! 今のうちに、たくさん撮らないと!


「んー……。おねえちゃん」

「なにかなれんちゃん!」

「おねえちゃんが見たいって言ってくれたら、いつでも着替えるよ?」


 そう言って、ふんわり笑うれんちゃん。


「私の妹が天使すぎる。かわいい」


『わかる』

『なにこの天使』

『あかん、死ぬ』


 やはり私の妹は世界一だ。間違い無い。異論は聞こえない。


「かまくら完成してるよ。その子が頑張ってくれました」


 そう言うと、れんちゃんは少しだけ驚いたみたいで目を丸くして、白キツネさんを撫でた。


「ありがとう」


 白キツネさんが嬉しそうにれんちゃんに頬ずりしてる。いいよね、こういうの。

 とりあえず、せっかく作ったのでかまくらに入ることにしましょう。いや、私が手伝えたのってほんの少しだけだけど。


 今回作ったかまくらは、少し大きめのサイズだ。ディアが入るとなると厳しいけど、人なら四人ぐらいは余裕で入れると思う。

 かまくらには雪で作った椅子とテーブル。ウルフたちがかりかり削って作ってて、それはそれでかわいかった。三匹ほどがくるくる回って雪の塊を削っていくのは見てて面白かった。


「ああ! かまくらもうできてる!」


 おっと。アリスが戻ってきた。先に入ってた私たちに続いてアリスも入ってくる。中央の何もないテーブルを見て、にやりと笑った。


「れんちゃん」

「なあに?」

「おもちとか、どう?」

「おもち!」


 おもち。なるほどそれはいいと思う。絵本とかでも、七輪とかにのせて焼いて……、あれ? あれってかまくらの中でやってよかったっけ? そもそも溶けないの?


『ゲーム内でそんなこと気にするなよ』

『むしろ俺らとしては、足下の方が気になるんだけどな?』

『気付いてる? 気付いた上で無視してる?』


 気付いた上で気にしないようにしてる方だね。気にするとくすぐったくなるし。


「うわ!? なんだこれ!?」


 お、エドガーさんも戻ってきた。で、真っ先に反応してくれた。

 私たちの足下はキツネさんがたくさんです。何故かアリスが入ってきたあたりから、キツネたちも続々と入ってきて、足下はキツネの群れになってる。れんちゃんはいつの間にかキツネに埋もれてるし。


「テーブルにおもち置くよ」


 アリスが動じてない!? あ、いや違う、考えないようにしてるだけだ。

 とりあえず近くの椅子に座る。と、私の隣にキツネの塊が座った。違う。キツネにまとわりつかれたれんちゃんが座った。れんちゃんなのかキツネなのかこれが分からない。


「あー……。れんちゃん?」

「ふぁい」

「うん。ちゃんといるね」


『雀もそうだけど、よく動物にまとわりつかれる子だなw』

『れんちゃんは動物を引き寄せるフェロモンでも出してるのか?』

『ミレイを引き寄せるフェロモンなら出てるな』


「いやいや、フェロモンじゃなくてれんちゃんの魅力に引き寄せられてるのさ!」

「何言ってるのおねえちゃん」

「うん。その冷たい目は私にききます」


 やめよ? 口で言わなくても、気持ち悪い、と言われてる気がするよ?


壁|w・)雪の少ない地域の子供にとって、かまくらはちょっとした未知のもの。

ちなみにかまくらの中で七輪でおもちを焼いたからって崩れたりはしません。

かまくらの中でおもちを食べることができる行事もいろいろあったはず……。

キツネさんはれんちゃんが大好き。もふもふ。



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― 新着の感想 ―
[一言] なんだかんだ言って姉も年齢の割には純粋ですよね
[一言] れんちゃんの「何言ってるのおねえちゃん」 ミレイの心に深い傷跡になるダメージを与えた れんちゃんは1の経験値を得た 次のレベルまで残り4999
[良い点] れんちゃんの反抗期が始まったらお姉ちゃん(の周りが)大変そう
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