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テイマー姉妹のもふもふ配信 ~もふもふをもふもふする最愛の妹がとってもかわいいので配信で自慢してみます~  作者: 龍翠


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配信二十九回目:まえふり、そしてがおー

「そんなわけで、キツネさんを探しに行きます」

「行きます!」


『開始一言目がそれか』

『まあ経緯なんてどうでもいいさ』

『キツネってことは、あのクエストか』


 午後六時半。れんちゃんのホームで配信を始めると、何故か呆れられた。まあ唐突過ぎたとは思います。うん。まあ詳しいことは説明しなくても、簡単な経緯は分かるでしょ。


「れんちゃんがキツネさんに会いたいらしいので会いに行く。今更そんな説明がいるの?」


『いらないなw』

『むしろそれ以外に理由がないw』

『れんちゃん、どうしてキツネなの?』


「かわいいから!」


 れんちゃんの即答に、微笑ましいというコメントがいくつも並んでいく。とりあえず、おまかわが多すぎる。何を分かりきったことを書いているのやら。


「あのね、おねえちゃんにキツネさんのぬいぐるみをもらったの。それがかわいかったんだ。だから、会いたいなって思いました!」


『とても分かりやすい説明です』

『いいお姉ちゃんしてるじゃないか……』

『普段とのギャップがすごい。まさか、偽物?』


「喧嘩を売るなら買いますが。追放の形で」


『やめてください死んでしまいます』

『今更この配信が見られない生活なんて耐えられない!』

『ごめんなさい許してお願い』


「必死すぎて逆にびっくりだよ……」


 さすがれんちゃん、人気者だね。れんちゃんの頭を撫でてあげると、れんちゃんは不思議そうに首を傾げてすり寄ってきた。もっと撫でて、ということらしい。今日は甘えモードかな?

 なでくりなでくりこちょこちょこちょ。


『おれたちは……何を見せられて……』

『甘えるれんちゃんかわいすぎないか?』

『れんちゃんは普段からかわいいだろ何言ってんだお前』


 まったくだ。れんちゃんはいつもかわいいです。

 とりあえず満足したので、まだ何も聞いてないれんちゃんのためにも説明を始めましょう。知らない視聴者さんもいるみたいだしね。


「ではれんちゃん。キツネさんのテイムのための説明です」

「はい!」

「かわいいなでくりしちゃう!」

「はやくしよ?」

「あ、はい。ごめんなさい」


『れんちゃんつよいw』

『飴と鞭の使い分けをしてる……?』

『普段からミレイに苦労かけられてるからな……』


 いや待ってほしい。私そんなに苦労かけてるかな? え、そうなの?

 れんちゃんを見る。いつの間にかラッキーを頭にのせてもふもふしていた。うん。いつも通りだ。何も問題はない!


「はい続きです」


『おk』

『時間は有限だ、さくさくいこう』

『おまいう』


「知ってる人もいると思うけど、キツネは普通のモンスと違って、クエスト限定のモンスです。今後のアップデートとかイベントとかで変わってくるかもしれないけど、今のところはね」


『ああ、どうりで。このゲームで見たことなかったけど、そういうことか』

『気付かなくても仕方ないがもったいない』

『もっふもふやぞ』


 そう。このクエスト、知らないとまず気付かない。そしてさらに報酬も特に良いものがあるわけじゃないから、クエストをクリアする意味もあまりない。

 検証大好きな人たちは何かあるはずだって調べてたみたいだけど、結局何も分からなかったらしい。今ではキツネやタヌキを見るためのクエストという扱いだ。


「ちなみに場所はファトス方面。みんなセカンに向かうから気付かないみたいだけど、その逆方向、スライムがいる森を抜けると雪山があるよ。そこがクエストの場所。ちなみに防寒装備にしないと、寒さでダメージ受けるから要注意」


『最初の方のフィールドでそれはちょっとひどいと思うw』

『ちゃんと山の入口にNPCがいて、装備してなかったら警告してくれるぞ』

『いやまずファトスの側にそんな山を置くなよ』

『それは言わないお約束』


 ほんとにね。正直私たちは慣れてしまったところがあるけど、初心者さんはちょっと困ると思う。防寒装備はちょっとだけ高いからね。店売りはされてるけど。


『本当にそう思うのか?』

『ニキ! 君は行方不明になっていた本当にそう思うのかニキじゃないか!』

『すまんな、やってみたかっただけで別人なんだ』

『絶許』

『ごめんて』


「喧嘩よくないよ。で、どういうこと?」


『いや、公式のホームページに周辺地域の説明文あるだろ?』


 え、そうなの? どうやら気付いてなかったのは私だけじゃないみたいで、そんなのあるのかって多くのコメントが流れていく。ああいうのって、あまり見ないで始めちゃうからね。


『そこに、雪山の綺麗な水がファトスに流れて、多くの生産業に利用されてるってあるぞ』

『まじかよ、実は重要なエリアだったのか』


「そんな設定あったんだね……」


 実はキツネやタヌキはその守り神とか、そんな扱いだったりするのかな。調べてみるのも面白いかもしれない。……まあ、検証勢がすでに調べた後だとは思うけど。


「よし、説明はそれぐらいにして。れんちゃん!」

「はーい」


 振り返ると、れんちゃんはレジェに遊んでもらっていた。大きく翼を広げたレジェに喜んでるれんちゃんは、とても年相応だ。

 いや、というか、あっちに固まってるボスモンスたちがみんな立ち上がってるんだけど。


「がおー!」


 れんちゃんが叫ぶと、ボスモンスたちも雄叫びを上げた。なんだこれ。いや本当になんだこれ。本能的な恐怖が! こわい!


『今ミレイがびくっとしたぞ』

『俺もびくってした。びっくりした』

『おおおおおお落ち着けお前らおれれれれおれはへいじようしんんん』

『お前が落ち着けwww』


 いや本当に、急にやられると怖いんだけど。れんちゃんのその、やってやったぜ、みたいなやりきったお顔はなんなの? 何の意味があったの?

 お家の前の子犬たちが一切動じていないのも逆に怖い。私が知らないだけで、もしかしてよくやってるのかな?


壁|w・)がおーぱーとつー。

ただの説明回でした。すみません……。

次回はもこもこれんちゃん。



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― 新着の感想 ―
「がおー!」mk.2
[一言] 実は、練習してる ほら、お遊戯会みたいに ボス組、狼組、猫組、雀組とかでパートが別れてて、みんなでコラボると、かなりの迫力が(笑)
[一言] レンちゃん「がおーー‼️」 ボスモン達「「「GAOーー‼️」」」 ミレイ&視聴者「「「ヒィエ‼️」」」 平常心子犬達((ナカーマだから大丈夫!))
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